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ボブ・ディランの詩の世界コミュのSimple Twist of Fate

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http://www.bobdylan.com/us/songs/simple-twist-fate
Blood on the Tracksに収録。

この歌詞はディランのものとしては、分かりやすいですね。

They sat together in the park
As the evening sky grew dark,

きれいに韻を踏んだ静かな歌い出しです。
失われた愛の歌。どうも、ディランの愛の歌は失われた愛について歌うものが多いですね。「彼女と俺はラブラブだぜ、イエー」みたいな詩は間違っても書きません。

People tell me it's a sin
to know and feel too much within.

最後の方のこの一節も悲しいです。

コメント(10)

二人は公園で寄り添いすわっていた
日はそろそろ暮れようとしていた
女の視線から男は閃光が骨を刺すのを感じた
その時突然、孤独を意識し、真っすぐ進んでいられたらと願った
そしてちょっとした運命のねじれに気をつけた

二人は古い運河ぞいに歩いた
少し混乱していたのを、よく覚えている
それからネオンの明るく輝く奇妙なホテルに入った
男は夜の熱が貨物列車のように自分にぶつかるのを感じた
ちょっとした運命のねじれとともにぶつかるのを

女がアーケイドを歩いている時
どこか遠くからサキソフォンの音がきこえた
よごれたブラインドごしに差しこんだ光で男が目を覚ました頃
女は門にいた盲目の男のカップにコインを投げ入れた
そしてちょっとした運命のねじれのことは忘れてしまった

男が目を覚ました時、部屋には誰もいなかった
女の姿はどこにもなかった
男は気にすることはないと自分に言いきかせて、窓をいっぱいに押しあけた
自分の内面が虚ろなのを感じたが
そのことをちょっとした運命のねじれのせいにすることはできなかった

男は時計がカチカチと音をたてるのをきいた
言葉を話すオウムを連れて歩いた
船乗りたちがやってくる波止場で女の姿を探した
女がまた自分に目を向けるかもしれないと思った
もう一度ちょっとした運命のねじれがくるまで
どれだけ待たないといけないのだろう

あまりに深く知ることや感じることは罪だと言う
今でも彼女が自分のかたわれだと信じているが、指輪はなくしてしまった
彼女は春に生まれたが、俺が生まれるのはあまりにも遅すぎた
ちょっとした運命のねじれのせいにするには
He hears the ticking of the clocks
And walks along with a parrot that talks

何でもいいから音が聞きたい
誰とでもいいから話がしたい

…そんな感じでしょうか。
なるほど、音楽的内容と詩の内容がリンクしているということですか。なんちゅうか、知的な意見です。私もそういう格好良いことを言ってみたい(笑)

私もこの曲のコードを調べてみたことがあるのですが、
頭のコードが、EでE(E)-E(D#)-E(D) とおりていく、クリシェ。そこから、A-Am と同じ高さのメジャーコードからマイナーコードへという、荒わざ! すごく印象的なコード進行だったのを覚えています。それにしても美しくも、切ない曲です。

こういうシンプルそのものの構成はディランの曲ではおなじみのものです。ハーモニカは、この曲の様に中間と最後に入るか、または最後だけというパターンが多いと思います。

だからもし、歌詞がまったく分からずにこういう曲を聴いていたら退屈でしょう。その点が歌詞が分からなかったとしても、それなりに楽しめるビートルズとは違うし、日本での人気の差になっている様に思います。まあ、THE WHO なんかも日本と海外との人気にはずいぶんと差がありますし、このバンドの場合は歌詞の問題はそれほど関係ない気がしますが。

この曲も私はそれこそ何十年も親しんできた曲ですが、今度訳してみて、あらためてこの詩の切なさが身にしみた気がします。具体的には特に>2に書いた、

He hears the ticking of the clocks
And walks along with a parrot that talks

の部分です。


あと3ブロック目は、訳してみてはじめて、そういう意味だったのかと分かりました。

A saxophone someplace far off played
As she was walkin’ by the arcade
As the light bust through a beat-up shade where he was wakin’ up,
She dropped a coin into the cup of a blind man at the gate
And forgot about a simple twist of fate

歌詞カード(片桐氏訳)は、
***
サキソフォンがどこか遠いところで鳴り
彼女はアーケードをあるいていった
日光が古い影からあふれ
彼は目がさめた
彼女はコインをひとつ
門のところの目の不自由な人のコップにおとし
運命のほんのひとひねりを忘れた
***

beat-up shade = 古い影 というのが何のことかよく分からなかったのです

上記の私の訳は
***
女がアーケイドを歩いている時
どこか遠くからサキソフォンの音がきこえた
よごれたブラインドごしに差しこんだ光で男が目を覚ました頃
女は門にいた盲目の男のカップにコインを投げ入れた
そしてちょっとした運命のねじれのことは忘れてしまった
***

多分、この解釈であっていると思うのですが、
beat-up shade = よごれたブラインド ですな。
これはあとの、blind man at the gate のblindとかけられていると思います。

二人はstrange hotel (多分、日本のラブホの様なイメージ)に投宿したんだけど、朝早く、男がまだ寝ている間に、女は出て行ってしまった。二つのasで「女がアーケードを歩いている時とサックスがきこえてきた時」、「男が目をさました時と女がコインを投げ入れた時」の同時性を表し、「アーケード→門」で空間と時間の進行を感じさせる。うまい詩だなと思います。
ディランの音楽のルーツ…あまりちゃんとしたことは知らないのですが、やっぱりブルースやカントリーなどアメリカのいわゆるルーツ・ミュージックじゃないかと思います。

それから、'Song to Woody' という曲も書いている様に、ウディー・ガスリーから大きく影響を受けているようです。と言いつつ、私自身はウディー・ガスリーについてほとんど何も知らなかったのですが(中学の音楽の教科書で、'This Land Is Your Land'を知ったぐらい)、村上春樹氏が『意味がなければスイングはない』という本の一章でウディー・ガスリーについて、かなり詳しく書かれているのを読んで、なるほどなあと思ったことがあります。

ウディー・ガスリーの音楽はYouTubeにアップされているものを聴くと(便利な時代です)トーキング・ブルース的なものという印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=82fCcaFpDX0&feature=related

ディランも時々、トーキング・ブルース的な曲をやっています。
Another Side of Bob Dylan というアルバムに入っている、’I Shall Be Free No.10’という曲(アップされている動画が見つかりませんでしたが)は、上記のウディー・ガスリーの曲にそっくりです。

こういう曲は、AメローAメローAメローAメロAメロ と延々くりかえすだけです。(そもそもメロディーそのものがないかもしれない) あとはせいぜい、前奏や間奏や後奏が入るくらい。そういうのが、当たり前の世界です。Aメロがあって、Bメロがあって、サビがあるといった構成を当たり前と思っている最近の人とは感覚にずいぶん差があるんじゃないかと思います。


ジャニス・ジョップリンは、その"Me and Bobby McGee"も入っているアルバム、"PEARL"を一時期、愛聴していました。歌詞はあまりわからなかったのですが、"Freedom is just another word for nothing left to lose"という部分は覚えています。私が特に好きだった曲は(多分一番有名な)"Move Over"とアカペラで歌う(というか死去して未完成になってしまった)"Mercedes Benz" でした。”Mercedes Benz” の歌詞は今、見直してももうひとつ分からないところがあります(Color TVのくだり)。考えてみたら、これもサビを持たない曲だなあ。

ロードムービー的な歌というと、まっさきにザ・バンドの"The Weight" が浮かびます。この詩はなかなかのものです。"Simple Twist of Fate"と同じ「BLOOD ON THE TRACKS」アルバムに入っている、"Tangled Up In Blue" もロードムービー的な歌という印象を受けます。


なんだか、とりとめもなく書いてしまいました。すみません。

そうですね。ディランは本当にウディ・ガスリーっぽいです(笑)。初期のディランはそういうアメリカの音楽の伝統を受け継いだ形だったんだと思います。

ディランがギターをアコースティックからエレクトリックに持ちかえた時に、非難ごうごうだったのは、そういう事情もあったんでしょうね。ある種の背信行為の様な。単にフォーク野郎ががっかりしたという以上のことだったんでしょう。

もし、五木ひろしがラップをはじめたらどうなるだろう…別にどうもならない様な気もします。
ディランはこの曲をライブでたびたび取り上げていますが、歌うたびに歌詞は違うようです。

1975年のライブの歌詞をとりあげて、試訳してみました。歌詞はこちらを参考にしましたが↓
http://dylanchords.info/16_bott/simple_twist_of_fate.htm
多少、はっきりしない部分はあります。


**********
They sat together in a park as the evening sky got dark
She looked at him, he felt a spark tingle to his bones
It was then he felt alone and wished he'd gone straight
And watched out for a simple twist of fate

二人は公園で寄り添いすわっていた
日はそろそろ暮れようとしていた
女の視線から男は閃光が骨を刺すのを感じた
その時突然、孤独を意識し、真っすぐ進んでいられたらと願った
そしてちょっとした運命のねじれに気をつけた

He walked along by the old canal, little confused I remember well
Stopped into a strange hotel with a neon burning bright
He felt the heat of the night hit him like a freight train
Moving with a simple twist of fate

男は古い運河ぞいに歩いていた
少し混乱していたのを、よく覚えている
それからネオンの明るく輝く奇妙なホテルに入った
男は夜の熱が貨物列車のように自分にぶつかるのを感じた
ちょっとした運命のねじれとともにぶつかるのを

A saxophone someplace softly played, she was walking on by the arcade
She heard the melody rise and fade the sun was comin' up
She dropped a coin into the cup of a blind man at the gate
And forgot about a simple twist of fate

どこか遠くでサキソフォンが優しく奏でられていた
女はアーケイドを歩いていた
旋律が浮かんでは消え、太陽が昇ってきた
女は門にいた盲目の男のカップにコインを投げ入れた
そしてちょっとした運命のねじれのことは忘れてしまった

He woke up and she was gone, he didn't see nothin' but the dawn
He got outta bed and put his clothes back on, pushed back the blind
Found a note she's left behind to which he just could not relate
All about a simple twist of fate

男が目を覚ました時、女は去ったあとだった
太陽が昇ってくることしか目には入らなかった
男はベッドをでて服を身につけ、ブラインドを引き上げた
女が残していった書き置きをみつけたが
そこからは、ちょっとした運命のねじれとの関係は見いだせなかった

He hears the ticking of the clocks and walks along through the city blocks
Hunts her down by the waterfront docks where the sailers all roll in
Maybe he'll spot her once again, how long must he wait?
One more time for a simple twist of fate

男は時計がカチカチと音をたてるのをきいた
街の通りをあてもなく歩きまわった
船乗りたちがたむろする波止場で女の姿を探した
もしかしたら、また、女を見つけることができるんじゃないかと
もう一度ちょっとした運命のねじれがくるまで
どれだけ待たないといけないのだろう

People tell me it's a crime to know to much for too long a time
She should have caught me in my prime she would have stayed with me
Instead of going off to see and leavin' me to meditate
Upon that simple twist of fate

あまりに長い間、知りあっていることは罪だと言う
女が俺を見つけたのが、俺がもっとはぶりがいいときならよかった
そうすれば彼女はずっといてくれたのかもしれない
俺を捨てて、俺の頭をちょっとした運命のねじれで
いっぱいにさせるかわりに


*************
3つ目のヴァースが、女性の行動の模写に限定されました。
4つ目のヴァースでは、'blind' という単語を明示して、3つ目のヴァースにでてくる、'blind' と関連づけています。意味がより明確になった分、技巧性が減ったように思います。

最後のヴァースは大幅にかわっています。

どっちの歌詞がいいか?

どっちもいいですね。

だからこそ、ディランも色々とかえて歌ってみたいのでしょう。しかし、たいした才能だとは思います。





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