ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

D*D*Callコミュの僕の世界〜因果〜28

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 ヨウヘイとソマはそっと目を開けた。部屋は小さなドーム型、中央に赤く怪しい光を帯びる球状の物体。そこから左右に伸びる通路。その先に扉。部屋の中には誰もいない。ドクッドクッと気味の悪い音だけが響いている。

「ここが、地下研究所・・・?」

「らしいわね」

「あの扉のどちらかに、父さんが・・・」

 ヨウヘイは2つの扉を見やる。

「どうする?」

「行くしかないだろ」

「そうじゃなくて、どうやって取り返すつもり?」

「そんなの分からない。でも、母さんがついてるんだ。なんとかなるさ」

「まったく・・・計画性の無さは相変わらずね」

「なんだよ。じゃあ、ソマはなにか考えてるのか?」

「もちろんよ」

「どうやるんだ?」

「ヨウヘイ、あなた一人で行ってちょうだい」

「一人で?俺だけ??」

「ええ、そうよ」

「なんだよそれ」

「あなたがジョンさんを捕まえてる間にあたしが肉体をおばさんの所に送るわ」

「お前が?・・・大丈夫か?」

「あなたよりはしっかりしてるつもりよ」

「・・・・ああ、分かったよ。やってみる」

「あたし部屋の外にいるから合図をちょうだい」

「よし。・・・でもさ、それって俺だけ取り残されるんじゃ・・・・」

「大丈夫よ。ちゃんと迎えに来るから」

「力、大丈夫か?」

「ギリギリってとこね」

「ほんとに大丈夫なのか?」

「いいからあたしを信じて」

「・・・分かったよ」

「合図はこれでね」

 ソマは頭の飾りに触れる。

「ほんとに大丈夫かな?こいつ」

---やってみる?

「ああ」

「大丈夫そうね」

「え?」

「それじゃあ、外で待ってるわ」

 ソマは部屋から出て行く。

「あ、ちょっと・・・・・今の、もしかして・・・・?」

コメント(3)

 ヨウヘイは気を取り直して2つの扉に目を向ける。

「どっちだ?」

---あなたの力はなんの為にあるの?

「えっ!?もう、びっくりさせるなよ」

---使う前には言ってくれよ!

---なに言ってるの!それじゃ意味ないでしょ!

---でも、びっくりするだろ。

---それより早くしないと肉が・・・。

---分かってる。

 ヨウヘイはジョンの居場所を探る。右か左か、どちらかにいるはずだ。どっちだ?心の目で静かに見つめる。そして・・・見えた。右の扉の奥に父親の姿が。

---ソマ、右だ。右の部屋だ。

---分かったわ。それじゃお願いね。

---ああ。

 沈黙の会話を一旦やめ、ヨウヘイは右の扉へと足を動かす。この先で何が行われているかなんて想像しない。想像すると進めなくなる。だから、ヨウヘイは何も考えず、ためらいもなく扉を開けた。
「父さん!!」

 ヨウヘイは大きな背中に向かって叫んだ。

「・・来てしまったか・・・」

「父さん、やめるんだ」

「父さん、か・・・。お前にそんな風に呼ばれると私の中で何かが暴れるのを感じる」

「母さんも心配してるよ」

「心配だと?私も見くびられたものだな」

「父さん・・・」

「言うな!!私をそんな風に呼ぶな!お前とはもはや何のつながりも無い」

「どうして・・・どうしてそんな事が言えるんだ・・・?」

「失敗作だ。お前は生まれながらにして、すでに負けているのだ」

「父さん、目を覚ましてよ!」

「目を覚ますのはお前の方ではないか?いい加減、自分の弱さに気づいたらどうだ」

「俺は弱くなんかない!!」

---ねえ、ヨウヘイ・・・どうしたの?

「お前は誰からも必要とされていないのが分からないのか?誰からも・・・世界からもな・・・」

「そんな事・・・そんな事ない・・・」

---返事して、ヨウヘイ。何があったの?

「・・・哀れだな。しかし、これは私の過ちでもあるのかもしれないな。ならば、やはり私の手で償うべきか・・・」

「とうさん・・・」

「お前も肉を喰らうか?あいつよりも少しは役に立つだろうよ。ハハハハハハハハハハハ・・・・・・・」

 ヨウヘイは構える。銃を両手で構える。どこを狙えばいいのか分からない。撃てばどうなるか分からないけど、反射的に小さな手でしっかりと構えていた。

「動かないで!」

 しかし、ジョンはそれを無視してゆっくりと振り返る。

「動くな!!」

「何だそれは?弱さをそんなもので補うか・・・過剰文化なんぞに頼るのか・・・」

「なんだっていいさ!父さんが戻ってくれるなら、なんでもいい!」

「くだらない話は時間の無駄だ。私を邪魔すると言うのなら、誰であろうが容赦はしない。消えてもらうまでだ。どっちにしろすべて消えてしまうのだから、早い方がいいのかもしれないな」

---ヨウヘイったら!なんとか言ってよ!

---・・・ソマ。

---ヨウヘイ!?どうしたの?何があったの?

---俺・・・やるから。

---え?何をするつもりなの!?あなたはそこの部屋から誘い出してくれればいいのよ。

---助けたいんだ。俺の手で父さんを助けたいんだ。

---今は肉体を取り戻す方が先よ。お願いだから危険な事はしないで!

---・・・・・だめだ。

「どうした?過剰文化すら使えないのか?」

「・・・ねえ、ひとつ聞いてもいい?」

「何だ?今さら何を知りたいというのだ?」

「父さんは、どうして僕を地下に呼んだの?」

「ふふっ・・・・・・肉だ」

「え?」

「あいつで失敗したから今度はお前にと思っただけだ」

「それだけ?」

「他に理由が必要か?」

「俺に肉を与えようとしただけ?俺を利用しようとしただけ?」

「余計な者までついて来て、しかもあのルーガルの息子とは・・・・とんだ皮肉よ」

 パーンッ!湿った空気を突き破る衝撃が、ヨウヘイから一直線にジョンへと吐き出された。
 バフッ!鈍い音が幾層にも響く。ジョンの体が醜く歪む。

「うううっううううううううううっうう・・・・・・・・」

 立ったままもがき苦しむジョン。

「頑張って父さん!そんな奴になんか負けないで!!」

 ヨウヘイの手はぶるぶると震えている。

「ううううう・・・・・・うわああああああ!!」

 倒れこむジョン。そして、なおももがき続ける。

「ううう・・きさ・ま・・・何・・を・・・ううう・・した・・・・」

「父さんはお前なんかに負けない!絶対に負けるもんか!」

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

D*D*Call 更新情報

D*D*Callのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。