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無題〜UN TITLE〜コミュの第九話 綾小路ひよこ

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チアリにツッコまれた瞬間、僕の中で何か繋がりかけた…。以前にもこんなことがあった気が…する。
「でも、すっごい懐かしい!まさか真澄くんが、マスミだったなんて…!
…元気だった?」
チアリは、以前の僕を知っているようだ。…だが、僕はチアリといつ会ったのだろう?
―――――わからない。―――――
ただ、…無性に懐かしい…という感覚におそわれた。頭よりも体が覚えてる、といった感覚―――――。だって、彼女との記憶は、あの頭の中での会話しかないのだ。一体、彼女は過去の僕の何を知っているんだろう…?
「…ゴメン。…覚えてないんだ…。」
その言葉をしぼり出すので精一杯だった。僕が覚えているのは、得も言われぬ懐かしさだけなのだから。それにしても、この懐かしさはどこからくるのだ…?そんな僕に追い討ちをかけるように彼女はまくしたてた。
「…なに?じゃあ、あんなことや、そんなことや、こんなこと、ぜーんぶ覚えてない…って言うの?!」
そんな彼女の言葉にまた、混乱してしまう。僕とチアリの関係って…?そうやって考えているうちに、僕の頭は激しく痛み始めた。その痛みで、体を起こしていることも辛くなり、倒れこむ。その姿を比呂がみとめ、僕に駆け寄る。僕を抱え起こしながら、チアリに向かって諭すように言った。
「…真澄は、記憶喪失なんだ。…だから――――も、まして…―――」
 僕は、薄れゆく意識の中で僕とチアリの記憶の断片を探した。…しかし、大事なところを聞き取れぬまま、僕は暗闇に落ちてしまった。

半年前、俺は路上で1人、漫談をしていた。だが周りは、無名の俺のことなんか見向きもせず通り過ぎる。そんな中、たった一人だけ、最後まで俺の漫談を見ていた男がいた。そして、終わると拍手をしながら近づいてきた。
「僕とコンビを組まないか?」
それが、オレ、三上ひろすけと真田比呂の最初の出会いだった。その出会いは衝撃的だった。細身の長身、端正な顔立ち、上品な身のこなし…。はっきり言ってお笑いとは無縁の容姿から、そんな台詞を聞くことになろうとは…。だが、比呂が持ってきたネタを聞かされ、納得した。俺の漫談より格段に面白い。だがこの頃は、このコンビで売れるなんてずっと先の話と思っていた。

つづく

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