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『世界の肖像』コミュのそのニュースの裏側で…

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「わたしたちは、
 このソマリアの10年間で、
 最悪の惨劇を目撃している」

赤十字国際委員会(ICRC)の
パスカル・ハント(Pascal Hundt)は、
2008年6月4日付の
ニュースリリースの中で、そう語った。

「多くの家族が、
 生きるのに極めて困難な状況におかれている。

 人々は、生き残る闘いに、
 すっかり疲れ果ててしまった。


 戦闘や犯罪の真っただ中で、
 家族のために水や食事を探すのは、
 毎日の試練だ。」



1980年10月18日、
ソマリアの、エチオピアとの国境に近い
アブドゥワク(Abudwak)地区で、
1人の男の子が産まれた。

その子は、ナセフ(Nasteh)と名付けられた。


ナセフが、10歳のとき、
この国で内戦が始まった。

それ以来、ずっと戦争の中で生きることになる。



そんな男の子が目指したものは、
ジャーナリストだった。

男の子は、いつしか青年になり、
フリーランスのジャーナリストとして活動し始めた。

やがて地元ラジオ局の編集主任となった。


また、22歳の時に、
ソマリアの公正と自由な報道、
そして、ジャーナリスト自身を守るための
ソマリア・ジャーナリスト組合(NUSOJ)の
設立メンバーの1人となり、
2004年には、南東支部の支部長に、
2005年、25歳の時に、NUSOJの副代表となった。


そして、
イギリスBBCが、彼をレポーターとして抜擢し、
2006年のアメリカのソマリア空爆以降、
ますます緊迫した状況を、
リアルタイムに伝えるナセフの声が、
世界へと向けて発信されるようになる。


そのときの様子を、
BBCの同僚セレステ・ヒックス(Celeste Hicks)は、
次のように語っている。

「ほんとに驚いたわ。
 彼は、教育システムが崩壊した国で育ったのに、
 英語で、堂々と、次々に報道していたわ。」



内戦と暴力が悪化し、
国連や国境なき医師団といった支援団体への攻撃
メンバーの殺害といった状況下で、
外国のメディアが入れない場所で、

ナセフは取材を続け、
また、NUSOJの副代表として、
ソマリアのジャーナリストたちの活動を守る活動を続けていた。



今年、2008年6月7日、夜の7時頃、
ナセフは、いつものように家路についた。

すると、自宅の前で、
2人の男たちが後ろからやってきて、
ナセフの名前を呼んだ。

ナセフが振り返ると、
男たちの手にはピストルが…。


ナセフは、胸や腹を撃たれ、
10分後、病院に運び込まれたときには、
もう、彼は死んでいた。



誰が犯人なのかは分かっていないが、
これが普通の犯罪ではなく、
ジャーナリストをターゲットにした
意図的な犯罪であると、
多くの人は考えている。


しかし、ソマリアは、内戦の中、
政府は崩壊し、
犯人を捕まえる警察も、
犯罪を裁く司法システムも存在しない。



戦場のような危険な場所をレポートする職業、
ジャーナリスト。

そんな彼らのことを、
「命知らず」のようにイメージする人も
いるかも知れないが、
実際には、「取材が命より大切だ」と
そう答えるジャーナリストは
ほとんどいないだろう。


どんな危険な状況を取材していても、
やっぱり自分の命を守ることは忘れない。

第一、死んでしまったら、
「伝える」ことができない。



ナセフ・ダヒル・ファラウ
Nasteh Dahir Faraah
享年27歳

妊娠したばかりのイディル(Idil)さんの夫であり、
生後10ヶ月の男の赤ちゃんム
ハマド・シディク(Mohammed-Sidiq)くんの
お父さんだった。



「もし、世界が違ったら、
 彼は、優秀な若手ジャーナリストとして
 活躍したことでしょう。」

BBCの同僚セレステ・ヒックスは、そう語っている。



この10年間、世界では、
分かっているものだけでも、
毎週2人のペースで、
戦場のジャーナリストが死んでいる。

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関係リンク
BBC
BBC Somali journalist remembered
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/7446704.stm

NUSOJ
Report on Assassinated Leader: Nasteh Dahir Farah
http://www.nusoj.org/123/report-on-assassination-of-nasteh-dahir-farah

BBC
Somali BBC contributor shot dead
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/7442181.stm

アルジャジーラ
Many killed in Somalia clashes
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/5BEC1421-F000-4492-B6AC-E3FAB8E8521B.htm

CNN
Leading Somali journalist slain
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/africa/06/07/somalia.journalist/

allafrica.com
Somalia: Call for International Efforts to Make Journalism Safer Following Assassination of Union Leader
http://allafrica.com/stories/200806160473.html

-----------
『世界の肖像』より
ソマリア関連
「せめて、わたしの腕の中で、死んでいって欲しかった。」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=31252065&comm_id=1808806

世界の大切な海と、忘れられる人々
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27521243&comm_id=1808806

「今まで、考えたこともありませんでした。」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=17725259&comm_id=1808806

夢の海外旅行
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16878826&comm_id=1808806

船が来た!
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=304478725&owner_id=5766188


ジャーナリズム
ペンは剣よりも強し
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=268873843&owner_id=5766188

真実はどこだ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=263576710&owner_id=5766188
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写真
ナセフさん

コメント(18)

本当に嘆かわしいことです。

真実を伝える要の人間を失い続けるのでしょうか?

ジャーナリズムさえ、権力に屈しなければならないのでしょうか?

考える事すら許されないのでしょうか?
戦場のジャーナリストのおかげで命を救われた人は何千人といると思います。
私たちは自分だけでは情報を手に入れることができない。
世界で争いが続く限り彼らの報道に終わりはない。
彼らの魂も癒えない気がします。
世界の人々に残された課題だと思います。
ジャーナリストがいなければ、その悲惨さを誰もしる事がなく、誰もが自分達と同じくらい幸せだって思うんでしょうか。世界で何がおこってるなんて事もどうでもよくなったりするんでしょうか。。。。
「マイティハート」のダニエル・パールのことを思い出しました。

報道ジャーナリストの宿命かもしれませんが、
ご本人の無念さや残された家族のことを思うと
この残念な結果に胸が痛みます。

平和のために闘った彼は立派であったと思います。
多くのジャーナリストの方々が危険な状況にありますが、
テロや暴力、また権力に屈することなく、
真実のために頑張っていただきたいと思います。

世界人類が平和でありますように。

真実をたくさんの人に伝える役目は、貴い役目。

それを潰そうとするのが軍産複合体であり、
ジジコーであるという事も伝えなければなりませんね。
悲しいですね・・・
まだ27歳と言う若さで・・・。
戦場と言う場所がこの世から無くなる事はないのでしょうか。
人間と言う生き物はもっと素晴らしい生き物のはずなのに・・・。
悲しいです。

そして、いつも貴重なお話ありがとうございます。
ジャーナリスト
あんまり考えたことなかったけど、かっこいいと思いました

彼の命を奪った社会に 生かされて
その社会を 自分も支えている一人やと
忘れてはいけんと感じました
真実を伝えることばかりか、真実を知ることが命に関わる場合もありますよね。

そんな時、
悲惨な現状をやり過ごせる人や、真実から目をそらしても平気な人、
平気ではなくても、その方が楽だと思う人、諦めてしまう人がいますよね。

そんな、たくさんの選択を迫られる場所が、世界にはたくさんあるのが現実です。

悲しいことですけど、彼は、やはり伝えずにはいられなかった人だったと思います。
日本でも、命までは奪われなくても、真実を語っただけで職や家族など大切な物を一瞬にして失う人はたくさんいますよね。
自分に正直にありたい、わだかまりなく生きたい…それには勇気が必要なんだと深く感じます。
貴重な情報をありがとうございます。

言葉を紡ぎだすことが、武力に対する唯一の抵抗だと思っています。
誰もが世界中に自分の言葉を伝える「手段」は整ってきましたが、
誰もが言葉を紡ぎだせるわけではない、ということを改めて考えさせられました。
 今月11日に米国下院でブッシュの弾劾決議が大差で決議されたことを、どれだけのメディアが報道しただろうか...

 日本でも、米国でも、もはやマスメディアはその機能を停止しているといっても過言ではない。

 権力にとって”不都合な真実”は闇に葬られ、当たり障りのない話題ばかりが報道される。

 情報操作に操られる大衆でいれば、命に危険が及ぶことはないが...

 ひとたび真実に気づいたとき、監視と脅迫のプレッシャーの中にいる自分に気付くだろう。

 それでも敢えて声を発し続けることができる人は極めて僅かしかいない。

 脅迫の標的にされるのは、本人よりもむしろ親・配偶者・子供達だから。

 そんな社会に我々は生きている。

 ジャーナリストが殺され口を封じられているのは、途上国だけに限られたことではない。

 むしろ情報を操作されていることに気付きにくいここ日本の方が、欺かれ操られる危険は大きいかもしれない。


 
知り合いのジャーナリストの方が
『この仕事はどこへ行っても嫌われる』と言っていました。

人が何人亡くなった、
金品が横領されているなど良いことを報道することは少ないと思うので、
多くの人が職としない世界で情報を収集しようと切磋琢磨し、
進んでいることは本当に凄いことだと思います。

世界にはたくさんの矛盾した問題がありますが、
せめて命の重さだけは平等にあってほしいです。
思ったより少ないですね。

行きたくてもさまざまな理由で行けない地域・国家があるのでしょうね。

オスカー候補作品の監督がリビア内戦で取材中に死亡
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1577717&media_id=100

アフガニスタンの兵士を追った戦争ドキュメンタリーで、第83回アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞にもノミネートされた「レストレポ〜アフガニスタンで戦う兵士たちの記録〜」(10・未)の監督ティム・ヘザリントンが20日、取材先のリビアで死亡した。

 ニューヨークタイムス紙ではヘザリントンは内戦の続くリビア、ミスラタの前線で取材中に砲撃に巻き込まれたと報じている。行動を共にしていたゲッティイメージズ専属カメラマンのクリス・ホンドロス氏、ガイ・マーティン氏らも重傷を負った。

 ヘザリントンは英国出身の戦場ジャーナリスト。オックスフォード大学で文学を専攻した後、フォトジャーナリズムを学び現在はニューヨークを拠点に活動していた。米政府はリビアで取材を行う外国人ジャーナリストの保護を訴えている。

 ヘザリントン、セバンスチャン・ユンガー共同監督の「レストレポ〜アフガニスタンで戦う兵士たちの記録〜」は、ナショナルジオグラフィックチャンネルにて5月30日に放映される予定。

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