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2024年03月31日22:39

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現代の観客のコンテンツニーズへまるで対応できていないアメコミ映画 『マダム・ウェブ』

現代のエンタメは早々にセールスポイントをしめさないならない。本作はアメコミ映画。コスチュームヒーローが特殊能力と魅力ある活躍でヴィランと対決する必要がある。 *1 だが、本作は、その見せ場をまったく続編へと送って失敗した。

現代において最初にセールスポイントをしめせないコンテンツに次は“ない”。*2

マダム・ウェブは未来予知能力を持つスパイダーバースの参謀役・探偵役だ。*3

ニューヨークに住むカサンドラ・“キャシー”・ウェブは救命士である。彼女の母親と因縁を持ち、同時に未来予知能力を持つエゼキエル・シムズは、いずれ誕生するスパイダーウーマン3人に殺害される未来を見る。

シムズは破滅を回避するため3人の殺害を計画。キャシーは未来のスパイダーウーマンを守る中でマダム・ウェブの力に覚醒する。

シムズの未来予知映像――スパイダーウーマン3人の活躍は冒頭短く映像化される。なら、この展開を本作の最終対決に接続すればよかったのだが、監督と制作はそんなことをまるで予知できなかったようだ。*4

物語自体はつまらなくはない。

やや無理かつインスタントな部分はあるが、キャシーが予知能力を駆使し、未来を改変・修正してシムズと対決する全体の展開はよいし、ジュディ、マディ、アーニャたちスパイダーウーマントリオのかけあいもよい。

キャシーをふくめ彼女たちがヒーローらしく活躍できていたらだが――。

現代の消費者たちは待たない/待てない。


※1 主役がヒーローを象徴するコスチュームを着て、特殊能力を使い、敵対するヴィランと戦う事はヒーロー作品のもっとも基本の要素だ。実際この要素がかけたアメコミ作品はいままでなかった。本作まで――。

※2 たとえば以前はテレビアニメを「3話まで視聴する」というのが(冗談でも)視聴者たちの語り草だったが、現在は1話の時点でおもしろくなかったり、物語の立ち上がりが遅ければ、原作ファンたち以外は容赦なくきってしまう。映画も一緒で、続編を想定していようと(そうして本作は続編を確実に想定していたのだろう)、最初の時点で全力をださないと観客らは容赦なく低評価(バッド)をたたきつける。正直、この素人でもわかることを製作が共有していなかった事実がよくわからない。

※3 くわえて共通しているのはマダム・ウェブが肉体に障碍を持ち/受け、身体の自由がきかないハンディキャップを抱くヒーローであることだ。本作だと、その原因と結果は最期に彼女へしめされる。

※4 どうしてそうしなかったのか? まったく理解できない。3人のスパイダーウーマンらはそれぞれが特殊な能力と武器を持ち活躍する。コスチュームを着用せずともよいのでエゼキエルとヒーローらしい対決をさせればよかったのだ。
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