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2017年02月06日01:26

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ドラマ『 高い城の男 』


イミクのDOC ROEさんから勧められて、Amazonプライムオリジナルドラマ『 高い城の男 』(シーズン1)を観た。フィリップ・K・ディックの原作は評判が高く、以前から何人もの友人から読むことを熱烈に勧められていたが、結局、原作を手にすることなく、今日まで来てしまった。今回、Amazonドラマが想像を絶する面白さで、結果的に原作を読まずにいたことは「吉」と出た。物語の筋を知らないで映像を観る方がずっと新鮮だからだ。

 ドラマ『 高い城の男 』は、第二次世界大戦で枢軸国、つまりドイツ第三帝国と大日本帝国が最終勝利し、世界を平定した28年後のアメリカから物語が始まる(イタリアについての言及はない)。ロッキー山脈の西側は大日本帝国が統治し「 日本太平洋合衆国 」となっている、中間に中立地帯をはさんで、東側はドイツ第三帝国が統治する「 大ナチス帝国 」となっており、国家としてのアメリカ合衆国は存在しない世界だ。ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーは健康に問題があることを隠しているが、帝国内部ではすでにヒトラー亡きあとの実権を巡り、水面下でゲッペルス、ハイドリッヒらが派閥争いを始めていた。もし、ゲッペルスかハイドリッヒのどちらかが次期総統の座に着けば、ドイツ第三帝国は大日本帝国に戦争を仕掛けるのは明白だった。共に戦勝国ながら、科学技術ではドイツ第三帝国が大日本帝国をはるかに凌駕しており、開戦すれば大日本帝国は苦境に立たされるのは不可避と思われた。


 物語はいくつかのグループを中心として、相互が複雑に交錯しながら同時に進行する。この展開が実にスリリングで良質のサスペンススリラーとなっている。

 第一は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の統治を嫌い、自分たちの国を取り戻そうと抵抗運動を展開するレジスタンス。彼らは「 フィルム 」と呼ばれる謎の映画を運ぶことに命を賭けている。「 フィルム 」を作ったのは誰か、レジスタンスが集めたフィルムは誰のもとに送られているのか、多くは謎に包まれている。レジスタンスの中心で、実質的なドラマの主人公がジュリアナ・クレインである。

 第二は、高級官僚や軍の高官たち。彼らは一見、何を考えているのかわからないが、その実、国家に忠実で、何より、彼らの祖国民のことを思って行動している。日本側の中心人物は通産大臣の田上、ドイツ側の中心人物は親衛隊ジョン・スミス大将だ。この二人のキャラは傑出しており、存在感には圧倒される。

 第三は、フィルム争奪戦の前面に立つ、諜報畑の人々。日本側は憲兵隊・木戸警部(大尉)、ドイツ側は親衛隊スミス大将直轄の工作員ジョー・ブレイクだ。情報によれば、フィルムを作ったのは「 高い城の男 」と呼ばれる人物だとも、「 高い城の男 」がフィルムを集めているとも言われているが、定かではない。フィルムの正体(そのもつ意味)がわからないまま展開する争奪のドラマは謎めいている。
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