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ジョウトの双星気まぐれ事件簿コミュの豪華船パーティの超絶バトル 8

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チャプター8・とっておきの切り札VS伏された悪魔の力


…ものの1分の出来事だった。
ソウシロウ「精鋭…ねぇ。」
深くため息を吐く。
ソウシロウ「正直、もう少し退屈しのぎになるかとは、思っていたんだがな…。」
フィオ「アレだよ。実践派と見物派の、見方の違いってやつじゃないの?」
ミオリ「にしてはさぁ…。」
腰に手を当て、周りを見回すミオリ。クリフの言っていた“精鋭200人”が集団で気絶していた。
ミオリ「…あまりにも、見る目無さ過ぎじゃないの?」
ブラーネ「我も人の子、彼も人の子…とでも、思ってしまったのでしょうか?」
レイ「だとしたら、とんだ見当違いですわね。」
ソウシロウ「あぁ、そうだな。なんせ、リーグ公認のマスタートレーナーが4人もいて、そのトレーナーの一番の相棒が戦ったんだからな。」
ダイゴ「僕やカンナさん、レイちゃんやアイラちゃんや槍のお2人さんは、ただポケモンの育て方のレベルが違うだけだけど、フィオ君とブラーネちゃんに至っては…。」
カンナ「そうね、なんたって“黒き悪魔”と“影の堕天使”だもんね。」
フィオ「いやいや、それは“裏”の姿でしょ?」
ブラーネ「あくまで、それは仮の姿ですから。出さずにいれれば無駄な苦労をしませんからね。」
不敵な笑みを浮かべるフィオとブラーネだった。と、辺りを見回していたマリアがあることに気付く。
マリア「ん?リーダー、さっきボッコしてたときに、あのボンボンの姿…見たッスか?」
ミオリ「あーそういえばそんなヤツいたな〜。」
ソウシロウ「眼中無しか。…まぁ、たとえ逃げたとしても、会社の方は俺の部下共が押さえてるから、逃げ込む事はできないからどうぞお好きにって所だがな。」
アイラ「…もしかして、僕の切り札だー!とか言って、何かしてくるとか?」
ミオリ「それはそれで面倒くさいわね〜。」
ソウシロウ「いちいち面倒くさがるな。…まぁ安心しなアイラ。あの野郎がどんなとっておきの切り札を用意していても、こっちには最凶最悪のワイルドカードがある。」
ミオリ「そゆこと。1000%勝利確実!こっちに、悪魔と堕天使がいる限り…ね。」
アイラ「さっきから“悪魔”と“堕天使”とか、どういうことなの?」
アイラは、ふとフィオとブラーネの方を見た。ごくたまに見る真剣なバトル中の目、その奥に光る何かを、アイラはまだ知らなかった。と、
フリーザー『ん?空から何かが…。カンナさん、みなさん、警戒を!』
何かを感じたフリーザーが、皆に呼び掛ける。
カンナ「何か…。フリーザー、大きさとかはわからないの?」
フリーザー『待ってください…。全長12m、フォルムは人型です。』
ソウシロウ「12mの人型だ?まさか、ロボットアニメじゃあるまいし…。」
冗談で言ってみたソウシロウだが、あながち間違っていなかった。
フィオ「船後方より音、ジェットの噴射音…って事は?」
ダイゴ「お前、どんだけカンがいいんだ?」
ソウシロウ「好きでなったわけじゃねぇよ。」
ブラーネ「目視で確認、来ます!」
ソウシロウ達の頭上を、とてつもない風圧を出しながら巨大な何かが横切った。
ソウシロウ「うおっ!」
アイラ「きゃあっ!」
ホバリングして、海の上に降り立った。
フィオ「…はあっ?」
ミオリ・アイラ「うっわぁ…。」
一同揃って、思わず絶句してしまった。そして、皆同じ感想が浮かんだ。
一同(センス…無ぇ〜。)
丸々カイリキーを模したようなフォルム、全身紫を基調としたカラーリングは、闇夜に紛れるための配慮なのかはたまた趣味なのか。感想としては、
一同(かっこ悪いなぁ〜。)
と思うのが最適であった。
ソウシロウ「これが何なのかの、説明ぐらいは承りたいところだな。」
その言葉を聞いたかどうかはわからないが、カイリキーロボの右腕が上がる。
ミオリ「まさか、パンチ飛びまーす!…みたいな?」
フィオ「そのまさかみたいだよ?手首部分、温度急上昇!」
ソウシロウ「ふん、ワンパターンめ。アイラ、俺に捕まれ!」
アイラ「はっ、はいっ!」
両手でしっかりと、ソウシロウにしがみ付くアイラ。
ダイゴ「レイちゃん、君は僕が預かろう。」
レイ「はい!お願いしますわ!」
いわゆる姫様だっこでかかえられるレイ。
ソウシロウ「ギリまで引き付けるんだぜ。」
ダイゴ「わかってる!」
ミオリ「ねらいが誰かわからないから、一ヶ所に集まってから散開よ。」
ミリア「了解ですミオリ様。」
カイリキーロボの腕がガタガタと震えだした。刹那、ジェット噴射と共に、轟音を上げ拳が飛んできた。
アイラ「速っ!」
ソウシロウ「バカ言うな、のろすぎる!」
とは言うが、かなりの速さでソウシロウ達に近づく拳。
ミオリ「ここよ!」
ソウシロウ「散開!!」
ミオリの見切りとソウシロウの号令で、彼らはバラバラに動く。
ダイゴ「パンチの標的は!?」
少し角度を変え、拳はミオリに向いた。
ミオリ「あたし〜!!?…って、ちっとも危なく無いけど。ちょっとしたコツがあるのよね、誘導性の兵器の避け方って。」
と言うと、飛んできた拳を跳び箱のように跳んだ。
ダイゴ「んな無茶な!」
ソウシロウ「あのバカならやりうる。」
ミオリ「あたし位にしかできないけどね〜。」
拳は足場に追突し、元あった場所に誘導され戻って行った。
???「僕の挨拶、喜んでいただけたかな?」
どこからか(って、思いきりカイリキーロボからの音声なのだが)何者かの声がした。
ソウシロウ「ふん、“とんだ”挨拶だったな。クソボンボン。」
クリフ「おや、気に入ったと思ったのだが。」
やはりクリフだった。
ミオリ「その悪趣味なロボットはなんなの?参考までに教えてもらいたいわね。」
クリフ「僕らアンダーソン・コーポレーションの科学力を集結させた、戦闘用ロボット・ACカイリキー・M1!まだ開発途中だが、貴様らを屈服させるぐらいの力はある!理解したのなら、大人しくこちらの指示に従って貰おうか…クククク…。」
ソウシロウ「アーハッハッハッハ!!」
アイラ「ソウシロウ君?」
クリフが大笑いしようとしたら、ソウシロウがかぶさるように大笑いした。
クリフ「なんだよ…!?」
ソウシロウ「ハッハッハッ…いやすまない。“力”の定義もわかっていない馬鹿が馬鹿騒ぎを始めたから、つい笑ってしまった…。」
クリフ「貴様ぁ〜。」
ソウシロウ「何が不服か言ってみろ。なんなら、力とは何なのか講義してやろうか…。」
と、近くにいたフィオの体が、ドス黒いオーラに包まれていた。
ソウシロウ「フィオ、行けるのか?」
フィオ「もちろん、いつでも大丈夫さ。」
フィオが何かをしようとしたその時だった。
ミオリ「ちょい待ち、ソウシロウ・フィオ!」
少し声をあげるミオリ。
ミオリ「最初の講義は、私達にやらせてよ?」
これまた、ミオリの隣にいたブラーネの周りに、ドス黒いオーラが渦巻いていた。
ブラーネ「はぁ、これをやると少し疲れるのですが…、まぁいいでしょう。分らせればいいのですね?あの大馬鹿に、力を持った者の責任と言うやつを。」
ミオリ「そう、来世まで深く覚えてられるように、徹底的に…ね。」
ブラーネ「承知しました、ミオリ…。」
ブラーネが気を練り始める。体を纏っていた黒いオーラが、何かの魔法陣の様な模様を描き出す。
アイラ「なっ…何なのコレ…?」
カンナ「黙って見てなさいな、もう一つの姿になるための儀式よ。」
アイラ「儀式?」
ブラーネ「闇の世界に身を落とした堕天使よ、邪悪な黒きその力…一時我に与えたまえ。我は闇に落ちた獣、汝の力を受け入れる者なり…。」
ミオリ「力を持った者の宿命、思う存分教えてあげるわ!アナザーフォルム・シャドウブラッキー!オンステージ!!」
魔法陣から黒い触手が現れ、その中心にいたブラーネを捕まえる。体を触手に包まれ、そこには何かの卵のような黒い物体が残った。
アイラ「ブラーネちゃんが…飲み込まれた…?」
ダイゴ「大丈夫、もう一つの姿に変わるための過程だから。」
レイ「そう。蝶は必ず、さなぎにならなくては外の世界には出てこられませんわ。」
一時静まり返る一帯。刹那、
ブラーネ「ハァァァアアアアアアアーッ!!!…ハァーッ!」
船を…いや、地球自体が揺れるような感覚の地震が起こる。
ミオリ「いざ現れよ。暗黒の世界より生れし堕天使の化身よ!」
収束していく黒い物体。そこには、全身が赤み掛かった黒に染まるブラーネの姿があった。もう一つ、変わった場所があった。背中に大きな羽が付いている、天使を彷彿させる様な、だが似つかわしく無い黒い翼が付いていた。
クリフ「こけおどしが、舐めた真似を!」
カイリキーロボが、またロケットパンチを撃つ体制に入る。
ソウシロウ「ブラーネもミオリも、相手にハッタリをかますような真似はしない。」
フィオ「手を出してから気づくんだよね、みんなさ。」
飛んでくる鉄の塊、微動だにしないブラーネ。
ブラーネ「そのような物、すでに私には通用しません。」
きれいに当たった…と思われたが、当たった音がしない。それどころか、鉄の拳がバラバラになっていく。
クリフ「なっ!?」
アイラ「えっ?ちょっと…!」
ミオリ「ブラーネ、飲み込んじゃっていいわよ。」
ブラーネ「はい、ミオリ。」
右側の翼を広げるブラーネ。ゴゴゴゴゴ…と音がして、渦を巻き始める。と、バラバラになった鉄の破片を次々と吸い込み、最終的には骨組みまでそのまま吸い込んでしまった。
ミオリ「この姿になったブラーネは、全てを飲み込む…言わばブラックホール。手を出した者を地獄に送り込む、地獄を知っている堕天使。」
ブラーネ「すいませんね、伊達や酔狂や脅しの力では無いのですよ。」
これを見ていたアイラは、おそらくクリフよりも驚いていた。
アイラ「なんなの…あの力…。」
ダイゴ「なんだソウシロウ、彼女にあの事を教えてなかったのか?」
ソウシロウ「あぁ、言ってねぇ。俺達とつるんでれば、いずれは見る光景だ。別にいいかと思ってな。」
カンナ「それはそうだけど、見る人によってはかなりの衝撃よ?」
フィオ「そりゃごもっとも。」
ソウシロウ「いい機会だ、教えておこうか。アイラ、お前はダークポケモンは知ってるか?」
アイラ「もちろんですよ、ポケモンにウイルスみたいな物を入れて、無理やり力を暴走させて、物言わぬ兵士として扱われるポケモンって、ソウシロウ君言ってたじゃないですか。」
ソウシロウ「そうだ。本来、ダークポケモンは自我を持たない。本能としての破壊衝動のみが脳内に残り、果ては暴走を引き起こす忌むべき存在だ。じゃあ、この説明を聞いた上で、ブラーネがダークポケモンだ…と言ったら、お前は信じるか?」
アイラ「何を言ってるんですソウシロウ君!ブラーネちゃんがそんなわけ…。」
フィオ「まぁ、そんなわけ無いって思うよね普通。だけど、これが本当なんだよね。」
アイラ「どういう事なの?」
ソウシロウ「ブラーネは進化前…つまりイーブイの時に、ダークポケモンだった過去を持っている。普通、ダークポケモンを通常状態に戻す場合、リライバーと呼ばれるリライブ専門職のトレーナーに預けて、ゆっくりと戻していくのが一般的。だがブラーネの場合、ダークポケモンのウイルスを媒介にDNA配列を再構築させて、ウイルスを持ったままイーブイから進化した。」
アイラ「…ちょっと話が難しすぎます。」
フィオ「だよね〜。簡単に言うと、進化の石を使って進化するみたいに、イーブイにウイルスを使って進化させた…って言えばわかりやすいかな?」
アイラ「うん、少しは…。」
ソウシロウ「ダークポケモンの力ってのは、普通のポケモンの数十倍あると言われている。だがその力は暴走した上で発揮される禁断の力。それを自我を保ったままの状況で使うためには、精神の修行が必要不可欠だ。」
フィオ「壮絶な修行、そんでもってソウシロウの知識と経験が生んだ結果がアレってこと。」
アイラ「…ただただスゴイわ…。」
ブラーネ「力は振りかざすものではありません。力とは、存在を自ら認め、理解し、受け入れ、必要な時に使うもの。」
ミオリ「すべてを欲したい貪欲な力は、暴力って世間では言うのよ。知ってる?」
クリフ「うっ、うるさ〜い!」
邪魔な何かを吹き飛ばすように、大声をあげるクリフ。
クリフ「貴様らが、どんなにきれいごとを並べようが…。」
カイリキーロボの腕全てが、ブラーネに向けられた。
クリフ「最後に勝ったほうが正義なんだよ!」
ミオリ「はぁっ…。ここまでくると、馬鹿とかの次元通り越して、哀れに見えるわね。ブラーネ、まずはあの邪魔なロケットパンチ、どーにかしちゃって。」
ブラーネ「わかりました。」
ブラーネの羽から、無数の黒い触手が出てきた。
ミオリ「クリムゾンウィップ!」
カイリキーロボの腕の付け根の所に、触手が一気に伸びていく。鋭利な刃物で果物を切ったように、次々と腕を切り落としてゆく。
ブラーネ「この世から、消え去りなさい。」
触手が、切り落とした腕を侵食してゆく。捕食者が獲物を食うかのように、あっという間に姿を消す。
ソウシロウ「終わったな。」
フィオ「相手が普通の精神なら…ね。」
その言葉を聞いたか否かだが、ブラーネが通常状態に戻る。
アイラ「…あぁ、戻れるんだ。」
ソウシロウ「当たり前だ。あの力は、器から力を借りているだけだ。あの姿の時に、意識でも飛んだらヤバいがな。」
フィオ「外部からじゃ、それがまず不可能だしね。修業も積んだんだしさ。」
アイラ「うっはぁ、それは頼もしいことで。」
動かなくなったカイリキーロボを見ると、ミオリとブラーネはその場を立ち去ろうと後ろを向いた。
クリフ「認めん、認めん、認めん認めん認めん認めん…認めんぞぉ〜!!」
カイリキーロボの胸部から、黒い煙が上がる。
ミオリ「何々?もしかして、やりすぎちゃった系?」
ソウシロウ「んな生易しいもんじゃないみたいだな、回路のブチ切れる音がした。」
カンナ「回路が切れるって…まさか!?」
ダイゴ「…まさかなのかソウシロウ?」
レイ「御三方で盛り上がらないでくださいな!」
アイラ「何が起こるのよ〜!
マリア「このパターンは多分ッスけど…。」
ミリア「…自爆。」
レイ・アイラ「ええ〜っ!!?」
クリフ「もういい!自爆させて、貴様ら全員消してやる!!!」
レイ・アイラ「そんな殺生な〜!!」
心からの叫びをあげるレイとアイラ。だが、それすらもかき消すある声がする。
ソウシロウ「アーッハッハッハ!ここまで往生際が悪いとはな。」
フィオ「素直にゴメンすれば、少しは待遇良く警察に送ってあげたんだけどね。」
クリフ「また…貴様かぁ〜っ!!」
ソウシロウ「またとは失礼だな、俺のいる所にお前が邪魔してるんだろうが。」
クリフ「よくもぬけぬけと…!!」
ソウシロウ「…もういい、茶番は終わりにしてやろう。フィオ、デカい爆弾の処理だ。気合入れて行けよ?」
フィオ「よっしゃーっ!!!」

クリフの浅はかな覚悟に、ソウシロウとフィオは真っ向からぶつかっていく。

次回、チャプター9・閉幕へといざなうレクイエム

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