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2024年04月15日09:58

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4月12日 「赤線地帯」見る

この日は、初めて、溝口健二の56年の遺作を見ました。
世界で一流の映画監督が、売春婦を描くという映画ですが。
5人のそれぞれ個性的な娼婦たちによる、ちょうど売春が法的に禁止される頃の話で。
まさに売春防止法が施行されるタイミングで、映画が製作されたタイムリーな作品。
社会の底辺で生きる女性の悲しい姿を描いた溝口健二の真骨頂で、社会派映画としてのリアリティーを感じました。
5人の娼婦を中心とした人間ドラマはさすが面白かったけど、でもいつもの溝口健二映画のように最後は感動しないのですね。「五番町夕霧楼」という売春婦の映画は、売春婦たちは借金などで普通に生きられない悲しい女性たちとして描いてましたが。
この映画は、三益愛子が息子に軽蔑されて発狂したり、木暮実千代が家族の為に一生懸命働いているのに夫は自殺したりするシーンがありましたが。
メインの京マチ子は、父に軽蔑されても、明るく生きてますし、若尾文子もお金を騙し取ってビジネスを始めてますが、恨みを買わないはずがありません。
そんなに他に売春婦だから社会で軽蔑されて可哀そう、という印象を受けませんでした。
もっとそれぞれの女性たちは酷い目に会わないと、売春を否定する映画にはならなかったと思います。
最後も、生娘に売春をさせるという新しい門出で終わってるのは、売春を否定しきれてない、と感じました。
今の時代なら、未成年に売春をさせる沢村貞子は、完全に悪人扱いになりますね。
溝口健二にしては、普通の映画です。
溝口健二を深く知りたい方には良いと思います。
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