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D*D*Callコミュの僕の世界〜因果〜30完

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 カズキは力を出し尽くす。もう二度と使わなくていいように力を絞り出す。怖い力だとずっと思ってた。でも、僕が怖がっていたからだよね。僕が自分を怖がっていたからだよ。今は違う。すべてを出し尽くしても、大丈夫。怖くなんかない。
 カズキの手には銃。鋭く光る黒い銃。両手で上に抱え、ゆっくりと銃口を大きな卵へと向ける。ドクッドクッ・・・カズキの鼓動が大きく響く。僕は生きている。これからも生きていく。ガルーシャと母さんの命を引き継いで生きていく。母さん、聞こえる?僕は生きているよ。母さんの血が流れているんだよ。僕の中で母さんも生きてるんだ。

「始まりは、これからだ・・・これからなんだ!!」

 銃口から巨大な光が撃ち出された。カズキは必死に体を支える。光はくねくねと円を描き生き物のように卵に襲い掛かる。腕が折れそうなくらいに激しく揺れるが、カズキは耐えた。巨大な光の後を全身から溢れ出す光が追う。すると、さらに激しい衝撃がカズキを襲った。暴れる体を押さえ込みカズキは目を見開く。卵は光に包まれ苦しそうに激しく動いている。それと共に叫び声のような悲鳴のような甲高い音が耳に響いてきた。荒れ狂う世界。少しずつ少しずつ音は消えていく。そして、完全に聞こえなくなると、光も消えた。

「ガルーシャ・・・」

「カズキ、ご苦労じゃった」

「ガルーシャ・・・」

「ワシの、想いを・・よくぞ受け入れた・・・」

「僕、生きるから。生きていくから」

「これで・・・ようやく、休めるわい・・・・・」

「ガルーシャ・・・・」

 カズキのまぶたが閉じていく。眠くないのに勝手に閉じていく。

「さよなら・・・ガルーシャ・・・・・」

 そして、カズキは深い闇の中に落ちていった。

コメント(2)

7.空

「カズキ」

「カズキ君」

「カズキ」

「カズキ君」

 声がする。
 僕は暗闇の中。僕を呼ぶ声がするけど、姿が見えない。手探りで探しても、何も見つからない。まだ声がする。知ってる声だから顔が浮かぶけど、何か違う。声の方に行っていいのか
分からないから、僕は戸惑う。でも、僕を知っている人なら大丈夫だ。僕が知っている声なら安心だ。僕は進んだ。声を頼りにまっすぐ進んだ。そして、見えてきた光。もつれる足で向かう。小さな光と声を目指して僕は走る。とてつもなく熱いものが込み上げてくる。体が反応している。僕は泣きながら光に向かって走った。

「カズキ君」

「カズキ」

「カズキ君」

「カズキ・・・」

 少し寒気がした。いつの間にか僕は横になって寝ていた。体の感覚が分からない。痛むような気もするけど、気のせいのような気もする。頬が熱いのだけは分かった。でも、どうして熱いのかは分からない。目を開けると人の顔が見えた。僕を囲んで覗き込んでいる。たぶん、この人達の声だったんだ。僕の名前を呼んでくれたんだ。すごく幸せに感じた。だから頬が熱いのかな、と思った。みんなは僕を抱えた。胸の所がスースーして変な感じがした。やがて、僕はまた闇の中に戻っていく。

 僕は生きていくと言った。ガルーシャに別れを告げたそれがとても昔の話のようで、人に聞いた話のようでどこかはっきりとしない。
 隣で寝てるのはハクマで、ベッドの脇に座っているのはヨウヘイとソマ。二人とも僕を心配そうな顔でじっと見つめている。

「俺、ルーガルさんに助けてもらったんだ」

 ヨウヘイが言う。

「カズキ君、アレを着てなかったら危なかったのよ」

 そう言ってソマは僕の手を強く握る。
 しかし、僕には何の事か分からない。ただ一つ分かるのは、僕は生きているという事。
 扉の所には父さんとジョンさんが立っている。その後ろにはカオミさん。その先には第二施設の子ども達。どうしてみんな集まってるんだろう。そう不思議に思っても僕には誰も話してくれない。遠い記憶をたどっても何も見えない。でも、僕はみんなの顔を見ているだけで幸せだった。何かが変わり始めてるなんて思っても見なかったし、みんながいてくれるだけでいいと思った。僕は生きてるんだと思った。
 でも、一つ気になった事がある。ヨウヘイが言ったんだ。

「空ってさ、あんなに青く輝いてたんだな」って。


おわり。

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