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「駄文倶楽部。胡蝶庵。」コミュの彼はただ隣で本を読んでいる。

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私の恋人は本が好きだ。
本屋に行くと3時間は滞在する。
私の恋人はトイレも好きだ、
トイレに行くと5時間前後滞在する。

気になることがある。
私の恋人は本が好きでトイレも好き。
しかしトイレでは本を読んでいないようなのだ。
恋人が入っているトイレの前を通過した際
電車やカフェでは見かけないであろう
サイケデリックで百貨店の催事会場のようなブックカバーが施された本が
ドアの前に置かれているのだ。
私は確信した。これは恋人のものである、と。

そして先日たまたま方位磁石を購入したため判明したのだが
本は、どうやら背表紙が必ず南南東に向くように置かれている。


私にはもうひとつ、気になることがある。
それは、私が恋人と、映画を観ている時も、観覧車に乗っている時も、
食事をしている時も、一緒にお風呂に入っている時も、
愛撫しあっている時も、お泊まりをした朝に目が覚めた時も、
551がある時も、ない時も。
私の恋人の隣に、彼がいる。
彼は、いつ何時も、ただ恋人の隣で本を読んでいる。

彼がいること自体は、恋人と出逢ってからずっとのことなので
いないほうが不自然なくらい日常的なことなのだが、
気になっているのは
彼が持っている、どうやら私の恋人とお揃いのブックカバーが掛けられた本の
内容である。
そんなことは今まで全く気にならなかったのだが、
私が方位磁石を購入し、トイレの前に置かれた恋人の本の背表紙が南南東に向いていると
分かってから、急に知りたくなってしまった。

出逢って間も無いカップルなら直接質問したりせず
様子を見ながら探りを入れたりするのだろうが、
私たちが出逢ってからの年数には、個人的に自信があり、
そもそも彼との関係は恋人でも何でもないので
直接聞いてみることにした。

私「ねぇ、ちょっと気になったんだけど、その本って何のほ…」
恋人「アンドリュ、ちょっと背中のボタンとめてくれるかな?」
アンドリュ「わかりました」

恋人の背中に3つあった、貝のボタンが彼の手によってとめられる。

恋人「あれ?いま何か言った?」
私「あ、うん…。えっと、アンドリュってさ、いつも何読んでるの?」
アンドリュ「本ですか?本は読みません」
私「へ?だっていつも手に本持ってるよね?どこに行っても読んでるし。
  今日だって、それ、本でしょ?」

私が相当変な顔をしたのか、二人はくすくすと笑った。

アンドリュ「いえ。これは手帳です」
恋人「いままで小説か何かだと思っていたの?」

えーーーーーー手帳ーーーーーーーー!!???と
すごく驚いたけどなんか騙されたような気がして、悔しかったので
声に出さなかったけど、きっと私が相当変な顔2をしたのだろう
二人はまた顔を見合わせてくすくすと笑った。

私「ついでに聞くけどさ、なんで名前 "アンドリュ" なの?」
恋人「それは、安藤さんだからだよ」
アンドリュ「そうでしたね。最初はサキエルさんも呼びにくそうにしてましたもんね。」
恋人「そうだね〜、だってそれまでずっと "アンアン" だったのにさ。アンドリュて!」
私「え、あなたが決めたんじゃないの?」
恋人「違うよ〜〜」
アンドリュ「祖母が決めました」
私「え!誰の!?」
恋人「いや〜しかし "サキエル" っていうのも衝撃だったけどね〜〜」
アンドリュ「そうですね、ちょっと呼ぶの恥ずかしかったですもん。」
私「そういえばサキエルの由来は何なの?やっぱりE○A的な?」
アンドリュ「それは先がL字に曲がっているからですよ」
私「え!どこ!?どこの!??」

はっとして、振り返ると恋人はとてもにこやかな顔でこちらを見ていた。

私「じゃあその名付け親も、もしかして…」
アンドリュ「       ………祖母です けど。」

え、何その間!!あと最後の「けど」ってなんだ!

ものすごく聞いてはいけないことを聞いてしまった気がしたので
話を変えようと、私は恋人にとんでもない質問をしてしまった。

私「いまふと気になったんだけど、サキエルが読んでるのは何なの?」

恋人「あ、これ?これは日記。」
私「え、日記を?読んでるの?毎日?えっ、誰の日記?」
恋人「自分のだよ〜〜なんで〜?」
私「え!自分の日記を読むって、しかも毎日…?えー?どういうこと?いつの日記?
  過去に書いたやつってこと??ん?」

私はひどく混乱してしまい、はたして朝履いてきた靴下が
正しいペアだったかどうか、朝食べて来たごはんが
ベーコンエッグだったのかそれともエッグベーコンエッグ(EBE)だったのか
わからなくなってしまった。きっと泣きそうな、助けを求めるような目で顔を上げると、
恋人はとてもにこやかだった。

恋人「オムライス食べにいこっか〜〜」
アンドリュ「はい。」

目も頭の中もぐるぐる状態の私がこれから
ポ○の樹のMサイズなんて食べきれるんだろうか?
あ、吐きそう…いや間違えたエンゼルパイ出そう

そうこうしているうちに○ムの樹着いちゃった。
テーブルを案内されて、着席すると
私の恋人は左手に持っていた日記をいつもの角度に置き、
彼は右手に持っていた、昨日の恋人と同じ柄のブックカバーがかけられた手帳を
左手に持ち替えた。

できれば怒らないで、あきれないで聞いてください、
私は二人がそれぞれ持っている、私が勝手に本だと思い込んでいた物の内容について
事実を知った今でもなお「小説か何か、まぁ漫画でもいいとりあえず日記と手帳以外」
であって欲しいと思っています。
物語の主人公がストーリー上の事実を受け入れないのはおかしな話ですが
二人が持っていたのは "私が絶対に読むことがないような小説" とか、
"超マニアックな漫画" とかの方がドラマチックだなぁって思うんです。個人的に。だから

私「この、たっぷりきのこのクリームオムライスください。Mサイズで」
恋人「あ、わたしもそれください〜わたしのはSサイズで!」
アンドリュ「和風梅しそオムライス、Sサイズでお願いします」

注文が終わると、私はとりあえず恋人の本の背表紙が
ちゃんと南南東に向いているかどうかを再確認した。そして
私の中の日常としてある、この光景が
きっといまこの文字たちを目の前にしているあなたの日常にもなるはず。

「私の恋人の隣でただ本を読んでいる彼」が。

コメント(4)

脈絡がおかしすぎてすいません、あくまで駄文ですから!
というわけでみなさんお久しぶりですー!お元気でしょうか?
私が書くと、このようにちょっと残念な感じになるので
是非みなさんのストーリーが聞きたいです!
投稿お待ちしております〜〜また顔出させてもらいますね☆

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