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「駄文倶楽部。胡蝶庵。」コミュの[掌編]ラムネの中

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「これが何か分かる?」
少女の言葉と共に右手に持ったラムネの瓶がカラカラと音を立てる。
瓶の中では、小さなガラス玉が光を受けて輝いている。
「ビー玉ですか?」
少年が答えると、少女は悪戯っぽく微笑んだ。
「これはね、恋心だよ」
得意気な少女の表情とは対照的に、少年は小さく首を傾げる。
少女は言う。
「恋心はね、小さくて、綺麗で、透き通っていて、確かにそこにあるけど、自分から外には出て来ない。外に出すには、努力と工夫と、ちょっとの勇気が要るの」
似てるでしょ、と少女はラムネの瓶を口に付け、光に翳すように傾けながら澄んだ液体を喉へと通して行く。
少年はそんな少女を見ながら、口の中で少女の言葉を繰り返す。
「・・・・・・なるほど」
そして少年は自分のラムネを見て、小さく呟いた。

確かに、これを取り出すのは難しい。

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