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ボブ・ディランの詩の世界コミュのLove Minus Zero, No Limit

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http://www.bobdylan.com/us/songs/love-minus-zero-no-limit

My love she speaks like silence
Without ideals or violence
She doesn’t have to say she’s faithful
Yet she’s true, like ice, like fire
People carry roses
Make promises by the hours
My love she laughs like the flowers
Valentines can’t buy her

僕の彼女は沈黙のように話す
理想もなく暴力もなく
誠実だと言う必要もないが
彼女は氷や炎の様に真実だ
人々はバラを持ってきて
時間単位の約束をする
僕の彼女は花のように笑う
バレンタインでも彼女を買うことはできない

In the dime stores and bus stations
People talk of situations
Read books, repeat quotations
Draw conclusions on the wall
Some speak of the future
My love she speaks softly
She knows there’s no success like failure
And that failure’s no success at all

安売りの店やバス停で
みんなが状況について話をする
本を読み引用を繰り返す
結論を壁にかく
未来の話をする者もいるが
僕の彼女はやさしく話す
失敗のような成功はないし
失敗が成功であるはずはないことを
彼女は知っている

The cloak and dagger dangles
Madams light the candles
In ceremonies of the horsemen
Even the pawn must hold a grudge
Statues made of matchsticks
Crumble into one another
My love winks, she does not bother
She knows too much to argue or to judge

陰謀劇がつきまとい
ご夫人方はロウソクに灯をともす
馬に乗る人の式典では
人質さえもが恨みを抱く
マッチ棒でできた像が
もろくもくずれる
僕の彼女は見て見ぬふり
何も気にしてはいない
議論や裁きをするのには
彼女は知りすぎている

The bridge at midnight trembles
The country doctor rambles
Bankers’ nieces seek perfection
Expecting all the gifts that wise men bring
The wind howls like a hammer
The night blows cold and rainy
My love she’s like some raven
At my window with a broken wing

真夜中の橋は震え
田舎の医者は徘徊する
銀行家の姪たちは完璧を求め
賢者の進物を期待する
風はハンマーのようにうなり
冷たい雨の夜が吹く
僕の彼女はカラスみたいだ
傷ついた羽とともに僕の家の窓にいる



コメント(7)

たしかにシンプルながら、とても美しい曲ですね。

ディランの詩の片桐氏訳は割と素直で全体にはまずまず良いとは思うのですが、個々の訳語を選ぶ時に、詩的におさまりのいい言葉、格好の良い言葉をちょっと強引に選ぼうとしすぎるんじゃないかと感じることはあります。

In ceremonies of the horsemen
Even the pawn must hold a grudge

片桐氏の訳では、

騎士の儀式で 歩兵さえもがうらみをいだく

「騎士と歩兵」とすれば、たしかにおさまりはいいですし、おそらくはチェスからの連想なんでしょうが、両方ともちょっと無理があるように思うのです。

リーダーズ辞典では、

horseman
乗馬者、騎手、馬乗り;馬術家;馬を飼育する人

これで、「騎士」と訳すのは、ちょっと強引だと思いますし、チェスの騎士ならknight のはずです。

pawnは、
pawn(1)
((動産の))質;抵当物、質物、人質;入質

pawn(2)
[[チェス]]ポーン;人の手先

「人の手先」と訳すことは、考えられますが(そして魅力的ですが)、pawnから歩兵という訳は直接は結びつきにくいと思うのです。「将棋で言えば歩兵だろ」というのは、日本人の発想であって、ディランにとっては知ったこっちゃない話ではないかと…

あとたいへんに偉そうな言い方ですが、片桐氏の訳から時々、知識不足というか調査不足というか、ちょっとやっつけ仕事的なものを感じることもあります。まあ、ディランの詩だけでも大量にありますし、他のお仕事ももちろんあるでしょうから、そんなに手をかけてもいられないという事情かもしれませんが。

上記の節のすぐ前の、
cloak and dagger
片桐氏は、「マントと短剣」と訳されていますが、
「cloak and dagger」で
陰謀(劇)の、スパイものの;スパイ活動の

という意味があります。まあ私も辞書を引いていて、たまたま見つけただけなんですが、辞書を引けば目に入ってくることじゃないかと思うのです。


関係ない話ですが「dime stores」
…「100円ショップ」と、よっぽどしたかったです。
自重しましたが。
語源辞典ですか。知りませんでした。面白いですね。ブックマークしておきます。ありがとうございました。

ネイティブスピーカーが、"pawn"から、どういう意味を連想するのかは私も想像することしかできません。「質」「人質」以外の意味だとすると、日本人が「桂馬」や「香車」から将棋の駒しか浮かばないように、"pawn"と言われてもチェスの駒しか浮かばないんじゃないかと、想像しました。そういうことを気軽に質問できるネイティブスピーカーが身近にいれば便利なのですが。

私も2ヴァース目からは、1960年代当時の、3ヴァース目からは中世の雰囲気を強く感じます。これはもう訳うんぬんの問題ではなく、ディランがわざとそういう言葉を選んでいると思います。

その意図はちょっと分かりません。まあ、単に色んなイメージをつむぎだして遊んでいるだけなのかもしれません。

詩を読む方の人間にも、「この詩には隠された意味があるのではないか」と色々考えたがる人と、「まあ、いいじゃん。面白いし。考えても分からないよ」と深く考えない人がいる様な気がします。私はどちらかと言うと後者です。

考えてみたら、この曲のタイトルも謎ですね。単に「限りなき愛」くらいの意味なのかなあ。
The cloak and dagger dangles のところが難しいです。何をぶら下げるのでしょう。
「スパイ劇が幕をおろして」というような意味なら、前後とつながりやすいような気がしました。
F・ヨシカズさん

ディランの私生活のことは、あまり知らなかったのですが、なるほど、綺麗な人ですな。
"Blood on the Tracks" にやたらと多い、失恋の歌もこの人との破局にからんだものらしいし、そのものずばりの'Sara'という曲もあります。そう思うとディランの創作にかなり貢献していますね。


Kazistさん

danglesはどう訳したらいいのか難しいですね。でも多分、この単語のベクトルは「幕をおろす」とは反対方向に向いているようには思います。いつまでも幕をおろさずにくすぶっている…という様な。

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