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無題〜UN TITLE〜コミュの第十二話 皇帝人鳥

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 入り口から話し声が聞こえてくる。
「ほら、噂をすれば…」
婦長が笑いかけ、比呂とちあり、そして、真澄を見つけナースステーションから呼び止める。
「服部君、この方ずっと待ってたのよ。少しお話聞いてあげて。」
僕が一礼すると
「じゃあ、僕はこの辺で…」
去ろうとする比呂の袖をちありがつかむ。
「逃がしませんよ。これからが良い所なんですから真澄が忘れてたのはぁ」
「はじめまして、西園寺言います。ここじゃ迷惑になるから、病室に行かないかい?それから僕も話を聞いて良いかな。」
何か手掛かりになるかもしれない。幸い今の僕は只の西園寺さんだ。気づかれる前に情報を集めたい。病室に促す僕に、少女は、こちらの思惑を知ってか知らずか、少し考えてうなずいた。
 ―しかし、期待は大きく外れた。少女―ちありと服部少年は親同士が友達で、幼い頃二、三度会っただけだというのだ。特に記憶喪失でなくても忘れてそうな…さらに彼女は話を進める。
「…でね、それから真澄言ったんだよ、ちーちゃん僕のお嫁さんにしてあげるって、ンな事言ってたんだよ。私覚えてるんだからね。何しろちっさい頃の記憶で、曖昧なんだけど、兎に角夕日が奇麗で、大きかったなぁ。なんであんなに大きかったんだろ…」
窓の外を見ながら遠い目をするちありに比呂が茶々をいれた。
「記憶無いのを良いことに新しい記憶うえつけるなよぉ。」
ふくれたちありを見て、真澄をはじめ、皆笑ったが、西園寺は真澄の表情が変わったのを見逃さなかった。…気づいた者がもう一人。

―こんなに早く―計算外だ。気づかれぬ様部屋を去った。

夕日…大きな!?あらゆる映像が真澄の頭を駆け巡る。いや、違う。大きかったのは、むしろ映し出された―
「ぼく‥どこかでみた?…」
思い出したぁ?と振り返ったちありから笑顔が消えた。
    ―空が焼ける―
           光と影 真実語る 誰そ彼

つづく

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