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キリストの証人たちコミュの第3章 ブリストルにおいて その3

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この暗黒がしだいに加わる時においてミューラーは祈りに身を捧げていた。
功利的な考えの人々は、
天の力によって地を改革しようとするような思想を冷笑した事は勿論である。
善い人々であっても、見えざる力の直接の働きを信ずる事の薄い者は、
この神のみを信じて立とうとした不思議な宗教家の行為を嘲笑して様々に誹謗した。

しかし彼は期するところあって人の嘲笑を物ともせず、祈りを続けていた。
彼の小さい室における祈りは
「おお神よ、御意ならば彼等を助けるべき道を我に示し給え」であり、
人々が嘲笑する時には「ロンバートの町にいることは自分自身に取ってはむしろ幸いである。」と。

そのように彼は自らの事を考えたのでは無いけれども、
憐れな兄弟と、いかにしてそれを根本的に救助すべきかについては、
ただ大いなる力の前に跪いて助けを求める以外になすべき事を知らなかったのである。

「彼等が語り終わらざる先に我これに答えん」とあるように、
彼がこの問題を掲げて1時間も祈らない間に、
60ポンドの為替がある何十里も遠いところの、
見ず知らずの一信者から贈られて彼の自由に委ねられた。

それを始めをして、救助の為の金はただ神に求める応答として
引き続いて彼に届き、そのポケットにある小さな会計簿と鉛筆とは、
それがために絶えず使用されるようになった。
ブリストルのパン屋も野菜屋も忙しくなり、
貧しい人々も小児達も愛の贈り物によって賑わされるようになった。
しかし彼はそれをもって満足せず、
生命の言なる聖書を教えるべき学校を建てるよう計画した。
これらは不信仰の人々に取っては無謀の業のように思われたのである。

ミューラーは教える事、訪問する事、説教する事に依って忙しく努力していたが、
罪人は彼の刺し貫くような言葉を聞いて罪を自覚し、
また購い主の愛の喜ばしい恵みを経験するようになった。

ある時この世の快楽のみを求める一人の貴婦人が、ベテスダ教会の集まりに出席して、
第一に受けた印象は、この人はドイツ語のようなアクセントをもって語り、
発音を時々間違えるということであった。
そしてただ外の様子とか癖にのみ注意したに過ぎなかったけれども、
彼女が出てくる時にはその心を火の矢をもって貫かれていた。

この世の空しいことが彼女を迷わしていた事を知って、
彼女は再び速やかにベテスダ教会に帰り、そこで悔い改めて救いを受けた。
彼女の親戚もこの奇跡に驚き、
6名の者がベテスダに行って恵みを見いだすようになった。

多くの人が彼等の業に感謝するようになった時、自分の罪深くして値なく、
ただ神がその御業を継続し給うのみであるという事を人々に告白した。
この頃4百人の信者が集まって、賛美と祈りに5時間半を費やし、
夜半になってもなお終わらなかったほどである。
そして人々は主は我らを恐ろしい穴より救いだし給うたと、
感謝をもって心から歌うようになった。

この頃の彼は一面から見ると勝利の連続であったけれども、
内心には絶えざる戦いを続けていた。
その戦いというのは、自分の心の倦怠と、
また神に対する関係が鈍ろうとすることであった。

その頃、書いた中に
「数週の間、主と真の交わりをする事が極めて少ない。私はそれを切望していた。
しかし私は冷たい。これではならないーーー
しかり私はこのままで続ける事は出来ない。
この心の冷たさ、前に持った霊の熱誠を永久に続けさせねばならない。」

このように自らの無価値な事を神の前に示されて、そして叫んで言うのに
「私は故郷に帰る事を願う。そこに於いて主と共に在り、
私の全身をもって主を愛する事を得るであろう。」と。

此のような願いは世を厭い、
彼が修道院に逃げ込んで戦いの世を避けようとした事ではない。

如何にかして完全な愛と完全な奉仕を捧げ得る霊の状態となる事を欲したのである。
「オォ私に鳩の如き翼があったならば、私は飛び去って神の内に休むものを。」
しかしジョージ・ミューラーは故郷に行くべきであったろうか。
否、これらの霊魂の戦いは神の為に大いなる事を成すべき初めにおいての準備で、
神の証を立てるためのなくてならない経験であった。
主は彼を要し給い、
大いなる陶工はその手の内に彼の霊を縛り上げつつあったのである。

この悩みの日の後大いなる救いの喜びが来た。
その時彼の心の有様は、
涙をもっていうより外に現す事が出来ないと書いた程大きなものであった。

希望の焔は再び高く燃え1834年2月21日には、
過ぎ去った年よりもさらに高い精神の状態に進む事が出来た。

このように彼が其の道に悩まされていた時にも神の御手は働き、
聖書学校の世界的福音宣伝の計画も進みつつあった。

彼は自らが宣教師として外国に行く事が出来ないとしても、
多くの助けと指導とを与えることを考え、
また子供と大人とのために福音を教え、聖書を広く頒布しようと考えた。

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