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2016年07月10日01:24

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北京3日目の頤和園

僕も、友人のタンゲには、
内心「悪いなあ」とは思っていたが
ようやっとゲットした西安行きの電車のチケットが
何日も後の日付なので、それまでは動けないわけであり

そもそもガイドブックも持たない、
言葉も分からない
それでいて初めての北京は楽しくて仕方ないと
そういう状況で
特に親しくもなかったタンゲのために
僕自身の命も張ってまで急いでいく気も余りなかったのである。

北京滞在中に定宿にしていた
「僑園飯店」というホテルは、ドミトリーがある
バックパッカーの間では有名な宿で
そもそも外国人が泊まれるホテルというのは
三ツ星ホテル以上と法律で決まっていたのだとか。
便宜房とかその他のランクの低い中国人向けの宿には
泊まりたくても泊めてもらえないのだそうで
初日以降、僕も自力で空いている宿を探した時に
そう言われたのを覚えている。

因みに本格的な、というか
ちゃんとしたホテルに泊まると一泊100ドル以上する。
三ツ星ホテルのくせにボロボロでドミトリーもあって
レセプションも風呂屋の番台みたいなところに
Tシャツ姿の姉ちゃんが一人居るだけで
彼女が留守中は、小さな子供が代わりに座って何やら中国語で喋っているだけの
どう考えても三つ星ではないホテルは
一泊が50元から100元と格安であった。
有難い話であるが、その後宿泊したところでも
高くて175元までで
何回か、ドミトリーが満室で個室に泊まったことはあるが
それでも300元までだった。
それから比べると、100ドルから300ドル一泊でかかってしまう
「ほんまのホテル」は余りにも割高であるし
そもそも一ヶ月の滞在費用の7万円(往復の船代込)の予算では無理である。

そんな懐具合であるから
食事も観光も移動も何もかも
安く、しかし満喫しながらではないと「やってられない」というのが
先に立って行動していたのである。

タンゲの救出は結果的には失敗するのであるが
それは先の話として
内心「どうでも良い」と思い始めた頃に
たまたまチケットショップで売り出されていた大連経由平壌行きの特急が
ほぼまる2日かかるみたいだが275元、というのも
魅力的に感じていた。
大連や北朝鮮の平壌にも行ってみたいという気持ちもあったが
それよりもほぼ2日間、退屈せずに300元以下で旅行できるのは
なかなかお値打ちだと思ったからである。

ホテルで1万円札を中国元に替えると
ついに1300元を越えるハイレートで換金してくれるようになっていた。
劇的に円高ドル安が進んでいて
ドル建てのトラベラーズチェックの値打ちは下落しっぱなしだった。
700ドル程度ではタンゲの帰りの旅費を用立てしていたら
自分の滞在費も余裕がないことに気がついたが
自分の滞在費⇒日本円、タンゲの旅費⇒トラベラーズチェックにして
両建てにしていたから
当面はお得な日本円を中国元に替えて過ごすことにしていた。

「染谷」さんが
「折角、北京に来たんだし、行けるところに行こうよ」
と我々に提案したのも当然のことだった。
北京二日目の晩はイスラム人やウイグル人が集まって暮らす地域に行って
ビールとナンとスパイス料理をたらふく食べた。
シシカバブが美味かったのが忘れられないが
薄味のピザの生地みたいな焼きパンがこれまた旨く
僕たちはしこたま地ビールで乾杯を繰り返したのだ。
その店で出されたビールは「燕京(ヤンジン)」という銘柄の
いわゆる地ビールで全体的にフルーティだが薄味。
半分凍っていたりするので、テーブルに載ってからも
暫く解凍しなければならない。
我々7人ががぶがぶ飲むので間に合わないのだ

三日目は北京駅に行って切符を買うのが最大のイベントだったが
それだけでは暇なので、地下鉄とバスを乗り継いで頤和園(いわえん)に
行くことにした。
本当は北京動物園辺りに行ってパンダが群れているのを見るというプランもあったのだが
「北京のパンダは値打ちがないよ」
という染谷さんの意見に従って今回は見送ることにした。

頤和園というのは、英語で書くとThe Summer Palaceといって
清朝の末期に君臨した西太后が
隠居したり院政を執ったりしていた場所として有名である。
人口の湖などがある公園で、取り立てて何があるわけではないが
何とも長閑な中国人たちの休日の風景などが知ることができる
とてもいい公園である。
歴史の名所を訪ねるという意味でも楽しかったのだが
この頃から中国人の史跡に対する姿勢が何となく
違和感が隠し切れない気分になり
複雑な思いで史跡を回ることになるのである。

夜は人生で初めて食べる北京ダック。
これも三ツ星ホテルのレストランを狙い撃ちして
訪れた。
一人100元も出せばおなか一杯になる量が出てくるのだ。
高級店や有名店の相場の半分から10分の1の値段である。
それに、店内はほどほどに空いていてほぼ貸切状態で
日本人7人は止むことなく会話を続けたわけである。

余談だが、その時、日本から持ってきたタバコが遂に尽きてしまったので
町のタバコ屋さんに買いに行くことになった。
日本と違って中国のタバコは自由価格制である。
つまり、店によって値段が違うのである。

僕は当時は「セブンスターカスタムライト」という銘柄を吸っていて
そのタバコがなかったら「セブンスター」にしていたのであるが
セブンスターは殆ど置いてなくて、「マイルドセブン」は大抵の店に置いてあるのであった。
訊けば、
「マイルドセブンが当店の最高のタバコだ」
というくらいの位置づけで
同じ値段の「北京」という銘柄と並んで大きな顔をしていたのを覚えている。
僕は訪れる町ごとにタバコ屋さんの店主と会話をして
色々と情報収集などをしたのだが
結果的に勧められたのが
「紅塔山(ホンターシャン)」という銘柄のタバコだった。
値段はひと箱20本が7〜8元で、並んでいるタバコの中では
真ん中より上くらいだろうか、やや高級たばこである。
15元以上するタバコもあったし、
マイルドセブンが15〜25元で売られていたことを考えると
割安であるともいえる。

とにかく、物価が安い中国において
贅沢品はべらぼうに高いくせに
庶民の生活必需品となれば極端に安いのが楽しいのである。
そのくせ
「多少銭?(トゥオシャオチェンア)」
と値段を尋ねると、たいてい10倍以上の値段を吹っかけてくる。
最後まで奴らのウソだらけの御託を聞き終える前に
「太貴了(タイグイラ)!」(高いわ、ボケ)
とカマしておくと、割と勢いよく値段が下げられていくので
これも楽しいのである。

そして、割と充実した気分で就寝した北京3日目のメーンイベントだった
北京駅の出来事については後述することにする。
時系列がいろいろと前後してしまっているが、明日修正する。

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