ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

原始仏教コミュの『心の錬金術師 ADHICITTA ALCHEMIST』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
   「錬金術は、ヴィジョンを理解・消滅・再形成する技術なり。

   されど、万能の技にはあらず・・・。
   法を曲げること、能(あた)わず。

   何かを得ようと欲すれば、必ず相応の原因を要するものなり。
   これ即ち、錬金術の基本、”因果連鎖”なり。

   錬金術師に禁忌(きんき)あり。
   そは、”五逆の大罪”(ごぎゃくのたいざい)なり。
   これ、何人(なんぴと)たりとも犯すことなかれ・・・」



 アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の冒頭を拝借・改変

  註 ”五逆の大罪” 父殺し・母殺し・阿羅漢殺し(聖者殺し)・
           ブッダに出血させる・教団を分裂させる

   アディチッタ・アルケミスト adhicitta alchemist  僕の造語です。 
  「アディチッタ」とは「心を」あるいは「さらに上の心を」を意味します。
   アルケミストとは錬金術師の意です。





   1.金の錬成     たとえ話
   2.心の錬成     たとえ話の解
   3.対応関係     象徴と実際
   4.精神統一の仕方  四禅
   5.黄金と不老不死
   6.まとめ      








原始仏典に錬金術に関する記述がありますので、その記述にのっとって「原始仏教の錬金術」を紹介したいと思います。


僕が錬金術の基本だと考えていることは「もし錬金術が純粋に物質のみを取り扱うものであるならば、今日の化学者こそが真の錬金術師になってしまう」ということです。言い換えれば「真の錬金術は物質だけでなく心をも取り扱うところにその奥義があるのでなければならない」ということです。



錬金術は一般的には金を錬成する術です。西洋の錬金術では鉛などの卑金属を金にかえるためにはその触媒として「賢者の石」(原義は哲学者の石)が必要であるとされます。原始仏教においては「賢者の石」と「溶かされた100%の純金」はほぼ同義で語られています。

原始仏教において錬金術とは「最高の可能性を持つ心の集中状態」を錬成する術を意味します。しかしその原始仏典における記述は、西洋錬金術におけるような複雑な錬成法とは異なり、普通の金の精錬作業がその象徴的なたとえ話として採用されています。その内容を紹介します。はじめにたとえ話を紹介し、続いて実際の修行を紹介します。これは原始仏典の記述を僕がまとめたものです。(最下部に原始仏典の錬金術の記述部分の全訳のリンクがあります)





【1.金の錬成】

1 大なる不純物
  黄金には粗い石と礫(れき)の不純物がある。
  洗う者がこれを桶の中に散らして洗って完全に取り除く。
2 中なる不純物
  金にはまだ小さな石と粗い砂の不純物がある。
  洗う者がこれを洗って完全に取り除く。
3 小なる不純物
  金にはまだ細かな砂と黒い粉の不純物がある。
  洗う者がこれを洗って完全に取り除く。すると金属が残る。
4 完全精錬
  その金属をるつぼに投げ入れて、以下の三作業で完全に溶かす。
   適度にふいごで風を吹き込む。(吹き過ぎれば燃え尽きる)
   適度に水を振りかける。   (かけ過ぎれば冷却する)
   適度に観察する。      (観察だけでは変化がない)
  以上の三作業を繰り返す。
  その過程で五つの卑金属である鉄・銅・錫・鉛・銀を完全に取り除く。

  完全に溶かされたときはあらゆる用途・アクセサリーに加工が可能になる。
  この「完全に溶かされた純金」こそが最高の可能性を持つ完全なる物質の象徴です。 
 
  原始仏典の記述はこれに続いて「まさにこのように心を修習する
  比丘は以下のようにしなさい」と実際の修行法の記述に入ります。





【2.心の錬成】

1 大なる心の汚れ [石] 三悪行
  身体の悪行・言葉の悪行・心の悪行を完全に断つ。
2 中なる心の汚れ [砂] 三悪尋
  欲の考え・怒りの考え・害する考えを完全に断つ。
3 小なる心の汚れ [粉] 三尋
  親戚・国土・不名誉に結ばれた三つの考えを完全に断つ。
4 完全精錬    [五不純物と不溶金] 五蓋・法尋
  欲望(鉄)怒り(銅)眠気(錫)躁鬱(鉛)疑(銀)を除去。
  法に関する考えごと(溶けていない金)を最後に断つ。
  そして三つのヴィジョンを繰り返し作り出す。
   適度に集中相を作意する。(集中だけでは倦怠に傾く)
   適度に精進相を作意する。(精進だけでは掉挙、躁状態に傾く)
   適度に捨相を作意する。 (捨だけでは漏尽のために集中できない)
  以上の三相作意を繰り返す。(正三角形のようにバランスよく)
  こうして力む精神統一ではなく、捨てることによる純粋な精神統一に達する。 
 
  力む精神統一は雑念をゴリ押しして集中状態を無理矢理に作り出すもの。
  力む精神統一は厳密な意味での精神統一には含まれない。
  純粋な精神統一は雑念を捨てる念によって捨てたので楽に集中する。
  純粋な精神統一こそが厳密な意味での精神統一でありサマーディ。

  集中したそのときは実証したいことを実証するために心を引発すれば
  十分な原因があればそれを実証することができる。
  そして超常の力である六神通が可能になるとして記述は終わります。
   (六神通:神足通・天耳通・他心通・宿命通・天眼通・漏尽通)

  以上が原始仏教の錬金術におけるいわば「大いなる作業」に相当します。





【3.対応関係】

1 石    身体の悪行・言葉の悪行・心の悪行
2 砂    欲の考え事・怒りの考え事・害する考え事
3 粉    親戚に関する考え事・国に関する考え事・不名誉を避けようとする考え事
4 卑金属  五つの心の覆い
    鉄  欲望  五感の対象への欲望
    銅  怒り  怒りや不満
    錫  眠気  眠気とぼんやり
    鉛  躁鬱  気分がハイになったり落ち込むこと
    銀  悩み  疑いや迷い、悩み
5 溶けていない金  法について考えること
6 精錬作業  三相作意  三つのヴィジョンを作り出すこと
  観察    集中相   集中対象のヴィジョン
  ふいご   精進相   努力・やる気が出るヴィジョン
  水     捨相    ある心の要素を消滅させるヴィジョン
7 溶かされた純金  純粋な精神統一 心の中が空っぽで集中している状態
8 金の用途     超人法     色々な超能力・霊能力を発揮する

    原始仏教の錬金術は金から不純物をどんどん取り除くように
    心から邪魔な要素をどんどん取り除いていく作業のこと。





【4.精神統一の仕方】

  具体的な精神統一方法として原始仏教では四禅という瞑想を説きます。

  準備.五不純物である欲望・怒り・眠気・躁鬱・悩みを完全に捨て去る。
  Lv.1 無欲の瞑想  五感の快楽への欲望を捨てる。思考・喜び・身体の楽あり。
  Lv.2 無思考の瞑想 思考も完全に捨てる。心の喜び・身体の安楽あり。
  Lv.3 無喜の瞑想  喜びも完全に捨てる。身体の安楽あり。
  Lv.4 無楽の瞑想  安楽も完全に捨てる。頭が真っ白で最高度に集中。

  このように思考・感情・楽苦などの心の要素を捨てれば捨てるほど精神が統一される。
  精神統一とは心に飛び込んでくる要素を限りなく捨てて行く作業のこと。
  

 この「純粋で混じり気のない完全なる精神統一状態」こそが錬金術師の力です。
 この心は圧倒的な輝きをもって輝く心だとされています。
 実際の電灯のように光るわけではなくて、多分霊的に光るのだと思います。
 全ての心はもともとまばゆく輝く心だとされているのですが普段はその心が
 様々な汚れによって散らばっています。精神統一という心の錬成によって
 その砂金のように散らばった心を一カ所に集めて溶かすことによって力を発揮します。
 それは冷静さ・注意力・意志力・集中力がマックスに達している状態です。

 この状態になれば潜在能力を最大限に発揮できるとされます。






【5.黄金と不老不死】

純金は錆びません。純粋な精神統一も長い間、集中状態が持続します。
また純金はあらゆる加工に耐えます。純粋な精神統一もあらゆる目的に意志を向けることができ、いかなる作業にも適しています。
また溶かされた純金は冷えればその形で固まります。同様に純粋な精神統一中に為されたどんな作業もよく成し遂げられ、その能力や知識は自らのうちに潜在化し蓄積します。
また金は様々な金属とよく化合します。純粋な精神統一によって達成された様々な作業はあらゆる分野の問題を解きほぐし、あらゆるよい芸術作品を生み出すでしょう。


賢者の石があれば、卑金属を金に変え、不老不死が得られるとされますが、原始仏典には神通力によって「実際の黄金」も「不老不死」も両方とも得る話が記述されています。

「実際の黄金」の記述としては、財宝を盗んだという嫌疑を王にかけられたある出家修行者が盗んでいない証拠に宮廷の床を全て金に変えてしまうという話があります。原始仏典の記述における神通力はこのように実際に卑金属を金に錬成することが可能であるようです。

原始仏典における不老不死については二種類あり、一つ目は「二度と肉体を獲得しない不老不死」で輪廻超越を意味し、「生まれないから死なない」という意味での不死、これが本物の不老不死です。二つ目は「この肉体を維持し続ける不老不死」です。原始仏典には「四神足をマスターすれば欲するだけ長生きできる」という記述があります。ただこの不老不死はいずれは生き続けたいというモチベーションが枯渇するのでいずれは死んでしまいます。しかし「欲するかぎりは生きれる」という点では、確かに不老不死と言えます。しかしいずれは死ぬのでその点においては不老不死の範疇に入れることに異論もあるかとも思いますが、中国では一般的に500年や5000年ほど生きれる仙人をもって不老不死と言う場合もあります。またそこまで神通力を鍛えた存在は、いつでも肉体を神通で一時的に物質化できると思いますので、生きるも死ぬもあまり関係ない境地だとは思います。


原始仏教においてはブッダや如来がどんなに無限に修行したとしても「宇宙法則を変えることは絶対にできません」。宇宙法則が最強です。如来や阿羅漢や神々などの宇宙内存在者は宇宙法則を変更することはできません。また宇宙外存在者は存在しません。存在者がいるところは宇宙に含まれますから。結局、宇宙法則が最強です。「法を曲げること、能わず」です。


純粋な精神統一状態とは「何事にも取りかかれる完全にニュートラルな精神状態」を意味するのみであり、新しい神通・超能力を開発する場合はやはり時間がかかると思います。少量の溶かされた純金と大量に溶かされた純金では大きな差異があるように、強靭な意志力のある人が最高の集中状態を得た場合と、あまり意志力の強くない人が最高の集中状態を得た場合とでは威力が違うと思います。

また「溶けた金を加工する技術」(それぞれの分野の神通力・技術)も必要だと思います。つまり、様々な神通の力を得るには個々別々の持続的な努力を先に行なっていることが必要だと思います。最高の集中力でバイオリンをはじめて習って練習するならば、それが最高の集中力で行なわれるのですから進歩はかなり早いと思いますが、それでもプロの域に達するまでにはある程度の時間がかかるのと同様だと思います。

金の純度は24金が最高純度、24カラット、K24とされています。欲望が多い人は鉄が混じったような精神統一をする人であり、同様に怒りが多い人は銅が混じったような精神統一をする人です。それらの雑念を伴った精神統一でもある程度の成果を上げること(怒りをエネルギー源に頑張るタイプの人)はできますが、「純金」の持つ性質はやはり最高のものです。用途別に合金することはあっても、化合する技術よりも先に「純粋な金」を取り出す技術を先に手に入れるべきなのです。つまり、目標を達成するにはまず「純粋な精神統一」を達成することが遠いようで近道ということです。






【6.まとめ】

錬金術の義は「心を錬成する術」であり「錬心術」です。

これを修めた者こそが「心の錬金術師」という称号を名乗るのに相応しいということになります。原始仏教は善なるヴィジョンを繰り返しイメージしてそれをマスターするための修行です。悪のヴィジョンを作り出すことは不利益でありいずれは苦をもたらすものとして推奨されません。三悪想と呼ばれる欲想・恚想・害想などです。身体による行ないも言葉による行ないも全てヴィジョンを原因として生じます。またヴィジョンは単なる頭の中だけにとどまらず、超能力のある者は念じるだけで外界に作用を及ぼすことができます。

「ヴィジョンの達人」となり、自らの心の自在を獲得する者は、心だけでなく物質世界の四大、地水火風を完全に制御することができると考えられます。それは一言で言えば「心の力」です。生ける者たちの心の力によってこの全宇宙は動かされています。心の力とは即ち、「全ての力であり、力の全て」でもあります。ゆえにこの宇宙というのは数えきれない存在者たちによる「ヴィジョンの競技場」のようなものです。最後に大いなる作業を復習します。



 錬金術はヴィジョンを理解・消滅・再形成する技術。
  不純物の確認作業は、自らの心のヴィジョンを理解し尽くす作業に相当。
  不純物の除去作業は、自らの心のヴィジョンを消滅し尽くす作業に相当。
  金の加工作業は、善にして有益なヴィジョンを新たに再形成する作業に相当。

 従って錬金術師は、
  自分が何を考え何を感じているか完全に知り尽くさなければならない。
  心に飛び込んで来る要素を制御し、消滅させればさせるほど集中する。
  最高の集中状態で「知るべきことを知り、為すべきことを為すこと」。
  この作業を完全にマスターすることによって錬金術師として大成する。





   「錬金術は、ヴィジョンを理解・消滅・再形成する技術なり。

   されど、万能の技にはあらず・・・。
   法を曲げること、能わず。

   何かを得ようと欲すれば、必ず相応の原因を要するものなり。
   これ即ち、錬金術の基本、”因果連鎖”なり。

   錬金術師に禁忌あり。
   そは、五逆の大罪なり。
   これ、何人たりとも犯すことなかれ・・・」






心を錬成する真の錬金術師、「アディチッタ・アルケミスト」として大成するために、自らの心の錬成に取り組みましょう。







・トピック「錬金術に関する記述」
 1 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49205900&comm_id=951429
 2 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49225026&comm_id=951429

コメント(3)

実際の化学の知識があればより一層、修行の実験や検証が行ないやすくなり、神通を得た暁には面白いことになりそうですね。近いうちに原始仏典の記述もアップしようと思います。
原始仏典コミュニティのほうで、原始仏典における錬金術に関する記述の翻訳をアップしましたので、そのリンクを追加しました。


・トピック「錬金術に関する記述」
 1 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49205900&comm_id=951429
 2 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=49225026&comm_id=951429

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

原始仏教 更新情報

原始仏教のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。