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D*D*Callコミュの僕の世界〜因果〜29

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「うう・・・お・の・・・れ・・・」

 ジョンの体が勢いよく持ち上がる。そこにジョンの意識はない。だらりと垂れ下がった頭と手足が大きく揺れる。そして、それはヨウヘイ目掛けて突き進んできた。ヨウヘイは慌ててもう一度銃を構える。狙いはジョンの先にあるモノ。目には見えないが狙いを定める。今度は確実に。

 バーンッ!!先程よりも衝撃が強い。ヨウヘイは後ろに倒れ込んだ。
 ドスッ!ジョンの大きな体から力が抜け落ちる。
 ヨウヘイはすぐに起き上がり、ジョンの方へと駆け寄る。

「父さん!大丈夫!?しっかりして!!」

 ジョンのまぶたが激しく痙攣している。するとその直後、目と口が大きく開かれ白い冷気が大量に流れ出てきた。ヨウヘイは思わずジョンから離れる。流れ出てきた冷気は次第に集まって、白い固まりへと変化していく。

「な、なんだ・・・これは??」

 ヨウヘイの目の前で白い固まりは大きさを増していき、ジョンの体を取り込もうとする。

「だめだ!父さんは渡さない!」

 ジョンの体を必死に白い固まりから引っ張る。すると、今度は部屋の奥へと移動していく。ヨウヘイがその先を見やるとそこには大きなテーブルがあり、その上には何か固まりのようなものが置かれている。

「まさか・・・肉体を!?」

 白い固まりは吸い寄せられるように向かっている。

「このままじゃ・・・・・あ!」

コメント(3)


---ソマ!ソマ!

---ヨウヘイ!どうなってるの!?全然応答がないから心配してたのよ!

---早く!

---え?どういう事!?

---いいから今だ!早くしないと肉が!

---いいのね?それじゃ行くわよ!

 その声と同時にソマが肉体の前に現れた。

「きゃあ!!」

 白い固まりを見て叫ぶソマ。

「ヨウヘイ!なんなのよこれは!?」

「早く肉を!」

「分かったわ!すぐに戻ってくるから!」

 そう言うとソマは肉と共に消え去った。

「良かったぁ・・・間に合った・・・・・。ほら!お前の居場所はもうなくなったぞ!諦めろ!」

 ヨウヘイのその言葉に反応したのか、白い固まりは再びジョンの方へと戻ってきた。

「え!?来るな!こっちに来るなよ!」

 しかし、グニャグニャと形を変えながら白い固まりは迫ってくる。


「ここに来た者は、おぬしで二人目じゃ」

「僕の他にも?」

「おぬしの父親、ルーガル」

「父さんが??」

「あやつは正義感のとても強いやつじゃ。そのせいか、何でも一人で抱え込もうとしおった」

「父さんは、どうしてここに?」

「今のおぬしと同じじゃ。これをどうにかしようと考えての事じゃろう」

「ガルシアを?」

「ガルシア?今はそう呼ばれておるのか?」

「うん。地上では」

「長い事一緒に居るからのう。ワシの名を語るか・・・悲しき事よ」

 カズキは濁った世界の中にいた。何もない。そこにはガルーシャとカズキと、そして、大きな卵が一つ立っているだけ。その卵の表面には黒い血管のようなものが張り巡らされていて、ドクッドクッと低い音を立てている。

「これが、ガルシアなんだね?」

「封印を施されておるが、再び動き出すのも時間の問題じゃ」

「どうすればいいの?父さんはどうしたの?」

「あやつには何も出来なかった。触れる事さえ近づく事さえ出来なかった」

「どうして?」

「ワシの事を思ってくれたからじゃ」

「・・・ねえ、封印を解いたらガルーシャは、死ぬの?」

「死?死とはどういう事じゃ?」

「それは・・・」

「死とはすべて同じじゃと思うか?」

「違うの?」

「人の死には、意味がある」

「意味?」

「人それぞれ死の意味が違うんじゃよ」

「どういう事?」

「ワシは長く生き過ぎたのじゃ。死の期限をとうに過ぎておる」

「そんな事ないよ」

「そろそろ決着をつけねばのう」

「・・・死ぬの?」

「死は自然の成り行き。悲しむ事ではない」

「でも、嫌だ」

「ワシはこの時を待ち望んでいたのかも知れぬ」

「死ぬ事を、待っていたの?」

「平和な世界・・・その為にワシは今まで生きてきた」

「やっぱり、嫌だ。人の命を犠牲に平和なんておかしいよ」

「おぬしの役割とは何じゃ?」

「・・・僕は・・ガルシアをこの世界から消滅させたい・・・でもね、それで人が傷つくなら僕は・・・」

「ルーガルの血を引く者よ。生きる者の意味、死に逝く者の意味・・・今、おぬしはどちらを想う?」

「死ぬなんて嫌なんだ。もう誰かに会えないなんて、悲しいよ」

「それはおぬしが生きる側だからじゃ。死の意味を想え。死に逝く者の意味を想え。悲しきはおぬしの心の声。死に逝く者の声を聞け」

「声・・・」
 母さんはどうして死んだんだろう。どうして僕を残して死んでしまったのだろう。母さんは何を想っていたの?何を想って死んでいったの・・・・・?

「・・・分からない・・分からないよ。僕には分からない。母さんは、どうして死んじゃったの?」

「おぬしには血が流れておる。きっとつながっているはずじゃ」

 母さんと僕はつながってる・・・・・。僕と母さん・・・僕が母さんだったら・・・僕の命で世界が救えるなら僕は・・・どうしただろう。僕は死ぬのは怖いけど・・・母さんみたいに・・・・・?

「僕は・・・犠牲になっていた」

「死の意味を知る。それは生きるものにとっては難しく辛いことかも知れぬ。しかし、それを知る事で初めて死を受け入れる事が出来るのではないか。そして、死に逝く者の声が聞こえてくるのではないか」

「母さんは、僕達の事を想って・・・みんなの事を想って・・・」

「声を知ったか?」

「ガルーシャ、あなたも同じなんだね。僕たちの事を、世界を想って」

「残された時間はもうあとわずかじゃ」

「・・・あなたが守るんだね・・・この世界はあなたによって救われるんだ」

「おぬしの勇姿をヴヘルに見せてあげようぞ」

「僕はあなたを忘れない。母さんを忘れない」

「さあ、おぬしの力で世界を取り戻すのじゃ」

 僕は誰かが死ぬと悲しい。例えそれが運命であってもやっぱり悲しい。でも、それは僕の勝手なのかも知れない。悲しくても受け入れなければいけない死も別れもきっとあるんだ。もう二度と会えないかもしれないけど、僕は泣くかも知れないけど、心の中に残ってる。想いが残ってる。忘れないから、僕は忘れないから。
 

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