ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

D*D*Callコミュの僕の世界〜因果〜21

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「あの・・・それは過剰文化ですか?」

「・・・これは私達、いいえ、人類にとってとても大切な事なの。必要な技術なのよ。過剰文化・・・そうね、何も知らない人にとっては、そう言えるかもしれないわね」

「・・・必要な、文化」

「必要であるないは、もちろん個人の考え方もあると思うけど、大きな問題はそれだけじゃ決められないの。誰かが代わりに正しい判断をしてあげないと」

「そうだよ、カズキ」

 ヨウヘイはそう言う。
 それじゃあ、過剰文化って何?今まで僕が恐れていたものは何だったんだろう?結局、大人が全部決めちゃうの?僕達は与えられるだけで、選択肢はないんだ。

「どうしたんだよ?今はそれどころじゃないだろ?」

「うん、そうだけど・・・」

 エレベーターの周りをいくつかの部屋が囲んでいる。左右には上へと続く階段。そして、正面にもう一つ。カズキ達はカオミに連れられ階段を上がる。すると、巨大なモニターが見えてきた。

「何あれ・・・」

「監視モニターよ。あれでガルシアを視覚化してるの」

「見れるの?」

「そうよ。元々形が無いものだから、こうして見える状態にしておかないと細かい動きが分からないのよ」

 モニターには赤や青や黄や緑やいろんな色が重なり合って形を成している。それはグニョグニョとモニター内を動き回っては不気味な存在を表していた。

「なんだか気味が悪いわ」

 ソマはそう言って両腕を抱いて身震いしている。

「大丈夫よ。肉体は厳重に保管されているから」

「そう言えば、何かあったの?さっき・・・」

「ああ、ちょっと・・・この子が変な動きをしたの。でも、大した事なかったわ」

「それならいいけど・・・」

コメント(3)

「シュンスケ、ゴウシ、紹介するわ。あたしの息子のヨウヘイに、こちら友達のカズキ君とソマちゃん」

 モニター前の椅子に座っている研究員に向かってカオミが言う。

「あ、どうも。初めまして」

 男二人は顔だけ後ろに向けそう言う。

「初めまして・・・」

 三人はそう返して頭を軽く下げたのだが、上げた時にはもう男達の顔はモニターの方に戻っていた。カズキ達が困惑しているのに気づいたのか、カオミが言う。

「彼らはこの子から目を離せないの」

「母さん、この子って・・・」

「長年見てると嫌な生き物にだって愛着が沸くのね・・・」

「・・・・・ねえ、母さんは俺がいなくて寂しくなかった?・・・だって、母さんは俺の事ずっと知ってたんでしょ?」

「そりゃ寂しかったわよ。あなたの事一日一秒だって忘れた事ないわ。でも・・・それがとても辛かった。会えないあなたを思うのはとても辛かったわ。だから、この子にあなたをダブらせていたのかもね」

「こいつに?」

「モニターの中では可愛いものよ」

「冗談よしてよ」

「ところで、聞かせてもらえないかしら?あなた達が体験してきた事を」

 カズキ達は巨大なモニターの横にある部屋に入った。出入り口は四つあり、モニターに負けないくらいの大きさである。

「座って」

 そう言ってカオミが突き出たデスクの先端の椅子に座った。三人はそれに続いて横に座る。赤い椅子はカズキの気持ちを少し高ぶらせた。

「力の事を言ってたけど、あなた達・・・持ってるのね?」

「うん」

「それは・・・どういう感じ?」

「母さんは使えないの?」

「私はさっきも言ったけどセンターの人間だから、地下センターの人のように不思議な力は持たないわ」

「もしかして・・・だから俺に力は弱いの?」

「弱いかどうかは分からないけど、純血の人よりは薄いわね。でも、それって力に影響するの?」

「大有りだよ。俺にももっと強い力があったら・・・」

「ヨウヘイ!」

 ソマが横から声を荒げたが、カオミと目が合い慌ててうつむいた。

「ソマちゃん、いつもヨウヘイがお世話になってるようね」

「え?いいえ、そんな事・・・ないです」

 恥ずかしそうなソマ。


「世話になんかなってないよ!」

「ヨウヘイ、みんなに迷惑かけてない?」

「なんだよそれ」

「これからもヨウヘイの事よろしくね」

「・・・はい。こちらこそ」

「もう、なんだよ〜」

「カズキ君、あなた・・・もしかしてルーガルの?」

 カズキは小さく頷く。

「そう・・・やっぱり」

「母さん、ソマもそうなんだ」

「ソマちゃんも?!あら、そうなの??・・・驚いたわ、二人が揃うなんて」

 カズキはなんだか恥ずかしくなって少し顔を赤らめた。

「ねえ、母さんはどうしてここにいるの?父さんは過剰文化で過ちを起こさない為の監視役だって言ってたけど、違うの?」

「あの人は・・・ジョンはね・・・・・・狂ってるわ」

「狂ってる?父さんが?」

「・・・嫉妬がジョンを狂わせたの」

「母さん、どういう事?」

「ジョンはルーガルに嫉妬してた。自分でも気づかないうちに次第に大きくなって、あんな事を・・・」

「何があったの?」

「あれは・・・ヨウヘイ、あなたが生まれた時の事よ。私とジョンはあなたが生まれてきてくれて本当に嬉しかった。こんなに幸せな事があるなんて思っても見なかったわ。ジョンは涙を流してあなたの誕生を喜んでた。でもね、それからしばらくしてルーガルとヴヘルの間にも子どもが生まれて・・・それがカズキ君とソマちゃんの双子だった」

「カズキとソマが、双子?!」

「あら、だって同じ歳でしょ?」

「言われてみれば、そうか!」

「それでね、ジョンは私に言ったの。ヨウヘイはルーガルの子よりも劣ってるって。私はそんな事ないって、他の子どもと比べるなんておかしいって言ったの。けど、あの人・・・私のせいだって。・・・・・私がセンターの人間だからって・・・・・」

「父さんがそんな事を?」

「優しかったジョンはそれから人が変わった様に急に冷たくなって。ヨウヘイと別れる時も、知らん顔して・・・」

「嘘だ!父さんは優しかったよ!」

「聞いて、ヨウヘイ。あなたにはちゃんと話しておきたいの。これからの事もあるし」

「・・・ヨウヘイ。最後まで話を聞きましょうよ。ね?」

 ヨウヘイは力なく頷く。
「・・・ジョンは嫉妬心を抑える事が出来なくなっていたわ。外からは何も変わらない様に見えていたけど、私には分かってたわ。そして・・・ジョンはとんでもない行動に出たの。ガルシアの力を・・・自分に取り込もうとしたのよ」

「どうしてそんな事を・・・?」

「自分には力がないと思い込んでた。ないのは私の方なのにね。ジョンはルーガルに強いライバル心を抱いて、より強大な力を手に入れたかったのよ。そして、取り返しのつかない事を・・・・・」

「何をしたの?」

「肉を・・・作ったの」

 カズキの胸が急に痛んだ。『肉』・・・体がその言葉に反応する。血が反応している。

「血筋の・・・肉、だね」

「そう。カズキ君とソマちゃんには辛い話ね」

「いいえ、続けてください」

「・・・・この計画を持ち出したのはジョンだった。自分の醜い嫉妬心に気づく事もなく、ルーガルに持ちかけたの。でも、肉を作る為には誰かが犠牲にならなければならなかった。ジョンはルーガルに言ったわ。子ども達の未来を守らなければならない。そんな心にもない事をルーガルに言ったの。人一倍真面目で正義感の強かったルーガルは悩んだわ。そして、決断した。自分の命を捧げようと。でも、ジョンはその姿にまた嫉妬を・・・あの人はもう普通ではなかった。あの人の心は完全に汚れてしまっていたの」

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

D*D*Call 更新情報

D*D*Callのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。