重ねてみちゃうよね

大阪で夫婦漫才の重鎮といえば宮川大助花子である。
私が幼い頃からテレビの漫才番組にトリとして
出演していたのを見てきた。

舞台の上では花子さんがおとなしい旦那の大助さんを
口で言い負かす感じのしゃべくり漫才なのだが
実は実生活では大助さんのほうが亭主関白なんだそう！
何度か離婚危機もあったみたいだけれど
それを乗り越えて現在の持ちつ持たれつの関係を維持しているとのこと。

そんな花子さんが、半年前から休演しておられ
何かなと思ったら、全身にガンの腫瘍があるということだった。
このお二人はテレビで見ることは少なくなったものの
毎日のようになんば花月に舞台に出演していた仕事人。
もしかしたら花子さんの体に負担がかかっていたのかもしれない。

今までずっと闘病の事実を隠しとうして来た
のは周りに心配させたくないからだと思われる。
会見で車椅子で登場されたのだが、元気に振る舞って
はいらっしゃるものの、がん患者の看病をしていた私には
この状態がどのあたりにあるのかなんとなく察してしまう。

リハビリされているということであるが
おそらく以前のように長時間舞台に立つことは
もう不可能なのではないかと思う。
本人はまだ漫才をやりたいという意思が強いから
おそらく車椅子でも漫才を続けると思うけれど。

そういえば花子さんの年齢がまさに母親の年齢と
同じだった。
車椅子の座っている姿が母親の姿と重なってしまい
どうしても嫌なことを考えてしまう。
たぶんお医者さんも余命についての説明をしているとは
思うのだが、それを感じさせないように元気に
振る舞っているのは花子さんの人を笑わせる仕事人としての
ポリシーなんだろうなと思った。

どうか一日でも長く漫才を続けていただければと思う。