ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

Standard Jazz Songコミュのスタンダードソングタイトルの、名迷訳

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
昭和の時代にアメリカのスタンダードソングが次々と日本に入って来た頃、日本のレコード会社はその曲に邦題を付けて紹介しました。
今より日本人がもっと英語を苦手とした時代、数々の名訳や迷訳が生まれました。

レコード会社の企画担当者や翻訳家達にはセンスの有る方が多かったのでしょう、感動を呼ぶようなタイトルや英語を誤解したための迷訳もありました。
また本当の意味を理解しているのに多分意識的に、日本人に受けそうな誤訳のタイトルを付けた物もあったと思います。
何で!と言いたくなる、センスの無い単なる直訳というのもありますね。

例えば名誤訳の例として日本ではハンフリー・ボガードの代名詞のようになっている名画「カサブランカ」で使われた名曲
"as time goes by", 日本では「時の経つまま」あるいは「時の過ぎ行くままに」という実に味の有る名訳が付いています。

しかしこの歌の歌詞を見て頂けば一目瞭然、実際の意味は「どんなに時代が変わっても」でしょうか?
これは訳者が間違えたというより、意図的に作ってにんまりしていた気がします。




このトピックではこういった名訳、迷訳をご紹介しながらスタンダードソングの歌詞をより深く味わいたいと思います。
皆様のご協力を、よろしくお願い致します。


*********************************************************
曲名リスト(登場降順)
*********************************************************
#156-"It might as well be spring." 「春の如く」
#153-"Take the A train" 「A列車で行こう」
#151-"South of the border" 「国境の南」
#149-"On the sunny side of the street" 「明るい表通りで」
#148-"Lullaby Of Birdland" 「バードランドの子守唄」
#146-"The night has a thousand eyes" 「夜は千の眼を持つ」
#144-"Alice in wonderland" 「不思議の国のアリス」
#142-"A foggy day" 「霧の日」「霧深き日」
#141-"I wish you love"(Que reste-t-il de nos amours?) 「残されし恋には」
#140-"On a clear day you can see forever" 「晴れた日に永遠が見える」
#138-"The end of a love affair" 「情事の終わり」
#137-"Autumn in New York" 「ニューヨークの秋」
#135-"Polka dots and moonbeams" 「月光と水玉模様」
#133-"I'll remember April" 「四月の思い出」
#131-"The way you look tonight" 「今宵の君は」
#129-"You and the night and the music" 「あなたと夜と音楽と」
#127-"Autumn Leaves(Les feuilles mortes) 「枯葉」
#124-"Tea for two"「二人でお茶を」
#122-"When you wish upon a star" 「星に願いを」
#121-"When you're smiling"「君微笑めば」
#118-"Stella by starlight"「星影のステラ」
#112-"After you've gone"「君去りしのち」
#111-"Baubles,Bangles And Beads"「ビーズと腕輪」、「輝く腕輪とビーズ玉」
#110-"Moon-light swim."「月影の渚」
#108-"Gone with the wind"「風と共に去りぬ」
#101-"I can't believe that you're in love with me."「恋のため息」
#100-"Night and day"「夜も昼も」
#99- "Days of wine & roses"「酒とバラの日々」
#98- "Violet for your furs" 「コートにすみれを」
#95- "On the street where you live" 「君住む街角」「君住む街で」
#89 - "Body and soul" 「身も心も」
#88 - "I've got you under my skin" 「あなたはしっかり、私のもの」
#86 - "Easy Living"「気ままな暮らし」
#84 - "I'm gonna sit right down and write myself a letter"「手紙でも書こう」
#82 - "My foolish heart"「愚かなり我が心」
#81 - ”People will say we're in love."「粋な噂をたてられた」
#79 - "How long has this going on" 「いつ頃からか」
#77 - "Love is here to stay." 「我が恋は、ここに」
#75 - "The way you look tonight"「今宵の君は」
#72 - "Pennies from heaven" 「黄金の雨」
#69 - "All the things you are" 「君はわがすべて」
#67 - "Moonlight in Vermont" 「ヴァ―モントの月」
#66 - "East of the sun"(and west of the moon) 「太陽の東」
#63 - "Prisoner of love" 「恋のとりこ」
#62 - "These foolish things"「想い出のたね」
#61 - "It's the talk of the town." 「街のうわさ」
#60 - "There will never be another you" 「あなた無しでは」
#57 - "On a slow boat to China" 「中国行きのスローボート」「中国行きの船に乗って」
#54 - "My one and only love" 「ただひとつの恋」
#50 - "The very thought of you"「君を想いて」
#45 - "I get a kick out of you" 「君にこそ心ときめく」
#43 - "What a difference a day made."「縁は異なもの」
#40 - "Someone to watch over me"「優しき伴侶を」「誰かが私を見つめてる」
#35 - "I didn't know what time it was"「時さえ忘れて」
#34 - "Alone together"「二人ぼっち」「たった二人で」
#33 - "The things we did last summer"「過ぎし夏の想い出」「想い出の夏」
#32 - "Come rain or come shine"「降っても、晴れても」
#31 - "Bewitched"「魅惑されて」「魅せられて」
#23 - "Where or When"「いつか、どこかで」
#21 - "Smoke gets in your eyes"「煙が目にしみる」
#19 - ”The shadow of your smile"「いそしぎ」
#14 - "You'd be so nice to come home to"「帰ってくれたら、嬉しいわ」
#13 - "I cover the waterfront"「波止場にたたずみ」「水辺にたたずみ」
#10 - "Stars fell on Alabama"「星降るアラバマ」「アラバマに星堕ちて」
#8 - ”Between the devil and deep blue sea”「絶体絶命」「わかってほしい、この気持ち」「悪魔と深海」
#3 - "Stairway To The Stars" 「星への階(きざはし)」
#2 - "I can't get started" 「言い出しかねて」
#0 - "as time goes by" 「時の経つまま」「時の過ぎ行くままに」

コメント(158)

>>[119] ”Stella by starlight"「星影のステラ」

上から3番目の動画、貼り付け間違いでした m(_ _)m


"When you're smiling"「君微笑めば」

1928年世界恐慌の中で作曲家ラリー・シェイが、マーク・フィッシャー、ジョー・グッドウィンと共作した曲で、皆が笑顔を忘れないようにという思いを込めて作られました。
いま辛い思いをしている人たちに、今なにもできなくてもせめて微笑もうよと呼び掛けている歌ですね。
色々なスイングバンドが演奏しましたが、サッチモのプレーでも有名ですね。


When you're smilin' keep on smilin'
The whole world smiles with you
And when you're laughin' oh when youre laughin'
The sun comes shinin? through

But when you?re cryin' you bring on the rain
So stop your sighin 'be happy again
keep on smilin Cause when you're smilin'
The whole world smiles with you

Oh when you're smilin' keep on smilin'
The whole world smiles with you
Ah when you're laughin' keep on laughin'
The sun comes shinin' through

あなたが 微笑む時
あなたが 微笑みを忘れなければ
あなたと共に世界も微笑む
あなたが笑っている時
あなたが笑いを忘れなければ
太陽までもが、輝きだすさ

しかし、あなたが泣いてしまうと、
あなたは雨を呼び寄せてしまう
だからため息をつくのは止めて、楽しくやろうよ
どうか微笑みを止めないで
そうすればあなたと共に世界も微笑む

あなたが微笑む時
あなたが微笑みを忘れなければ
あなたと共に世界も微笑む
あなたば笑っている時
あなたが笑いを忘れなければ
太陽までもが、輝きだすさ。

まずは、サッチモで


ドリス・デイです


ナット・キングコールです


ジュディ・ガーランドで


ビル・ワトラスのトロンボーン演奏がありました

"When you wish upon a star"「星に願いを」

ネッド・ワシントン作詞、リー・ハーライン作曲のコンビで1940年にディズニー映画「ピノキオ」の主題歌として発表された曲で、映画の中ではジミニー・クリケットという名前のコオロギが歌いました。

その年のアカデミー賞の歌曲賞を獲得したこの曲は、アメリカン・フィルム・インスティチュートによるアメリカ映画主題歌ベスト100の第7位に入っています。

ルイ・アームストロングのアルバム「サッチモ・シングス・ディズニー」のバージョン等、多くのカバー・バージョンが存在します。

When you wish upon a star
Makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

Fate is kind
She brings to those to love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true


星に願いをかけるとき
あなたがどんな人であろうとそんなことは関係ない
あなたが心に願うことは何でも
かなうでしょう

あなたが心から願っているのなら
無理な願いなんてありません
夢追い人がするように
星に願いをかけるなら

運命の女神はやさしいもの
愛する心を持つ人の
その心に秘めた願いを
優しく叶えてくれるのです

晴れた空に急に光る稲妻のように
運命の女神は急にやって来てあなたの力になってくれる
星に願いをかけるとき
あなたの夢は叶えられるのです


映画の中でコオロギ(ジミニー・クリケット)が唄います。(実際のシンガーは、クリフ・エドワーズ)



サッチモの、プレーです。



エディ・ヒギンズです。



ジュリー・アンドリュースです。

>>[122] Pinocchio

このフィルムは1938年に製作が始まって、1940年に封切りされているのですね。

https://en.wikipedia.org/wiki/Pinocchio_(1940_film)

米国には第二次世界大戦の最中でもこれだけのものを作り出す国力があったということですね。

わたしのお気に入りのアレクシス・コールです。



"Tea for two" 「二人でお茶を」

ヴィンセント・ユーマンス作曲、アーヴィング・シーザー作詞で、1925年にミュージカル「ノー・ノー・ナネット」:( No, No, Nanette)の為に作られた曲です。
この曲が大ヒットした結果、このミュージカルの映画化に当たってはミュージカルのタイトル自体がTea for twoになってしまいました。

一説によると作曲をしたユーマンスにちょうど眠たい時に無理やり作詞を迫られたシーザーは寝ぼけまなこで適当に作詞したそうですが、それが大ヒットするとは・・・・・

この曲はデュエットで唄われる事も多いのですが、最初のミュージカルでデュエットしたのがゴードン・マクレイとドリス・デイ。
サミー・デイビスとカーメン・マクレイも有名ですし、多くのソロシンガーも歌っています。

Picture me upon your knee
With tea for two, and two for tea
Me for you, and you for me alone

Nobody near us
To see us or hear us
No friends or relations
On weekend vacations
We won't have it known
That we own a telephone

Day will breakAnd you'll awake
And I will bakeA sugar cake
For you to take For all the boys to see

We will raise a family
A boy for you and a girl for me
Can't you see
How happy we would be


僕の膝に座った君を想像してみてよ
そして二人でお茶を飲むんだ
僕と君だけ、他には誰もいない
そばには誰もいないし、見聞きしている人もいない
友達も親戚もいない週末の休暇
電話番号も知らせない

夜が明けて君は目を覚ます
そして僕はシュガーケーキを焼くんだ
君がそれを、男の子たちに自慢できるように

一緒に家庭を作ろう
君には男の子、僕には女の子
それがどんなに幸せか、君にはわかるよね。

という訳で、まずは何と言ってもドリス・デイ。



ビヴァリー・ケニーです。



ザビア・クガートのチャチャチャで。



アニタ・オディです。



アート・テイタムの神業的ピアノプレイです・

>>[124] "Tea for two" 「二人でお茶を」

作曲年がちょうど米国禁酒法さなかの1925年、これはもぐり酒場スピークイージーでティーカップに入ったお酒を二人で飲む悦びという裏の意味があるのじゃないだろうかと思ったことがあるのですが、違うんでしょうね ^^;
>>[125]

一方"Cocktails for Two" (Arthur Johnston and Sam Coslow. (1934)) の方は1933年に禁酒法が廃止されておおっぴらにお酒が飲める悦びを歌った曲なんですね :-)

”Autumn Leaves"(Les Feuilles Mortes) 「枯葉」

1945年にフランスで、バレーの音楽用にジョゼフ・コズマが作曲しました。
翌1946年に製作されたマルセル・カルネ監督の映画「夜の門」(Les Portes de la Nuit )でこの曲が挿入歌として用いられることになり、映画の脚本にも携わったジャック・プレヴェールが後から詞を付けました。

第二次世界大戦後のシャンソンとして世界的にも有名なスタンダードであり、またいち早くジャズの素材として多くのミュージシャンにカバーされて数え切れないほどのレコーディングが存在することでも知られています。

この曲がアメリカに持ちこまれたのは1949年ですがフランス語の歌詞ではアメリカで売れるはずもなく、この曲を売り出そうとしたキャピトル・レコードの方針で英語歌詞が付けられ、"Autumn Leaves"というタイトルで発表されました。
英語詞を作詞したのはキャピトル・レコードの創立者でもあった、あのジョニー・マーサーです。

最初にこの英語詞を歌ったのは、1950年のビング・クロスビーで、以後1952年のナット・キング・コールのバージョンなどボーカルを中心に何種かのバージョンが送り出されました。

ジャズファンの間ではキャノンボール・アダレイのブルーノート盤『サムシン・エルス』(1958年録音、実質的にはマイルス・デイヴィスのリーダーアルバム)が有名であり、若いファンの中にはこの曲をマイルスの作曲と思い込んでいる人もかなりいるという噂を耳にした事があります。

(英詞)
The falling leaves drift by the window
The autumn leaves of red and gold
I see your lips, the summer kisses
The sun-burned hands I used to hold

Since you went away the days grow long
And soon I'll hear old winter's song
But I miss you most of all my darling
When autumn leaves start to fall

赤や山吹色に染まった、秋の枯れ葉が窓辺を漂い、
僕は君の唇、夏の日のくちづけ、かつて僕が握りしめた、陽に焼けた手を想う。

君が去ってから、日は長くなり
そして、またすぐに懐かしい冬の歌を聞くだろう。
だけどなによりも君に逢えないのが寂しいよ、愛しき人。
秋色の葉が落ち始める、こんなときには。

(仏詞)
Oh ! je voudrais tant que tu te souviennes
Des jours heureux où nous étions amis.
En ce temps-là la vie était plus belle,
Et le soleil plus brûlant qu’aujourd’hui.

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle.
Tu vois, je n’ai pas oublié…

Les feuilles mortes se ramassent à la pelle,
Les souvenirs et les regrets aussi

Et le vent du nord les emporte
Dans la nuit froide de l’oubli.
Tu vois, je n’ai pas oublié
La chanson que tu me chantais.

ああ、きみがしっかり覚えていてくれたらな
僕たちが友だちだった楽しかった時のことを
あの頃は人生はずっと美しかった
太陽も、今日よりずっと燃えていた

シャベルに集められた枯葉
あのさ、僕は忘れてなんかいないよ

シャベルに集められた枯葉
思い出と後悔も

北風が葉っぱを運び去る
忘れ去られた冷たい夜に
あのさ、僕は忘れてなんかいないよ
君が僕によく歌ってくれた歌のことを


ではマイルス、ではなくあえてチェット・ベーカーとポール・デスモンドで


有名なナット・キング・コールのバージョンです


スタン・ゲッツです




>>[127] ”Autumn Leaves"(Les Feuilles Mortes) 「枯葉」

>英語詞を作詞したのはキャピトル・レコードの創立者でもあった、あのジョニー・マーサーです。

あの、ジョニー・マーサーが自身で歌っている音源です。



”You and night and music"「あなたと夜と音楽と」

この曲の作曲家のハワード・ディーツはサイレント映画の伴奏ピアニスト、作詞家のアーサー・シュワルツはMGM映画社の広報部員。
二人は1928年からチームを組んで、他に「アローン・トゥゲザー」「ダンシン・イン・ザ・ダーク」などの名曲を手掛けています。

この曲は1934年に最初はラジオで紹介され、その後ミュージカル「リヴェンジ・ウィズ・ミュージック」で使われました。
さらに1953年の映画『バンド・ワゴン』でも、挿入歌として歌われています


You and the night and the music
Fill me with flaming desire
Setting my being completely on fire

You and the night and the music
Thrill me but will we be one
After the night and the music are done

Until the pale light of dawn and in daylight
Hearts will be throbbing guitars
Morning will come without warning and take away the stars

If we must live for the moment
Love 'til the moment is through
After the night and the music die
Will I have you?

あなたと夜と音楽が
僕を燃えさかる欲望で満たす
まるで炎に投げ込まれた様に

あなたと夜と音楽が
僕の心をかき乱す
夜と音楽が終わっても
二人は心離れず済むだろうかと

夜明けの光が差し込むまでは
心のギターをかき鳴らそう
でも突然の朝が
星々を一掃してします

たとえこの瞬間しか生きられぬなら
この時が続く限り愛し合おう
でも夜と音楽が途絶えた後でも
あなたを離さず済むだろうか


「あなたと夜と音楽と」まさに直訳のタイトルです。
ただこの歌詞、男性の立場と女性の立場でニュアンスが変わるのが面白いですね。
上記の邦訳は男性の立場での訳ですが女性が唄った場合は、男性にしがみつくようなニュアンスに聞こえ、男性が唄うと失恋を恐れる女々しい男の歌に聞こえませんか?


女性代表は、ジュリー・ロンドンです。



昔よく聞いたビル・エヴァンスの「インタープレイ」から
ジム・ホールのギターが、効いてます



たまにはジャッキー・グリースンでムードたっぷりに



今回も、締めはシナトラで

”You and night and music"「あなたと夜と音楽と」

現代の歌姫、私のお気に入り、ジャッキー・ライアンです。



"The way you look tonight.," 「今宵の君は」

作曲:ジェローム・カーン、作詞:ドロシー・フィールズで、1936年にフレッド・アステア主演の映画「有頂天時代(Swing Time)」のために書かれた名曲。
作詞を担当したドロシー・フィールズは初めてジェローム・カーンの演奏でこの曲を聴いて、あまりのメロディの美しさに涙を流したそうです。
この曲、もちろんアカデミー賞映画主題歌賞を受賞しています。

Some day, when I'm awfully low
When the world is cold
I will feel a glow just thinking of you
And the way you look tonight

Yes, you're lovely, with your smile so warm
And your cheeks so soft
There is nothing for me but to love you
And the way you look tonight

With each word your tenderness grows
Tearin' my fear apart
And that laugh..wrinkles your nose
Touches my foolish heart

Lovely ... Never, never change
Keep that breathless charm
Won't you please arrange it? 'Cause I love you
Just the way you look tonight

もしも落ち込んで
世間を冷たく感じる日があるとしても
君を思えばきっと元気になれる
今宵の君のことを思い出しさえすれば

そうさ君は可愛くて、その微笑みは温かくて
ほっぺたはとっても柔らかいから
僕は何も要らない、君を愛せれば
そして今宵の君がいてくれれば

何か話すたび、優しさが伝わってきて
僕の心配を拭い去ってくれる
君が、鼻にしわを寄せて大笑いすると
僕の愚かな心までも明るくなってくる

その愛らしさ、絶対に絶対に変わらずにいてほしい
君の魅力に息をするのも忘れるくらい
どうかずっとそのままでいて
だって僕は今宵の君を愛しているから


トニー・ベネットでスタート


これが、オリジナル?フレッド・アステアが唄います


1961年には、レターメンでリバイバルヒットもしました


ペギー・りーが、ベニー・グッドマンと



>>[131] "The way you look tonight.," 「今宵の君は」

興味深い動画がありました。
新進ヴォーカリスト、シャルネー・ウエイドが、若〜い人(たち)にレッスンしているのですが、題材にこの曲を使っています。
歌を歌うときに基本的に非常に大事なことを解説しています。

"Story, tell the first. Who am I?. Where am I?. Why am I?"

ジャズヴォーカルを練習していらっしゃる方々は既にご存知のことなのでしょうね。



"I'll remember April" 「四月の思い出」

1941年にGene DePaulが作曲し、Don RayeとPat Johnstonが作詞した、あまりにも有名なスタンダード曲です。
アボット・コステロ主演のコメディ映画「Ride 'Em Cowboy (邦題:凸凹カウボーイの巻)」に使用され、、映画の中ではディック・ホーランという歌手が歌いました。ました。

ジャズの世界ではバド・パウエルが自らアレンジを施して1947年のアルバム、「バド・パウエルの芸術」に収録したのが、有名でしょうか。
クリフォード・ブラウンの名演も記憶に残りますし、もちろん多くのシンガーがレパートリーに加えて来た名曲です。


This lovely day will lengthen into evening
We'll sigh goodbye to all we ever had
Alone where we have walked together
I'll remember April and be glad

I'll be content you loved me once in April
Your lips were warm, and love and spring were new
I'm not afraid of autumn and her sorrow
For I'll remember April and you

The fire will dwindle into glowing ashes
For flames live such a little while
I won't forget, but I won't be lonely
I'll remember April and smile

素敵な一日も夕暮れとともに幕を閉じ
人々はその日の全てに別れを告げる
僕は二人歩いた道を一人たどりながら
四月を思い返して幸せな気持ちになる

あの四月、あなたは僕を愛してくれた事で僕は十分
あなたの唇は温かく、春は新鮮だった
だから秋の淋しさを恐れはしない
あなたとの四月の思い出があるかぎり

炎が消えてしまえば、ただの灰になる
火も恋もほんのわずかな間の命
でも、忘れなければ淋しくはならない
四月を思い返して微笑む

カテリーナ・ヴァレンテとチェット・ベーカーです


ジョージ・シアリングのクールサウンドで


ジョニ・ジェームスが唄います


ソニー・スティットの演奏で

>>[133] "I'll remember April" 「四月の思い出」


ジェリー・マリガンのオリジナル曲 "Rocker"は、この曲のコード進行を使って書かれた曲だとされていますね。



"Polka dots and moonbeams" 「月光と水玉模様」

作詞:ジョニー・バーク、作曲:ジミー・ヴァン・ヒューゼン。
もともとはトミー・ドーシーオーケストラの専属歌手だったフランク・シナトラの為に作られた曲だそうですが、当時同時にグレン・ミラー楽団も取り上げてレイ・エバールに歌わせてで対抗しました。

その後多くのアーティストが取り上げたお馴染みのスタンダード曲ですが、田舎のパーティで偶然知り合った男女が、二人でいつまでも幸せに暮らすという古き良き時代のアメリカ生活を唄った内容の歌です。

A country dance was being held in a garden
I felt a bump and heard an "Oh, beg your pardon"
Suddenly I saw polka dots and moonbeams
All around a pug-nosed dream

The music started and was I the perplexed one
I held my breath and said "May I have the next one?"
In my frightened arms, polka dots and moonbeams
Sparkled on a pug-nosed dream

There were questions in the eyes of other dancers
As we floated over the floor
There were questions but my heart knew all the answers
And perhaps a few things more

Now in a cottage built of lilacs and laughter
I know the meaning of the words "Ever after"
And I'll always see polka dots and moonbeams
When I kiss the pug-nosed dream


近所の庭でカントリー・ダンスパーティがあったんだ、
不意に誰かがぶつかって、「まあ、ごめんなさい」と声がした。
突然目に入ったのは水玉模様と月光に照らし出された
ツンと上を向いた鼻の夢を誘うような女の子、

音楽が始まり、ちょっとまごついたけど、
僕は思い切って、君を誘った、「次に踊っていただけますか?」
緊張でこわばる僕の腕の中で、水玉模様と月光が、
君のツンとした夢を誘う鼻先に輝く。

ダンスする他の人達は、不思議そうな顔で
滑るように踊る僕達を眺める。
皆にとっては疑問でも、僕は答えを知ってたし、
多分、それ以上のことも判ってたんだ。

今は君と一緒、ライラックが咲き笑い溢れる小さな家で、
「ずっと幸せに暮らしましたとさ」、
そんなおとぎ話の文句を実感してる。
これからもずうっと、水玉と月光が見えるだろうな、
ツンとした夢を誘う鼻の君にキスするときはいつも。

本命中の本命、トミー・ドーシー楽団とフランク・シナトラで



これもジャズファンには有名な、ウエス・モンゴメリーのギターバージョンです



フォー・フレッシュメンの爽やかな?コーラスで



ちょっと珍しく、コニー・スティーブンスのボーカルで



そして、ビル・エヴァンスのトリオです

>>[135] "Polka dots and moonbeams" 「月光と水玉模様」

この曲を聴くと、よく思い浮かんでくる二つのことがあります。

一つは、日本の某PMが水玉模様のタイがお好きだったこと。

もう一つはこれです。
水玉模様の黄色いビキニスタイルの水着。
1960年ごろのヒット曲ですが、このころ世にビキニの水着が登場したのですね。
半世紀以上たった現在では、若い女性がお召になる普通の水着になっています :-)



ビキニという地名は、米国の太平洋核実験場として知られています。



"Autumn in New York" 「ニューヨークの秋」

クラシック界でも活躍しガーシュインの門下生でもあるウラディミール・デュケルスキーが、そのペンネームであるヴァーノン・デュークで1934年に作詞、作曲たミュージカル・ショー"Thumbs Up!"の中の1曲。
のちにシナトラのヒットで、更に有名になりました。


Autumn in New York
Why does it seem so inviting
Autumn in New York
It spells the thrill of first-nighting

Glittering crowds and shimmering clouds
In canyons of steel
They're making me feel - I'm home

It's autumn in New York
That brings the promise of new love
Autumn in New York
Is often mingled with pain

Dreamers with empty hands
They sigh for exotic lands
It's autumn in New York
It's good to live it again

This autumn in New York
Transforms the slums into Mayfair
Autumn in New York
You'll need no castles in Spain

Lovers that bless the dark
On benches in Central Park
It's autumn in New York
It's good to live it again

ニューヨークの秋、
なぜこんなにも魅力的なのだろう
ニューヨークの秋は、
初日の舞台の、ときめき

摩天楼の谷間で眺めるきらめく雲や
華やかな人々が、「帰って来た」と感じさせる。

ニューヨークの秋は、新しい恋の予感をもたらすが、
時にニューヨークの秋は苦しみと背中合わせ

夢見る貧乏人達がエキゾチックな土地に憧れても
ニューヨークの秋、またここで暮らせるのは最高さ

ニューヨークの秋はスラム街も5月祭に変えてしまう
ニューヨークの秋はスペインのお城も必要ない                             

恋人達はセントラルパークのベンチに座り
夕暮れを祝う
ニューヨークの秋を迎えて、またここに住めるのが嬉しい。

では、ジョー・スタッフォードでスタート



シンガーズ・アンリミテッドで



タル・ファーローのギターで



メル・トーメです・

"The end of a love affair" 「情事の終わり」

1950年にEdward C. Redding が、Mabel Mercerという女性クラブ歌手のために作詞、作曲した曲です。
ダイナ・ショアがレパートリーに入れて録音した事で、有名になったそうです。
love affairは情事と訳されていますしaffairには不倫の意味もありますが、全体の詞から考えるとこのlove affairは単に色恋沙汰みたいな意味ではないでしょうか?


So I walk a little too fast and I drive a little too fast
And I’m reckless it’s true, but what else can you do
At the end of a love affair?

So I talk a little too much and I laugh a little too much
And my voice is too loud when I’m out in a crowd
So that people are apt to stare

Do they know, do they care, that it’s only that I’m lonely
And low as can be?
And the smile on my face isn’t really a smile at all!

So I smoke a little too much and I drink a little too much
And the tunes I request aren’t always the best
But the ones where the trumpets blare!

So I go at a maddening pace, and I pretend that it’s taking your place
But what else can you do, at the end of a love affair?

So I smoke a little too much and I drink a little too much
And the tunes I request aren’t always the best
But the ones where the trumpets blare!

So I go at a maddening pace, and I pretend that it’s taking your place
But what else can you do, at the end of a love affair?

僕は少し速く歩き過ぎだね。
僕は車の運転も速過ぎだね。
それは無謀な事かもしれないけど
他にどうしようもないね
恋が終わってしまったんだから 

僕は少ししゃべり過ぎだね
僕は少し笑い過ぎだね。
しかも人ごみの中にいると声も大き過ぎだね。
だからみんなに注目されがちなんだ

僕が本当に寂しい事を知らないし、気にもしてないし何もできない
僕の笑顔だって心底の笑顔じゃないんだ

僕はタバコを吸い過ぎ、酒を飲み過ぎだね。
僕のリクエスト曲も、最高とは言えない
どこかで唄うトランペット

僕は気も狂わんばかりのペースであなたを得ているように偽る
他にどうしようもないね
恋が終わってしまったんだから

ナット・キングコールです。



ビリー・ホリディ



ウオルター・ノリスのピアノを中心とする「トリオ」の演奏で



ビッグバンドのスタン・ケントンです

>>[138] "The end of a love affair" 「情事の終わり」

メイベル・マーサー自身の音源がありました。



Wikipedia に記事があります。
https://en.wikipedia.org/wiki/Mabel_Mercer

アルバムもほどほどに出しています。
http://www.allmusic.com/artist/mabel-mercer-mn0000811567/discography

中にはコール・ポーターのソングブックもありました──大発見!

彼女は欧州や米国で活動を続けたクラブ歌手だったのですね。
彼女の歌い方は、そのストーリーテリング(上手い訳を思いつきません)の見事さで非常に人気があり、影響力も大きかったそうです。
フランク・シナトラが彼女の歌を聴きに足しげく通ったとそうです。

この曲がよく知られるようになったのも、彼女のそういった影響力が大きかったかもしれません。

>>[138] でご紹介いただいている訳詞の中で
"But the ones where the trumpets blare!"
の "But" が利いているように見えません ^^;
このあたりを上手く訳しているのがないか、探してみます。

"On a clear day you can see forever" 「晴れた日に永遠が見える」

Alan Jay Lerner作曲、Burton Lane作詞のコンビによる、1965年に開幕した同名ブロードウエイ・ミュージカルのテーマ曲。
1970年にはバーバラ・ストレイザンド主演で映画化され、よりポピュラーな曲となりました。
多くのジャズシンガーやプレーヤーに好まれ、取り上げられている曲です。

On a clear day
Rise and look around you
And you will see who you are

On a clear day
How it will astound you
That the glow of your being
Outshines every star

You'll feel part of every mountain
Sea and shore
And you can hearfrom far and near
A world you've never heard before

But on that clear day
On that clear day
You can see forever
And ever
ever more

よーく晴れた日、目覚めたら自分のまわりを見渡して。 
そうすると 自分が何者かが見えてくる。

よ−く晴れた日、自分がどの星よりも強く輝いていることに びっくりさせられるでしょう

山や 海や 海岸の 一部になったように感じるでしょう
遠くからも近くからも、今まで聞いたことのない、新しい世界の音が聞こえてくる。

よーく晴れた日には、永遠のはるか彼方まで、見渡せる。


やはりまずは、バーバラに敬意を表して



次はリタ・ライスのボーカルで



バーニー・ケッセルのギターで



ジョニー・ハートマンのボーカルです



オスカー・ピーターソンのピアノで

"I wish you love(Que reste-t-il de nos amours?)" 「残されし恋には」

元歌はCharles Trenet と Leo Chauliacが作曲し、Charles Trenet(シャルル・トレネ)が1946年に歌ったシャンソン。
1955年に、Albert Beachが英詩を付けました。
四季をおりまぜて、別れたた恋人に素敵な人が表れますようにと祈るけなげな歌です。

ナット・キング・コールがジャズにアレンジしてヒットしましたが、2005年には映画『プライム』の挿入歌として日系のレイチェル・ヤマガタが歌いリバイバル・ヒットしています。

I wish you bluebirds in the spring, to give your heart a song to sing,
And then a kiss, but more than this, i wish you love.
And if you like lemonade to cool you in some leafy glade,
I wish you health, and more than wealth, i wish you love.

My breaking heart and i agree that you and i could never be,
So with my best, my very best, I set you free.

I wish you shelter from the storm, a cozy fire to keep you warm,
Most of all, when snowflakes fall, i wish you love.
(musical interlude)
I wish you shelter from the storm, a cozy fire to keep you warm,
Most of all, when snowflakes fall, hot time, i wish you love.
All kinds of love, a whole gang of love.

この春には青い鳥が
君の心に歌を捧げてくれますように
そして一度のキス
でも君がそれ以上の素敵な恋と出会えるように

緑の繁れる中で、レモネードで涼む
君の健康と富と
そして素敵な恋に出会えるように

恋に破れた僕は君とはもう一緒に居られないとわかっているから
僕は最善をつくして、君を自由にするよ

嵐からは身を避けて、暖炉を焚いて身体を温めて
雪が舞う日には、君が素敵な恋と出会っているといいな


リバイバルヒットを飛ばした、レイチェル・ヤマガタで



ジャック・ジョーンズで



ボサノヴァの?小野リサで



グラント・グリーンのギタープレーです



チェット・ベーカーで

"A foggy day" 「霧の日」「霧深き日」

管理人様がジョージ・ガーシュインソングブックでも散々触れておられる曲なのでどうしようか迷ったのですが、私としても思い入れの有る曲なので恐れ多くもここで取り上げさせて頂きます。

もちろんIra & Georgeの Gershwinコンビの作品で、1937年ミュージカル映画「踊る騎士」(Damsel in Distress)の挿入歌として作られ映画の中でフレッド・アステアが唄いました。

正式な曲名は「A Foggy Day In London Town」だったのですが、タイトルが長すぎたのかいつの間にか「A Foggy Day」だけでも呼ばれるようになっています。

作曲のジョージ・ガーシュウィンはこの頃すでに脳腫瘍におかされており、この映画を見る事なく亡くなってしまったそうです。


A foggy day in London town
Had me low, had me down
I viewed the morning with much alarm
British Museum had lost its charm

How long I wondered, could this thing last
But the age of miracles hadn't passed
For suddenly I saw you there
And through foggy London town
The sun was shining everywhere...

ロンドンの街に霧がたちこめる日
私は落ち込み へこんでいた
不安でいっぱいの朝を迎えて
大英博物館もその魅力を失ってしまっていた

こんなことがいつまで続くっていうんだ
でも奇跡の時代は終わっていなかった
突然 君がそこにあらわれた
霧のたちこめるロンドンの街じゅう
太陽があらゆるところを照らしたんだ...

さて、私の思い入れの一曲がこれです。
学生時代西海岸(ウエストコースト)ジャズに夢中になったのですが、特に好きな一曲がこれ。
アルトサックスのアート・ペッパーとテナーサックスのビル・パーキンスの2管が心地よい作品です。
まず霧の立ち込める様子を表すようなアレンジから、突然太陽が輝いたようにスイングします。
またピアノのジミー・ロウルズの絡みも、絶妙です。


本家、フレッド・アステアで。



ローズ・マリー・クルーニーです。



レッド・ガーランドの演奏も、軽快です。



最後はやはり、シナトラです。

"A foggy day" 「霧の日」「霧深き日」

アート・ペッパーというと Meets the rhythm section あたりから聴いていたので、ウエストコーストという印象はあんまりなかったのですが、この録音を聴くと、そうだったのかっ!とよくわかるような気がします。


この曲は、いわば環境問題の歴史的証言のような曲ですね。
1937年というと相当酷かったのでしょう。
で、1957年になるとどうだったかという曲があります。
ジョー・スタッフォードの歌でヒットした "On London Bridge (Sid Tepper & Roy C.Bennett/1957)"です。

こんな歌詞です。
こちらではロンドンの霧だけではなくて、ロンドン橋の歴史にも少し触れる内容になっています。

I walked on London Bridge last night
I saw you by the lamppost light
Then bells rang out in sleepy London'town
And London Bridge came tumbling down

The sky was hidden by a mist
But just like magic when we kissed
The moon and stars were shining all around
When London Bridge came tumbling down

Just you and I over the river
Two hearts suspended in space
And there so high over the river
A miracle tookplace

Two empty arms found love to hold

Two smoke rings turned to rings of gold
I bless the night we met in London'town
When London Bridge came tumbling down

Just you and I over the river
Two hearts suspended in space
And there so high over the river
A miracle took place

I bow my head in silent prayer
And thank Him for the love we share
He blessed the night we met in London'town
When London bridge came tumbling down



”Alice in wonderland" 「不思議の国のアリス」

1951年ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』のメインテーマ。
作曲Sammy Fain、作詞はBob Hilliard。
映画のサントラではジャド・コンロン合唱団が、いかにもディズニーらしいハーモニーで唄っていました。
ディズニー映画の曲はよくジャズの世界でも取り上げられますが、この曲もしかり。
特にビル・エヴァンスやデーブ・ブルーベックのピアノ演奏を想い浮かべます。

Alice in Wonderland
How do you get to Wonderland
Over the hill or under land
Or just behind a tree

When clouds go rolling by
They roll away and leave the sky
Where is the land behind the eye
People cannot see

Where can you see
Where do the stars go
Where is the crescent moon
They must be somewhere in the sunny afternoon

Alice in Wonderland
Where is the path to Wonderland
Over the hill or here or there
I wonder where

ねえ、アリス、不思議の国にはどう行くの?
丘の向こう? それとも地面に下?
それとも、ただ木の後ろ?

うねりながら流れる空の雲が、
行き着く空の果てに
誰も見たこともない世界が広がっているのね


あなたに見えるかしら?
星の行き先、そして三日月
お月様も、明るいお昼どきには隠れなくちゃ

ねえ、アリス、不思議の国の入り口はどこ?
丘を越える? それはあっち? こっち?

不思議の国はどこにあるの




ボーカル物がなかなか無いと思っていたら、イタリアの歌姫ロベルタ・ガンバりー二が唄っていました。


デーブ・ブルーベックとポール・デスモンド


オスカー・ピーターソン


そしてあまりにも有名な、ベースのスコット・ラ・ファロを配する、ビル・エヴァンストリオです。

>>[144] ”Alice in wonderland" 「不思議の国のアリス」

ロベルタ・ガンバリーニの音源は Disney Jazz, Vol. 1: Everybody Wants to Be a Cat のものなのですが、このアルバム自身がオムニバス・アルバムなので、元々の音源が入っているアルバムがないかと思って探してみたのですが、見当たりませんでした。

http://www.allmusic.com/album/disney-jazz-vol-1-everybody-wants-to-be-a-cat-mw0002062820

この音源は2006年の録音のようなのですが、このときの録音が残っているのなら、別の企画で、ロベルタとデイヴ・ブルーベック2人だけのアルバムを出して欲しいと思います。


ディズニー・アニメの日本語吹き替え版では、この曲のサビの部分がなかった(?)のか、何度も何度も見たのですが記憶に残っていなくて、ビル・エヴァンスの演奏ではサビのところが強く出てくるので、同じ曲とは思えなかったという記憶が残っています(汗)

しかし、英語版アニメを見ますと、サビの部分がしっかりと歌われていますね ^^;




”The Night Has a Thousand Eyes” 「夜は千の眼を持つ」

ミステリー小説のファンでもある私にとって、William Irish(1903-1968)は懐かしい作家のひとり。
その彼の原作を映画化するにあたり、1948年にJerry Brianinが作曲しBuddy Bernierの作詞で作られたのがこの曲です。
ところがなぜか、この曲は実際には映画で使われなかったらしい。
俗に「ヨルセン」などと呼ばれジャズのスタンダードにもなっていますが、タイトルから来るミステリアスなムードをたたえた曲です。
コルトレーンの演奏でも、有名ですね。

Don't whisper things to me you don't mean,
For words deep down inside can be seen by the night.
The night has a thousand eyes,

And it knows a truthful heart from one that lies.
Tho' the romance may have called in the past
My love for you will be everlasting and bright,
As bright as the starlit skies,

And this wondrous night that has a thousand eyes.
I've lived my life walking thru a dream.
For I knew that I would find this moment supreme.
A night of bliss and tender sighs
And the smiling down of a thousand eyes.

心に思ってもいないことを、私に囁かないでね。
奥深く潜んでいる言葉でも、夜はすっかりお見通し、
だって夜は千の眼を持っているんだから。

だからね、本気か嘘か、すぐにばれちゃう。
二人の恋はこれまで停まっていたかもしれないけど、
私のあなたへの愛は、永遠に輝き続ける
この満天の星空のように

千の眼を持つ、魅惑の今夜
私は夢を信じて生きてきた。
この瞬間が至上のほどすばらしいものだと知っている。
無上の喜びと、優しいため息の夜になる
万天の千の眼の下で頬笑みを交わす。



まずは、ポール・デスモンドで



ダイアナ・パントンです



カーメン・マックレイです。



フレディ・ハバードで



エディ・ビギンズのピアノです

>>[146] ”The Night Has a Thousand Eyes” 「夜は千の眼を持つ」

この曲は器楽演奏の録音は多いのですが、有名どころのヴォーカリストの録音は少ないという不思議な状況にあります。

なぜかはよく判りません。
演奏歌唱される側にいらっしゃる方、思うところがありましたらお訊きしたいと思っています。


”Lullaby Of Birdland” 「バードランドの子守唄」

ヴィブラフォンやエレクトリックギターを導入した編成のクインテットでクールジャズを演奏して一世を風靡した、イギリス生まれの盲目のピアニストジョージ・シアリングが1952年に作曲。
この曲にプレスリーの「好きにならずにいられない」やルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」で有名なジョージ・デヴィッド・ワイスが歌詞を付けて、ジャズのスタンダードになりました。

ご存じの方も多いと思いますが「バードランド」はニューヨークのブロードウェイ52丁目で営業したジャズクラブで、アルトサックス奏者チャーリー・パーカーのニックネーム「バード」から店の名前が付けられました。

Lullaby of Birdland, that's what I
Always hear when you sigh
Never in my wordland
Could there be ways to reveal
In a phrase how I feel

Have you ever heard two turtle doves
Bill and coo when they love?
That's the kind of magic
Music we make with our lips when we kiss

And there's a weepy old willow
He really knows how to cry
That's how I'd cry in my pillow
If you should tell (me farewell) and goodbye!

Lullaby of Birdland, whisper low, kiss me sweet and we'll go
Flyin' high in Birdland high in the sky up above all because we're in love

あなたが溜め息をつくたび
いつも聞こえるのが、バードランドの子守唄
でも私の持ってる言葉では、その表現を言い表せない

愛し合うつがいのキジバトの鳴き声を聞いた事がある?
それは魔法の音楽に似てる
私たちがキスするときの唇の音みたい

古いしだれ柳の木があるが
本当の泣き方を知っている
私もあなたが私から去ることがあったら、きっと枕を濡らす

バードランドの子守歌は静かな囁き、優しい口づけ
私たちはバードランドへと
空高く飛んでいく、だって愛し合ってるから


まずは、作曲者自身の演奏を



お馴染みスペインのアンドレア・モティスのボーカルにスコット・ハミルトンも!



サラ・ヴォーンです



クリス・コナーで



アビー・グリーンのトロンボーンで

"On the Sunny Side of the Street" 「明るい表通りで」

アメリカが不景気のどん底にあった1930年に、ブロードウェイのミュージカル「Lew Leslie's International Revue」の為にJimmy McHugh)が作曲しDorothy Fieldsが 作詞した名曲です。
ジャズのスタンダートとして、多くのアーティストが取り上げているのはご存じの通りです。
「明るい表通りで」という邦訳もよく曲の意味を表していますが、厳密に言うなら「通りの日の当たる側で」という事になりますね。

Grab your coat and get your hat, leave your worry at the doorstep
Just direct your feet to the sunny side of the street
Can’t you hear that pitter pat and that happy tune is your step
Life can be so sweet on the sunny side of the street

I used to walk in the shade with those blues on parade
But I’m not afraid ’cause this rover, crossed over

If I never had a cent I’ll be as rich as rockfeller
Gold dust at my feet on the sunny side of the street

コートを掴んで帽子をかぶり
悩みごとは戸口に投げ捨てて
ただ通りの陽の当たるところへと
足を向けよう

パタパタって聞こえないか?
この楽しげな音は自分の足音
人生はこんなに素敵になる
通りの陽の当たるところでは

僕はいつも日陰を歩いてきた
憂鬱のパレードさ
でももう恐れはしない
日陰から日向に出て行こう

1セントも持ってなくたって
ロックフェラーの様にリッチ
足下に黄金の光が舞う
通りの陽の当たるところでは


まず定番の?トミー・ドーシーから



マンハッタン・トランス・ファーです



デーブ・ブルーベックもやってます



エラとベイシーで



ダイアナ・クラールです


>>[149]あって、「あの時安く売ったりしなければ、今頃俺は大金持ちだったのに!」と悔やんだ話もたくさんあるようです :-)

【ファッツ・ウォーラーが安いお金で売ってしまった曲】というようなトピックが立てられると貴重な資料になって面白いでしょうね。

>アメリカが不景気のどん底にあった1930年に、ブロードウェイのミュージカル「Lew Leslie's International Revue」

このレビューでこの曲を歌ったハリー・リッチマン (Harry Richman) が録音したものがありました。




ファッツ・ウォーラーの音源は見当たりませんでした。
”South of the border" 「国境の南」

村上春樹さんの小説「国境の南、太陽の西」ですっかり有名になった曲名ですが、考えて見るとさすが村上さんというところでしょうか。
小説の中にも、この曲の事が述べられています。

そもそもこの曲は1939年の曲で、作詞はジミー・ケネディー(Jimmy Kennedy)、作曲はマイケル・カー(Michael Carr)です。
同名の映画の中でジーン・オートリー(Gene Autry)が歌いその後、多くの歌手がカヴァーしていますが、1953年のシナトラのカヴァーが最もよく知られています。
というかシナトラのイメージが強すぎて、このコミュに取り上げるかしばし悩んでいました。

さてしば「し国境の南には何ああるのか」を思案しながら、お付き合い下さい。

South of the border, down Mexico way,
That's where I fell in love
When the stars above came out to play.
And now as I wander, my thoughts ever stray
South of the border, down Mexico way.

She was a picture in old Spanish lace.
And for a tender while
I kissed the smile upon her face.
For it was fiesta, and we were so gay
South of the border, down Mexico way.

Then she sighed as she whispered 'manana'
Never dreaming that we were parting.
And I lied as I whispered 'manana'
For our tomorrow never came.

South of the border, I rode back one day
There in a veil of white by candlelight
She knelt to pray.
The mission bells told me that I mustn't stay
South of the border, down Mexico way.


国境の南、そこはメキシコ
そこで私は、恋に落ちた
空には星がまたたき
さすらいの身の、私の想いは乱れる
国境の南、そこはメキシコ

スペインレースを身に着けたあの娘は、絵のように美しかった
しばしその気になって
微笑むあの娘にキスをした
祝祭の日で、我々は浮かれていたのさ
国境の南、そこはメキシコ

それからあの娘は溜息をつきながら、
「また明日」と囁いた
別れる事など、夢にも思わず
私も「また明日」と、嘘を囁く
我々に明日は、二度と来なかったんだから

国境の南、ある日私は馬で戻った
白いヴェールを身につけてキャンドルの明かりの中で
膝間づいて祈るあの娘
教会の鐘が私に、ここに居てはならないと告げる
国境の南、そこはメキシコ



まずは、オリジナルのジーン・オートリーで



ウイリー・ネルソンです



本当にナット・キング・コール版があったのか?



フランキーでも、フランキー・レーン



そして、フランク・シナトラです

>>[151] ”South of the border" 「国境の南」

>本当にナット・キング・コール版があったのか?

大笑い。
"Take the A train"「A列車で行こう」

1939年にデューク・エリントンオーケストラのピアニスト兼作編曲者であったビリー・ストレイホーンが、作詞・作曲したジャズファンにはあまりにも有名な作品です。
1941年2月にエリントン楽団の演奏でレコードが発売され、大ヒットになりました。

「A列車」とは、ニューヨークの、ブルックリン東地区からハーレムを経てマンハッタン北部を結ぶニューヨーク市地下鉄A線の名称です。
すなわち本来なら、A列車ならぬA電車とすべきところでしょうか。

You must take the "A" train
To go to Sugar Hill way up in Harlem
If you miss the "A" train
You`ll find you missed the quickest way to Harlem
Hurry, get on, now it`s coming
Listen to those rails a-thrumming
All aboard, get on the "A" train
Soon you will be on Sugar Hill in Harlem

君はA列車に乗らなければ
ハーレムのシュガーヒルまで行くのなら
もしA列車を逃すと
ハーレム行きの一番早い方法を逃した事に気づくだろう
いそいで乗って、今列車が来る
レールがきしむ音を聞いて
みなさん、A列車に乗って
ハーレムのシュガーヒルにすぐに到着です。

まずは、エリントンオーケストラで行かないと。



エラ・フィッツジェラルドの歌で



アニタ・オディも歌います



オスカー・ピーターソンのピアノで



デーブ・ブルーベックのグループ

>>[153] "Take the A train"「A列車で行こう」

N.Y.C. に行かれたことがある方、住んだことがある方、今現在もお住まいの方に突っ込んで欲しかったのですが、一度も行ったことがないわたしが付け足しします。

第一次世界大戦の終戦、1917年のニューオリンズの紅灯街の政府による閉鎖命令等があり、黒人ミュージシャンを含むアフリカ系住民の米国北部への大移動が始まりました。
1920年代のN.Y.C.のハーレム地区は黒人文化の花が開いた時代とされています。
その後1929年のディプレッションがあり、第二次世界大戦の後あたりからハーレム地区の治安が悪化したとされています。

このハーレム地区の中でもシュガーヒルと呼ばれる地域は高級住宅街で、デューク・エリントンもここに住んでいました。

この曲が書かれた1939年ごろは(1940年の説もあります)デューク・エリントンは既にコットン・クラブを止めていて、同じハーレムにあったサヴォイあたりによく出演していた時期にあたります。

ビリー・ストレイホーンはデューク・エリントンと1938年に出会ったとされていますが、デュークの家に来るように言われ、そのときにA列車に乗ると、デュークの住むシュガーヒルにたどり着けるよというメモをもらったそうです。

このことがきっかけでこの曲が生まれたといわれています。
いわばハーレムからデューク・エリントンの家を訪ねるときの路線案内だったわけですね :-)

画像は左側がハーレムの地図で、中央あたりのセントラル・パークの北側にあるセント・ニコラス・パークのさらに北側がシュガーヒルといわれる地区になります。

中央の画像はN.Y.C.の地下鉄路線図で、右側の画像がA列車の路線図になります。

N.Y.C.の地下鉄をテーマにした曲では、この曲の他にはチャールス・ミンガスが書いた "GG Train" という曲もあります。

>>[154]

Charles Mingus / GG Train です。
Mingus Ah Um に入っています。



"It might as well be spring" 「春の如く」

1945年の映画『ステート・フェア』のために、ロジャース&ハマースタインII世の名コンビが作った名曲。
歌詞に出てくるspring fever「春熱」とは、春先の落ち着きのない気分を表す言葉のようです。

I'm as restless as a willow in a windstorm
I'm as jumpy as a puppet on a string
I'd say that I had spring fever
but I know it isn't spring

I am starry eyed and vaguely discontented
like a nightingale without a song to sing
o why should I have spring fever
When it isn't even spring

I keep wishing I were somewhere else
Walking down a strange new street
hearing words that I've never head
from a man I've yet to meet

I'm as busy as a spider spinning daydreams
I'm as giddy as a baby on a swing
I haven't seen a crocus or a rosebud
or a robin on the wing

but I feel so gay in a melancholy way
that it might as well be spring
It might as well be spring

嵐の中の柳みたいに力が入らない
操り人形みたいにユラユラして
きっと春熱のせい
でも、まだ春じゃないのに

瞳はキラキラ、気持ちはモヤモヤ
唄を忘れた夜泣き鳥みたい
なぜ春の熱にやられたのか?
ホントまだ春じゃないのに

どこかに行ってみたい思い
見知らぬ通りを歩いて
今まで会ったことのない人から
聞いたことない言葉を聞いてみたい

私は妄想を紡ぐ蜘蛛のように忙しく
ブランコの幼児のように目が眩む
まだクロッカスもバラのつぼみも
空飛ぶコマドリも見ていないのに

私は気は重たいけれど、気分は陽気
まるで春になっているみたいに
まるでもう春になったみたい



まず、ステイシー・ケントのコケティッシュな歌声で



これもヒットしました。スタン・ゲッツとアストラッド・ジルベルトです



ディック・ヘイムスです



ケニー・ドリューのトリオで



そして、サラ・ヴォーンで

”It's a sin to tell a lie" 「嘘は罪」

作詞&作曲、ビリー・メヒュー Willaim P Mayhew (1889年〜1951年)による、男女の駆け引きを軽快なリズムに乗せて歌った曲です。
1936年にケイト・スミスがラジオで歌ったのが始まりで、ファッツ・ウォーラーがレコードに吹き込んで広まりました。
1955年にはサムシン・スミス・アンド・レッドヘッズというアメリカのヴォーカルグループによって、大ヒットしました。
多くのジャズシンガーやプレスリーなどのポピュラーシンガーも歌っていますが、歌いやすいからか日本でも昔から「定番」扱いされ懐メロに近い一曲になっており私にとってもカラオケのレパートリーの一曲であります。

(VERSE)
You know it’s a sin to tell a lie
Still you keep saying, “I love you!”
It may be true, I wish I knew
But I’m giving fair warning to you

(CHORUS)
Be sure it’s true when you say “I love you”
It’s a sin to tell a lie
Millions of hearts have been broken
Just because these words were spoken

I love you, yes, I do, I love you
If you break my heart I’ll die
So be sure it’s true when you say I love you
It’s a sin to tell a lie

(ヴァース)
嘘は罪だって、知ってるよね。
でも愛してるって言い続けるのなら、その気持ちは図り知れないけど本心かもしれない。
でも、君に見合った警告をプレゼントするね

(コーラス)
愛してるてると言う時は、間違いなく本気でね
嘘は罪だから
数えきれないくらい多くの心が、傷つけられてきたんだ
ただその言葉が語られたが為にね

私はあなたを、本心で愛している
もし君が私の心を傷つけたら、私は死に体も同然
だから愛してるって言うときは、心底本心からね
嘘は罪だから

ファッツ・ウオーラーで


パティ・ページです


たまには、パット・ブーンなども


やっぱり、ディキシーランドバンドがあうのかな?


そして、ビリー・ホリディです

>>[157]の歌詞の和訳もずいぶんこなれてきているように思います。

ここの部分が少しだけ気になりました。

If you break my heart I’ll die


村尾陸男「ジャズ詩大全」から

ヴァース

嘘をつくことは罪になるって知ってるでしょ?
なのにあなたは“愛してる”なんて言いつづける
本当かもしれないけど、判らないから
あなたにきちんと警告しておくことにするわ

コーラス

“君を愛してる”なんて言うときは
絶対にそれが嘘じゃないようにしてちょうだい
嘘をつくのは罪になるのよ
たくさんの恋心が今までに破られてきたわ
ただこういう嘘の言葉が語られるがために
私はあなたを愛してるわ、本当に愛してるの
あなたが私の心を目茶苦茶にしたら
私は死んでしまうかもしれなくてよ
だから“愛してる”って言うときは絶対に嘘じゃないように
嘘の言葉を言うのは罪になるんです


ログインすると、残り118件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

Standard Jazz Song 更新情報

Standard Jazz Songのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。