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無題〜UN TITLE〜コミュの第七話 タカオ

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夕日…。
チアリが目覚めるとそこには見渡す限り夕日が広がっていた。
自分がどこにいるのかはまったく気にならなかった。ただ、その景色があまりに美しく見とれていた。
しかし、その美しさはどこか悲しげで、チアリはそのうち涙が出てきた。
・・・…向こうに誰かいる・・・…
チアリは奥に人影を見つけた。徐々にその人物は近づいてきた。
チアリは言葉をなくした。
彼女はその人物を知っていた。初めて会うその人物の顔を知っていた。
思わず声をかけた。
「…ま・・真澄…くん…?…」

もうこのお笑いの世界に入って何年になるだろうか。いっこうに芽が出ないのは、俺に才能がないのがまぎれもない事実だということをいい加減認めろということなのか。もしかすると、俺のやまだ大爆笑という名前がいけないのかもしれない。
しかし、あんな大して面白くもないやつらがきゃあきゃあ言われているのを見ると世の中のほうがおかしいと思ってしまう。
レッドモンキーとか言うコンビ…嫌いだ…。
「あ…兄さんお疲れですっ」
やつはレッドモンキーの三上ひろすけという…確か21歳だったか?
こいつはいい…こいつはいい奴なんだ。問題はもう一人のツッコミの方の男。
「こんにちは、兄さん。こんど飲みましょうよ。いい店知ってんですよ。」
奴は屈託のない笑顔で話し掛けてきた。どうも、あの顔が信用できない…。
「おお…今度な…。」
「あはっ良かった。楽しみにしてますよ。」
どうやら、レッドモンキーのネタはすべて奴が作っているらしい。三上を誘ったのもあの男のようだ。しかも、奴らは幼馴染でも、学校の同級生でもなんでもない。半年前、いきなり街で三上は声をかけられ、その場でコンビを結成したというのだ。
奴の名前は真田比呂。俺は奴が気に入らない。
今日も夕日のような赤い服で舞台に立っている。

つづく

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