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フィリピンの相互リンクコミュの「フセイン元大統領長女に逮捕状」報道の謎

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「フセイン元大統領長女に逮捕状」報道の謎
2010.5.3 07:00

4月上旬、奇妙なニュースが流れた。国際刑事警察機構(ICPO、インターポール=本部・仏リヨン)が、イラク政府の要請を受けて、2006年末に処刑された同国のサダム・フセイン元大統領の長女、ラガド容疑者(ヨルダン在住)を国際手配した−というのだ。だが、ラガド容疑者はすでに06年に国際手配を受けており、これまでに「捜査」が実質的に進捗(しんちょく)した形跡はない。なぜ今さら、このような動きが出てくるのか。(大内清)


インターポールの手配書
 

 本名「ラガド・サダム・フセイン・アルマジド」▼生年月日「1968年9月2日(41歳)」▼出生地「イラク・バグダッド」▼話す言語「アラビア語、英語」▼国籍「イラク、ヨルダン」▼身長「1・70メートル(67インチ)」▼瞳の色「薄茶色」▼頭髪「茶色」−。

 インターポールのウェブサイトに掲載されているラガド容疑者の「手配書」に列挙されている項目だ。容疑は「生命と健康に対する犯罪」と「テロの扇動」、逮捕状の発行元は「バグダッド」とある。

 英ロンドンに拠点を置く汎アラブ紙、アッシャルクルアウサト(4月5日付電子版)によると、イラクのクルド人政党、クルド愛国同盟(PUK)のサイトが最近、「インターポールが逮捕状を発行」との情報を掲載。その後、米FOXテレビ(電子版)が、今回の逮捕状は2006年に発行されたものが「改訂」されたものだと伝えている。

2度のイラク脱出
 

 ラガド容疑者は1983年、フセイン元大統領のいとこにあたる有力軍人、フセイン・カーメル・マジド中将と結婚。ラガド容疑者の妹もマジド中将の弟を夫とするなど、イラク旧政権の代表的な閨閥(けいばつ)として知られた。

 そんなラガド容疑者が初めて国際的な注目を浴びたのが1995年、残虐な性格で知られた長兄、ウダイ氏(2003年に米軍特殊部隊との交戦で死亡)との政争から逃れ、マジド中将や妹夫妻とともに隣国ヨルダンに亡命したときだ。ラガド容疑者らは翌年、身の安全の保証と引き換えに帰国したものの、結局、マジド中将とその弟は間もなく殺害されている。

 その後、イラクにとどまっていたラガド容疑者は、米軍などの侵攻でフセイン政権が崩壊した03年、米軍の拘束を逃れるために5人の子供や母親を連れて再びヨルダンへ脱出。以来、首都アンマンで暮らしている。06年末にフセイン元大統領が処刑された際には、アンマンで行われた元大統領支持派のデモに姿を現し、感謝の言葉を述べている。


国王の「お客さま」
 

 今回の報道を受けてヨルダン政府高官は5日、地元紙に対し、「この件でインターポールからいかなる要請も受けていない」と言明。同政府は、06年の逮捕状発行の際にも同様のコメントを繰り返していて、今のところ、ラガド容疑者をイラク側に引き渡す気配はみせていない。

 それどころか、ヨルダンのアブドラ国王は政治的な活動を行わないことを条件に、ほぼ自由な生活を認めているとされる。アンマンの高級住宅街にあるラガド容疑者の邸宅には家政婦や料理人、ボディーガードがおり、子供たちは高級子弟向けの学校に通うことも許されている。アッシャルクルアウサトによれば、その生活資金は前回の亡命の際に持ち込んだ約10億ドル(約930億円)ものカネや大量の貴金属類で賄われているという。
ヨルダン政府がラガド容疑者を保護する背景には、国内でフセイン元大統領の人気が依然として高いという事情がある。元大統領は湾岸戦争(1991年)の際、アラブ諸国の世論を味方につけるため、同戦争を「アラブ対イスラエルとその支持者」の戦いと位置づけ、実際にイスラエルに向けてミサイルも撃ち込んだ。イスラエル建国とその後の戦争によって土地や家を失ったパレスチナ人が多いヨルダンでは元大統領を支持する声が強く、ヨルダン政府はイラク支持に回らざるを得なくなった。

 体制が決して盤石とはいえないヨルダン政府とアブドラ国王にとって、ラガド容疑者は、むげに扱うことのできない「お客さま」なのだ。


「テロ支援者」か
 

 今回、逮捕状が「改訂」された理由についてFOXテレビは、ラガド容疑者が、イラクで武装闘争を続ける旧支配政党バース党の残党グループ指導者、ドゥーリー元副大統領に対し、現政権への抵抗を呼びかけた上、資金を提供してテロを支援していた証拠が見つかったためだと報じている。

 ヨルダン政府の監視下でテロ支援活動を行うのは不可能だとする指摘もあるが、ラガド容疑者には潤沢な資金があり、一概に否定はできない。ドゥーリー元副大統領が4月24日、米国とイラクの合同部隊によって拘束されたとの情報もあり、これが事実だとすれば、今後、ラガド容疑者の関与の有無が明らかになる可能性もある。

 一方、イラク国内の政局に関連した動きだとの見方もある。

 イラクでは3月に国民議会選挙が行われたが、単独で過半数に達した勢力はなく連立交渉が本格化している。マリキ首相率いる「法治国家連合」を押さえて第一党となったアラウィ元首相の世俗会派「イラキーヤ」は、前回選をボイコットしたイスラム教スンニ派の支持を多く獲得、バース党支持層も取り込んでいるとされる。

 「法治国家連合」などシーア派中心の勢力には、「イラキーヤ」主導の政権が誕生することへの恐怖感があり、最近の現地報道によれば、シーア派とクルド勢力との接近ぶりが目立っている。
そんな中での今回の「逮捕状」報道。フセイン元大統領に近いヨルダン在住のイラク人弁護士は、アッシャルクルアウサトの取材に対し、「選挙で失敗したイラク政府内のグループが、このようなニュースを流させている」と述べている。こうした指摘からは、政権側が、バース党と縁が深いラガド容疑者を「テロ支援者」として非難する世論を形成し、スンニ派に揺さぶりをかけようとしている−との構図が浮かぶ。

 本当にテロの黒幕なのか、それとも複雑な政局の余波を受けているだけなのか。ラガド容疑者自身は、メディアに対して沈黙を守っている。

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