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ジョウトの双星気まぐれ事件簿コミュの豪華船パーティの超絶バトル 6

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チャプター6・迅速、確実がモットーですから


普段の格好に着替えたソウシロウ・アイラは、先頭にフィオとイーブイを従え、管制室までの道を息をひそめつつ進んでいた。
アイラ「ソウシロウ君、管制室にはどうやって入るんですか?」
壁に背中をぴったり付けつつ、辺りを気にしながら小さな声でアイラが話し掛けてきた。
ソウシロウ「多分、カードキーやら何やらでロックはされてるはず。まずはそれをどうにかするかだが、算段は考えてある。」
アイラ「どうするんです?」
ソウシロウ「まぁ見てろ。フィオ、超音波で周辺を探れ。」
フィオ「合点。むっ!」
何も起こったようには感じないが、それが肝だった。
アイラ「ソウシロウ君、超音波って相手を混乱させる技でしょ?」
ソウシロウ「普通はな。そこは“頭とハサミは使い様”ってやつさ。」
アイラ「どういうことですか?」
ソウシロウ「海の中…特に深海近くでは、視界ってのはまるで役に立たない。だからそこで暮らすポケモン達は、微弱な超音波を出して周囲の情報を得て生活をしている。技としての超音波の出力をコントロールして、その真似事をしてるって事さ。」
アイラ「そんな事もできるんですね。…ってか、イーブイの進化系って超音波使えましたっけ?」
フィオ「まぁそこは修業の仕方次第ってヤツ、機動力限界突破のオールラウンダーがコンセプトだからね僕は。」
アイラ「うっはぁ、それは頼もしい。」
フィオ「っと、分析完了。」
話しているうちに、フィオの探知が終わったようだ。
フィオ「管制室付近は2人かな。この先の通路を曲がったところに1人、管制室前にもう1人。」
ソウシロウ「近くに1人か。よし、そいつを使うか。」
フィオ「わかった。」
アイラ「使う…。あぁ、カードキーやら何やらを頂いてって事ですね。」
らしい解釈をしたつもりのアイラだったが、ソウシロウは多少否定した。
ソウシロウ「生易しいな。…身ぐるみ全てさ。」
アイラ「身ぐるみ全て?」
ソウシロウ「まあ、見てな。」
通路を慎重に進み、敵の組員を見つけると、右手を手刀に構え低く身構え、一気にダッシュして突進していく。少しして、ドスッ…と誰かが倒れたような音がした。
フィオ「もう大丈夫だね。」
ストストと歩みを進めるフィオ。その後ろからアイラとイーブイが恐る恐る着いてくる。ソウシロウが、相手の腕を持って何事も無かったかのように立っていた。
ソウシロウ「これで元組織の人間…ねぇ。最近の下っ端は、実践訓練もろくにやってないのかよ。」
フィオ「いやいや。ソウシロウ相手じゃ、誰でもそーなるんじゃないの?」
のびている組員の服のポケットへ、大胆に手を入れ何かを探す。
ソウシロウ「おーあったあった。」
探していたのはカードキー。ソウシロウはカードキーを手にした。
アイラ「やっぱりカードキー探しじゃないですか〜。」
ソウシロウ「ふふっ、話はここからだ。フィオ、念力でこいつを操れ。」
フィオ「あいよのさ〜とっ。」
片目だけ青く光らせる、フィオなりのパワー制御方らしい。念力を込めると、組員が立った。目は開いているが、目が死んでいる。
ソウシロウ「よし、じゃあこいつを持たせて…。」
ソウシロウがカードキーを持たせる。
アイラ「…何をする気ですか?」
ソウシロウ「相手の手札を使う。雑兵でも、使い方次第で相手の牙城を崩せる大切な戦力だ。特に…相手の手札の雑兵は協力だぜ。フィオ、頼むぞ。」
フィオ「オーライ!」
フィオが操っている組員を、管制室に向かって歩かせる。
ソウシロウ「アイラ、フィオを抱いて管制室前まで歩いてもらえるか?」
アイラ「了解です。」
後ろからフィオを抱き、アイラとイーブイは移動を開始する。
アイラ「あれ?ソウシロウ君は?」
フィオ「大丈夫、これも作戦通り。」
いつの間にか消えたソウシロウをよそに、アイラ達は管制室の手前まで歩みを進める。
アイラ「ばっちりいますね。」
フィオ「それが命取りだけどね。よし、気絶の兄ちゃん行け。」
ゆっくりと歩みを進める組員、管制室の前の組員がそれに気づく。
組員「おい、どうした?お前の持ち場はここじゃないだろう。」
声をかけるが、返事は帰ってはこない。気絶しているので当然だが。と、まだ息のある組員の後ろに影が近付く。
ソウシロウ「落ちろ。」
首元辺りにソウシロウの手刀が炸裂する。力なく倒れる組員。
ソウシロウ「心臓だけは止めずにおいてやる、感謝するんだな。」
倒れる相手の襟元をつかみ、片手で持ち上げた。
ソウシロウ「フィオ、念力…解いていいぞ。」
念力を解かれた組員を、空いた左手でつかむ。
アイラ「うわぁっ、ソウシロウ君つかみすぎ。欲張りすぎじゃないですか?」
ソウシロウ「案ずるな。このぐらいのことを、こなすぐらいの筋力は持っている。」
アイラ「うっはぁ、さいですか。」
ソウシロウ「…さてと、では中に入ろうか。フィオ、中の状況調べてあるんだろうな。」
フィオ「もっちろん!…なんだけど。」
少し口籠もるフィオ。
アイラ「けど…どしたの?」
フィオ「全部で生体反応が7つ、内3つが人で4つがポケモンなんだけど、人1・ポケモン1を残してのびてるみたいなんだよね。」
アイラ「のびてる?」
ソウシロウ「そいつらを残して全員ダウンって事か。ミリアがやったのかどうかって所だな、確定できないのが嫌なとこだが。」
フィオ「どうすんの?目的は目的だし、突入するのか?」
少し考えるソウシロウ、答えはすぐ出た。
ソウシロウ「囮もあるし、なんとかなるだろう。当然突入するぞ。」
フィオ「わかった。」
ソウシロウ「アイラ、カードキーで開鍵頼む。」
アイラ「はい、みんな気を付けて。」
ソウシロウ「フィオは左、イーブイは右に散開しろ。敵だった場合、挟み込んで一気にいく。」
イーブイ「ブイッ!」
フィオ「了解、指示どおり。」
一同は身構え、息を飲む。
アイラ「それじゃ、行きますよ…!」
差し込み口にカードを挿入し、ロックが解除され扉がゆっくりと開く。
フィオ「イーブイ、行くよ!」
イーブイ「ブイッ!!」
両開きのドアが半分くらい開いた瞬間、ソウシロウは何かを感じ取った。
ソウシロウ(んっ!跳んでくるっ!!)
とっさに両手に持っていた、のびている組員の囮を手放し、防御の構えを取った。
フィオ「ソウシロウ!?」
ソウシロウ「離れろ!」
刹那、ソウシロウの左胸辺りに相手の腕がのびていた。手刀の様に指が伸びていて、“刺す”気が満々であることに、ソウシロウは少し焦った。ソウシロウも、一手を出し一気に押さえ込もうとしたその時だった。
???「なっ、ソウシロウ様?」
ソウシロウ「おろ、やっぱりミリアだったか。」
互いに冷静になり、状況を確認する。
ミリア「ソウシロウ様に手を出すなど、何ていう無礼を。」
ソウシロウ「気にするな。こういった状況の中だ、このくらい緊張感が無ければ作戦は成立しない。」
ミリア「お心遣い、感謝いたします。」
フィオ「なるほど、中の敵はミリアが片付けたんだ。」
ミリア「えぇ、あちらの作戦開始と同時に、ミカルゲにやらせました。」
ソウシロウ「ミリアなら仕事は確実、無駄な心配は無用だな。」
ミリア「恐れ入ります。」
改めて、管制室に入る一同。
ソウシロウ「フィオ、ミリア、ぶっ倒れてるヤツ全員縛っておけ。」
フィオ「合点〜。」
ミリア「御意。」
非常に慣れた手つきで倒れている組員、そのポケモン達を縛り付けていった。
ソウシロウ「これが…ふむ。これがあれで…、それがそうなって…よし。もう大丈夫だ、使えるぞ。」
アイラ「早っ!」
これまた手慣れた手つきで、管制室内のマイクを繫いで見せた
ソウシロウ「さてと、後はミオリ待ちだな。」

・・・・・・・・・・

少し時間はさかのぼる。船内放送が流れ、部屋に忍び込んできた組員を軽くあしらい、ミオリとブラーネも行動に移っていた。
ミオリ「あーあ、手応え無いわね〜。昔のオクスタンズなら、あの程度の襲撃軽くこなしてたはずなのに。なんつーか…もやし?」
なぜか、倒した相手に愚痴をこぼすミオリ。
ブラーネ「皆、ミオリのように馬鹿みたく強くは無いのですよ。」
ミオリ「うぉい、一言余計。」
話ながらではあるが、船内を大胆に足音を立てずに歩いている。
ブラーネ「さて、もうそろそろポイントですね。」
ミオリ「マリアがいるとは聞いたけど、どれがなんだかわからないかな〜?」
ブラーネ「わかるようでは、組織の戦闘員の意味が少し無いと思いますが?」
ミオリ「うん、確かにそりゃごもっとも。」
曲がり角を少し警戒しながら進むと、少しずつ振動が伝わってきた。
ミオリ「ここみたいね。」
少し分厚いドアを見つけ、聞き耳を立ててみる。
ミオリ「さすがにエンジンルームね、音が大きすぎて中を探れないわ。」
ブラーネ「ミオリ、私に任せてください。」
目を閉じ、精神集中を開始する。
ミオリ「そうね、こういうときはそれがいいかもね。ブラーネ、超心眼発動。」
ブラーネ「了解。」
目には見えないが、オーラ状の何かがブラーネを中心に広がっていった。
ミオリ「どう、何かわかる?」
ブラーネ「えぇと、中には人間が5名。精神波パターンから、内部右方向の深部にいる人物がマリアさんだと思われます。」
ミオリ「右奥ね、OK。解除していいわよ。」
体を伸ばし、ストレッチの様な動きを軽くして、ブラーネは改めて身構えた。
ブラーネ「ドアの正面の位置に1人立っています。サイコブラスターでドアを破壊しつつ、1人を巻き込み殲滅。マリアさん以外の組員を各々で撃破…という作戦で行きましょう。」
ミオリ「そうね、それで行こう。敵の位置、どの辺にいるの?」
ブラーネ「ドアの正面方向にいる敵はサイコブラスターで撃破するとして、左の手前の角に2人が固まっています。もう一人はマリアさんの少し離れた所にいます。」
ミオリ「2人固まっているのね、わかった。私がその2人をやるわ、ブラーネは少し遅れて入って、状況の確認後行動して頂戴。マリアが気付けば、残った敵を潰してくれるはずだしね。」
ブラーネ「了解です、ミオリ。」
ミオリも構えを取る。クラウチングスタートの様な構えだが、腰が落ちていて足も後ろに伸びている。
ミオリ「それじゃ、戦闘開始よ。ブラーネ、サイコブラスター!」
口から高エネルギー砲を打ち出す。鉄製のドアだったが、軽く粉々にして前方の組員を一瞬で気絶させる。そして室内に入ってくるミオリ。
ミオリ「ターゲット確認…ってね、覚悟!!」
左の2人を視野に入れ、地面を一蹴りして一気に近づく。
???「おっ、リーダー!」
入って右側に立っていた組員に、跳び膝蹴りを叩きこむ。
ミオリ「マリア、そっちの方は頼んだわよ!」
マリア「合点ッス、リーダー!」
被っていたマスクを脱ぎ捨て、向かい側の組員に近づく。
ミオリ「ほーらほら、よそ見しないの!」
壁を蹴り反転し、右足を高く振り上げていた。
マリア「零距離、取った…な〜んちゃって!」
力強い踏み込みで、懐に飛び込んでいた。
ミオリ「遠慮なんていらないわよ?」
マリア「地獄の一丁目まで、4人様ご招待ッス!!」
ミオリの足からは、鋭い踵落としが放たれる。気を失う暇さえ無いほど、相手は倒れた。マリアの拳は敵の腹部を貫く。アーマーさえ粉々にするその威力は、相手の意識が跳ぶほどであった。
組員「う…ら、ぎり…も…の。」
マリア「失礼ッスね、元からウチはこっちの人間ッスよ。」
意識が消えそうになりながら、組員がこぼす言葉に、マリアは冷ややかにそう返した。
ミオリ「ヘーイ!マリア、お疲れ〜!」
マリア「ヘーイ!リーダ〜!!」
2人はハイタッチした。それを見てから…の様なタイミングで、ブラーネが入ってきた。
ブラーネ「あの、もう終わりましたか?殲滅も、茶番も。」
マリア「ううっ、手厳しいッス。」
ミオリ「あははは〜、終わったってば。」
マリア「で、ミリアから大体の事は聞いてるンスけど、…本当にコレぶっ壊していいンスか?」
マリアの指さす先に、メインエンジンが回っていた。彼女らの話声は聞こえるぐらいの程度だが、かなりの轟音である。
ブラーネ「ソウシロウさんの指示です、どうやらスペアもあるみたいですし…大丈夫ではないんでしょうか。」
マリア「確かに、ソウシロウの旦那の話なら信憑性はあるッスね。」
ミオリ「じゃあ、ちゃっちゃと準備しちゃいましょう?」
エンジンに爆弾を設置する。全てを設置して、部屋から脱出する。
ミオリ「何とかしてソウシロウと連絡したいけど…。」
ブラーネ「電話での連絡は危険でしょう、どうするんです?」
マリア「あぁ、だったらウチにお任せを!」
マリアが腕につけていた通信機を起動させた。
マリア「こちらDの42、コードネーム・オクスタンL。応答願うッス。」
ミリア『こちらKの85、コードネーム・オクスタンR。どうしたのマリア?』
ミリアの声が聞こえてくる。
マリア「リーダーと合流して、制圧とエンジン破壊の準備が整ったッス。そっちはどういう状況ッスか?」
ミリア『こちらもソウシロウ様と合流して、管制室の制圧が完了した。最初の準備は…整った。』
マリア「了解ッス。リーダーと変わるッスね。」
ミリア『了解。こちらもソウシロウ様と代わる。』
通信機をミオリに渡す。
ミオリ「こちらMの08、コードネーム・ゴールドスター。」
ソウシロウ『どんなコードネームだ。』
マリア(まさかの通信機漫才…。)
ミリア(何というか…尊敬します、ソウシロウ様・ミオリ様。)
ミオリ「えへへへ〜。…で、いつでもドッカン出来るよ。どーするの?」
ソウシロウ『まずはお前らの爆破、そうしたらこっちで敵を一斉に誘導する。その後、ダイゴ達に合流して一気に潰す。』
ミオリ「OK。じゃ、メインデッキで会いましょ?」
ソウシロウ『あぁ。』
通信を切る。
ミオリ「それじゃ、作戦開始よ。メインパーティ、開幕!」
ドゴォーン!!!
激しい爆発とともに、真のパーティが開幕した。

次回、チャプター7・一騎当千、心に秘めて


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