『中島みゆき「夜会」vol.20 リトル・トーキョー』
<ストーリー>
北海道のとあるホテル。厳冬のために一時的に閉鎖されたホテルの支配人でもあるアンヌはその中にある小さなライブスペースのリトル・トーキョーで歌う歌手と共に春を待っていたが・・・
<コメント>
2019年の1月から2月まで上演された中島みゆきの原作・脚本・作詞・作曲・演出・主演による歌を主体とした舞台「夜会」の第20回の記録を劇場版にしたもの。
特別上映だから料金が2600円均一であるとか、さすがに5.1chによる劇場版だけあって音響がすごいとか色々あるけれども、こんな作品が奈良の複数の劇場で延々と上映されているのはやっぱりコロナによるソフト不足のせいかもしれないけれども見られるならこれは素晴らしい。
さて、さすがに中島みゆきが全てを作っているだけあってやはりなによりも歌が中心。だからかストーリーはちょっとイマイチな部分がある。例えばミステリ仕立てであるので、セリフに「行方不明のお姉さん」などという言葉が出てくるとそれに反応してしまうのに、そういった伏線があまり生かされているとも思えない。途中から物語の展開が劇的に変わるのだけれども、別の種類の作品になってしまっている。
しかし、その代わりに歌のパワーは凄い。最初は少々抑え気味だったけれども、中盤からどんどん盛り上がってきてクライマックスにはもう感動しかないほど震えっぱなしだった。
これはあれだな、うん、大まかなストーリーを考えた後で歌を作ったものだからストーリーの弱い後半を歌の力業で抑え込んだところかな。とにかく後半はすごいとしか言いようがないし、もしも出来たら次の夜会には実際に行きたいなあ。
《中島みゆき 夜会VOL.20 「リトル・トーキョー」−劇場版−》
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