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D*D*Callコミュの僕の世界〜因果〜23

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 空になったモニターを呆然と眺めている研究員達。

「どういう事なの・・・・?!」

「・・・分からない。本当に突然だったんだ・・・おかしな動きもなかった。いきなり消えたんだ!」

「ロープは?」

「今、捜索中です」

「ロープをたどれば居場所が分かるはずよ」

「母さん、ロープって?」

「ガルシアの肉体と精神をつなぐものよ。・・・まさか・・・・。保管室に異常は??」

「先程連絡したところ何も異常はないと」

「私見て来るからロープが見つかったら手繰り寄せてちょうだい」

「分かりました」

「あなた達はここにいて」

「一緒に行くよ!」

「来ても・・どうしようもないわ」

「もう離れたくない」

「ヨウヘイ・・・」

「母さんと一緒にいたい!」

「・・・・分かったわ。私から絶対離れちゃだめよ。カズキ君、ソマちゃんもいいわね?」

「はい!」

「急ぎましょう」

 再び巨大なエレベーターに乗り込む。鏡に写り込む四人の姿。

「ねえ、消えたってどういう事?」

 ヨウヘイが尋ねる。

「分からない・・・こんな事は初めてよ」

「肉体に戻ろうとしてるんですか?」

「それはないだろうと思うけど・・・ガルーシャの中から出た事は確かね。でも、一体どうやって・・・?」

「・・・父さんかな?」

「ジョン・・・まさかまだガルシアの力を・・・」

 ?Bの数字が赤く点滅している。そして、?Cに変わろうとしたその時、強い衝撃とともにエレベーターが突然停止した。

「きゃっ!!」

「なに?!」

「どうしたの??」

「止まった・・・?こんな時に!・・・大丈夫よ。すぐ動くわ」

 カオミは非常用のモニターの電源を入れるが、動かない。

「どうして?どうしてなの?!」

「母さん?」

「大丈夫。心配しないで。・・・みんな、私のそばに来て」

 非常用のランプが遅れて点いた。しかし、すぐにチラつき始める。

「大丈夫よ、大丈夫」

 薄暗い空間で怪しく光る四方の鏡。そして、それが歪み始める。

「母さん!あれ見て!!」

「・・・一体、何なの?!」

「これは・・・・・」

コメント(3)

 鏡の中に暗黒の穴がぽっかり空いている。そして、激しい火花とともに現れた。

「やあ、また会えたね。カズキ」

「お前!!」 

「おや、みんなお揃いかい?手間が省けてちょうどいいや。俺の強さを見せてあげるよ」

「ハクマ!」

「あの子が・・・・ハクマ?」

「そうだよ!肉を食べたハクマだよ!」

「あの子が血筋の肉を・・・」

「血筋の肉?なんだい、それは?」

「お前が食べた肉だよ!お前は・・・人の肉を食べたんだ!」

「人?あれが人だって言うの?ククク!・・・キミ達はやっぱり何も知らないんだね」

「何も知らないのはお前の方だ!」

「ハクマ、どうしちゃったのよ??」

「それより早く決着をつけようよ」

「ヨウヘイ、この子は血筋じゃないのよね?」

「そうだよ。でも死ななかった。それどころかこんな力を・・・」

「この子の力って・・・もしかして・・・」

「なに?」

「・・・血筋の肉じゃないのかも」

「え?」

「おしゃべりなんかしてる場合じゃないと思うよ」

「なんだと!」

「だって、ここじゃキミ達の力は使えないんだ。まあ、使えたところでどうにもならないだろうけどね」

「使えないって、どういう事?」

「周り見てみなよ」

「周り・・・鏡・・・?」

「全部反射しちゃうよ」

 鏡の中のハクマが笑う。

「それにね、外からも無理。誰も助けてはくれないよ」

「・・・どうしよう」

「落ち着いてソマちゃん。あの子の力はあの子のものじゃないわ」

「え?母さん、どういう事だよ??」

「操られているのよ」

「・・・誰に?」

「ガルシア」

「ガルシア?!」

「おそらくそうよ。ずっと見てたから分かるの。あの子の動き、似てるわ」

「でも・・・ガルシアはガルーシャの体の中にいるんでしょ?」

「・・・どうやら説明してる時間はなさそうね」

 ハクマは鏡の中で半笑いのまま宙を舞うように動き始めた。鏡を伝いゆっくりとカズキ達の周りを回る。
「ヨウヘイ、あの子を助けたい?」

「え?」

「どうなの?」

「あいつなんて・・・ハクマなんて・・・・・・・・・・・でも、いつもはあんなんじゃないんだ。本当のハクマはあんなんじゃないんだ!」

「じゃあ、やるの」

「でも、どうやって??」

「あの子を救うのよ」

「俺の力じゃ無理だよ」

「力なんて関係ないわ!」

「なに言ってるの?母さん、そんな事出来るわけ・・・」

「大丈夫よ。みんなつながってるの。カズキ君もソマちゃんもあなたもあの子も、みんなつながってるのよ」

「どうすればいいんだよ」

「探すのよ。あの子の本当の心を」

「こころ?」

「あなたが探すの」

 ヨウヘイはハクマを静かに見つめる。ぐるぐる回るハクマの残像がヨウヘイの目に映る。
 ハクマの心?・・・・どこにあるんだよ?・・・ハクマ、どこにいるんだ?

《どこだよ!ハクマ!》

 心の中でヨウヘイは叫ぶ。 

《・・・・・・・・・・・誰?》

 どこからともなく声が聞こえた。

《・・・・誰なの?》

《ハクマ?・・・ハクマなのか?!》

 ヨウヘイはハクマの心に優しく触れる。・・・・怖がってる。ハクマ、すごく怖がってる。

《ハクマ、なにも怖がらないでいいんだ。出てこいよ》

《誰なの?》

《俺が助けてやるから、もう怖がらないでいい。俺を信じろ》

 鏡の中を漂うハクマの動きがぴたりと止まった。そして、ヨウヘイの前で立ち尽くす。

《・・・俺ね、強くなりたかっただけなんだ》

《他人の力で強くなったってなんの意味もないだろ!》

《でもね、負けたくない》

《誰に負けるって言うんだ?お前はお前だろ?勝ち負けなんて意味ないじゃないか!》

《すごくね、すごく寂しくて・・・苦しいんだ》

《そんなつまんない事考えてるからだろ?》

《・・・助けて・・・ヨウヘイ・・・助けて》

《断ち切れ!お前自身の力で断ち切るんだ!》

《怖いよ・・・・俺、死ぬのかな?》

《ばか!!死ぬもんか!死なせない!絶対俺が死なせないから断ち切れ!》

《・・・・・信じて・・いいんだね・・?》

不意に鏡の中からハクマの体が抜け落ちた。

「ハクマ!!」

 ヨウヘイが慌ててハクマの体を支える。

「ヨウ・・ヘイ・・俺・・・やったよ・・・」

「ああ!よくやったな!ハクマ偉いぞ!」

「へへ・・・ありがとう・・・」

 ハクマは力の抜けた顔で恥ずかしそうに笑う。

「何があったの??」

「大丈夫。もう大丈夫だ」

「ヨウヘイ、よくやったわね」

「母さんの言うとおりだった・・・みんな、つながってるんだね?」

「ヨウヘイ・・・」

 そして、再びエレベーターが動き始めた。

「ハクマ!」

 カズキとソマが呼びかけると目を少し開けて軽く微笑んだ。

「もう・・・バカなんだから」

「もう大丈夫だよ、ハクマ」

 ハクマは小さく頷き、そして目を閉じた。

「さあ、保管フロアに着いたわよ。その前に診療施設に連絡しないと」

「待って!母さん。ハクマは俺が見てる。だから、行って来て」

「・・・それじゃあ、カズキ君とソマちゃんもここにいて。すぐに戻るから」

「はい」

 カオミは急いでドーム型の部屋へ入って行く。

「ハクマ、肉を食べてないの?」

「・・・たぶん」

「でも、どうしてあんな風に?」

「いっぱい血を吐いてたよ」

「ハクマに聞いてみないと分からない。でも、今はそっとしておいてやろう」

「・・・そうね」

「ヨウヘイにこんな力があったなんて・・・」

「力じゃないんだ」

「どうやったの?」

「俺とハクマはつながってた」

「??」

「・・・正直、ハクマの事なんてどうでもいいと思ってた。ハクマだけじゃない。みんなは自分とは関係ないって・・・・・でも、違うんだ。俺の想いは誰にでも届くし、誰からでも受け取れる。ハクマ、すごく怖がってて・・・寂しいって言ってた。それ聞いたら助けてあげなきゃって思った。そしたら、ハクマに届いたんだ。俺の声が・・・・」

「ヨウヘイ、すごいじゃない!」

「母さんが教えてくれたんだ」

「いいお母さんね」

「・・・ありがとう」

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