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2020年01月08日05:45

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スターリニスト中国の対香港責任者、王志民が更迭される

 哀れ、スターリニスト中国の中堅幹部よ――国務院が4日、香港出先機関トップの王志民(写真)を解任し、後任の同主任に前山西省党委員会書記の駱恵寧を充てると発表したニュースで、そう感じた。

◎下から上に情報を上げるにつれて歪められる正しさ
 王の解任理由は、6月に香港で大規模デモが始まって以来、香港の情勢分析を中国政府に正しく伝えていなかったから、とされている。実際、王の更迭論が香港のメディアで報道されていた。
 「哀れ」と感じたのは、保身の関係上、党指導部に都合の良い情報しか上げられなかったからだ。
 かつてのソ連と同様、いやさらに共産党支配の中国で顕著になったが、スターリニスト中国の党・政府の構造上、下が収集した情報は、党・政府によって都合の良いものしか上に上げられず、その上は情報をさらに改編し、さらに上に上げる。
 こうやって党・政府の中枢に香港情勢が届く頃には、デモは外国政府からカネで雇われた一握りの反党分子が指導し、民衆は騙されてそれに乗り、しかも参加者はごく少数の不満分子だ、という、スターリニスト中国の公式声明のようになる(写真=今も続く香港の大衆デモ)。

◎香港情勢を正しく読めなかった「情報オンチ」たち
 習近平らの周辺は、それに注意を喚起させるほどの側近はいないから、そのとおりに認識し、無謬の共産党に反抗するゴロツキの盲動と考え、弾圧を香港当局に強制する。
 かくて昨年11月の香港区議選のような、民主派が95%もの議席を獲得して圧勝、という事態を招いた(19年11月27日付日記:「香港区議選で山が動き、共産党政府によるウイグル族弾圧の重要機密文書も流出」を参照)。
 この結果は、林鄭月娥の次の行政長官を選ぶ間接選挙にも影響する。悪くすると、スターリニスト中国の意に反した民主派寄りの長官が登場するかもしれない。
 こうしてスターリニスト中国は、やっと間違いを認識したようだ。
中国当局はすでに香港政府関係者や親中派の政治家などを同センターに呼び出して情報収集しているとされ、中連弁の役割が縮小する可能性も取り沙汰されている。

◎スターリニズムへの拒否感は変わらず
 香港では1月1日の新年にも、100万人規模の大デモが行われ、またも香港警察は一部の学生たちの弾圧を行い、約400人を逮捕した。犠牲者は増えるが、弾圧してもデモは収束しない。
 スターリニスト中国の苛立ちは募っており、王志民の解任は、その表れだろう。しかし王志民をスケープゴートにしたところで、スターリニズム支配への香港市民の拒否感は和らぐことはない。
 スターリニスト中国への恐怖感、警戒感は、来る11日に予定されている台湾総統選でも圧倒的な形で示されるだろう。

注 GREEによる容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「酒があまり好きではない僕のイスラムでの思い出とアルコールの人類史」

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