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2017年12月26日13:52

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インドにビーフカレー

これについても何度か書いたことがある。
僕自身もインドに貧乏旅行に行ってエラい目に遭った経験もあるし
愛読する井沢元彦の「逆説の日本史」の冒頭に「ビーフカレー理論」という
ここで僕が言いたいことをくどくどと書いた説明もあるので
簡単にまとめたいが

本文にもあるように、インドには「ビーフカレー」は存在しない。
ポークカレーもないし、何ならカレー自体が存在しない。
カレー料理自体はあるのに、カレーと分類しないのだ。

我々が、「みそ汁」を「スープ」とは呼ばないように
世界的な大意としての「カレー(=スープ)」そのものは存在しても
「みそ汁」を「スープ」とは呼ばないのと同じだ。
味噌汁は味噌汁であって、スープとはちょっと違うんじゃないか
そう感じるのと同じなのだ。

海外の人から見ると「カレー」に分類される料理には
一つ一つ名前がついていて、カレーに相当する分類をするならば
野菜や肉のスパイス煮込み、或いは野菜や肉のスパイスを使った料理
そういう分類をしなければならないのだ。
そして、インド人の多くがヒンドゥー教徒のため
禁忌である牛肉食は行わず、
ヒンドゥー教に大きく影響を与えたイスラム教の影響で豚肉も食べない。
食べるのは羊肉と鶏肉が主になっているのである。

だから、ビーフカレーやポークカレーがインドには存在しない、と
言っているのである。それは事実である。
そして作り方もまるで違う。
日本と違って、カレールーなるものは存在しない

ここで一つ分かるのは、「ルー」とは明らかにフランス料理の
食材の名前である
そして、インドを長く植民地化していたのはイギリスである。
インドは当時は綿製品の一大生産地でもあったが
あらゆる農産物や製品を割安で西洋に輸出していて
その中に「カレー」という食文化があったのである。

洋食に存在しない分類と多岐にわたるスパイスの調合は
合理的に整理され、誰にでもカレーが作れるスパイスミックスというのが
作られた。それが「カレー粉」である。
インドでもマーケットに行くと「ガラムマサラ」というスパイスミックスは売っているが
それは日本の食品で言うと「お塩」とか「お出汁」に近い位置づけで
インドではそれだけでカレーは作らない。
何か、その食品の個性を決定するスパイスではないのだ。
しかし、そういう「ミックス」を作ればいいんだ、という要素は
洋食に持ち込まれたのである。それがカレー粉である。

そして、インドの「カレー」的なものには小麦粉やとろみ付け的なものは
使われないのであるが
洋食のカレーでは、「ルウ」によって汁にとろみ付けがされる。
味付けを「ソース」で行うフランス料理の要素が加えられているのだ。

とどめに、フランス料理ではソースはメイン食材にかけられるものであり
主食にかけて食べるものではないから
お肉、それも西洋人が好きな牛肉や豚肉などを主食材として
カレールーに加えるのである。
もはや、ここまで来ると「インド料理」としての原形を留めていないのが分かる

日本では家庭ごとに味噌汁や鍋や漬物の作り方が
微妙に違うのと一緒で、インドのスパイス料理は
無数にある香辛料を家庭ごとにブレンドしたり使用量を変えて
食材と一緒に煮込むのがスタンダードであり
「●●というスパイスを使った、●●という主食材の煮るか炊くか焼いた料理」を
我々はカレーと同一視していたのである。

インド人から見ると
「どこが“本格インド料理”やねん。“本場の味”でビーフ使うな!」
と突っ込みどころ満載の筈である。

これは中国における「ラーメン」も「焼き餃子」も同じである。
中国には現在は“逆輸入”という形でどちらも入っているが
元々の中国料理に「ラーメン」も「焼き餃子」もない。
これは僕自身が中国をさ迷い歩いて実際に知った事実である。

そして
インド人はどういうわけか、日本に対して友好的である。
そういった背景で本文の逆輸入タイプの日本食が
商機になると考えるのも分からなくはないのである。


■きっかけは「カレーうどん」 インドに日本式カレー店
(朝日新聞デジタル - 12月25日 10:19)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4918742
 カレー大国であるインドで、インド人向けに日本式カレーを出す店が23日、首都ニューデリーで本格オープンした。経済成長で日本食を好むインド人が増えていることに商機を見いだした。同国の最大宗教ヒンドゥー教で牛が神聖視されるため、ビーフカレーはないという。

 この日、日本式カレーを初めて食べたというディシェカさん(32)は「日本食が好き。このカレーはスパイスが少なくてマイルド」と話した。

 出店したのは、日本人駐在員向けに居酒屋などを経営しているKUURAKU GROUP(クウラクグループ、本社・千葉市)の「TOKYO TABLE」。空港に近い商業施設のフードコート内で日本式カレーとラーメンを出す。

 日本式カレーは、小麦粉を混ぜて煮込むのが特徴だ。インドをルーツとするが、英国を経由して変化しながら伝わったとされる。

 インド人に菜食主義者(ベジタリアン)が多いことを考慮し、動物性油脂などの入ったカレールーを使わず、野菜を煮込んでつくる。主な具材はチキンやチーズ、エビなど。ヒンドゥー教徒が神聖視する牛のほか、イスラム教で禁じられている豚肉も使わない。チキンカレーは約560円。

 出店は、既存の居酒屋に来店するインド人に、カレーうどんが人気だったのがきっかけだ。羊骨を使ったマトンラーメンや、ベジタリアン向けの担々麺なども今回の店舗のメニューに入っている。(ニューデリー=奈良部健)

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