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2023年03月29日23:44

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3/29 池袋演芸場下席昼の部 

 池袋の3月下席恒例「落語協会新作台本祭り」の九日目を鑑賞。お正月とお盆のプークは見るけれど、この「新作台本祭り」に行くのは今回が初めて。さぞや毎年協会の台本募集に応募しているようなコアな落語好きでにぎわっているのかと思ったら、開演時の入場者数20人前後が終演までほぼそのまんま。若干出たり入ったりという程度の少し寂しい客入りだった。入場口で飲食可能を確認して、久しぶりに席で食べるおにぎりが嬉しい。マスクの着用も個人の判断なのだろうが、さすがに誰も外さない。上手後方にやたらせきこむ人がいたのにも過剰反応してしまう。

●前座 松ぼっくり「饅頭こわい」
 志ん陽のお弟子。見た目やせてちょっとナイーブな感じだが、身振り大きく伸び伸びと演じる。後から出たわん丈が「自分の名前は師匠の犬の鳴き声から取られた、松ぼっくりさんも(そういう名前がついた)何か理由があるのでしょう」と云っていたが、松は師匠も前座名朝松だったし、可愛い、覚えやすい名前で良いじゃないか。

●わん丈「お裁きしたい」
 まずは全国若手落語家選手権優勝の報告。落語の方は「もしも大岡越前が花魁を身請けしたら・・・」というif設定もの。女性の演じ方は喬太郎あたりを手本にしている感じ。でもこの人は別に無理に新作やらなくてもいいんじゃないの、としか。

●和泉「冷蔵庫の光」
 確かにドレッシングには一瞬料理の味をグレードアップさせるマジックがある。でも、そのマジック、まるまるひと瓶分は続かないんだよね・・・。家に帰ったら早速冷蔵庫を掃除しようと思わせる啓蒙落語。

●文雀
 大家が無学な店子連中を集めて、歴史や地理、算術を教えようとする。五代目柳亭燕路の作だそうだが、以前の独演会演じていた同じく五代目作の「抜け裏」も大家が店子を集めて・・・という、ほぼ似たような始まりだった。

●紙切り 八楽
 紙切りになってから初めて見た。WBCで、どこの寄席でも大谷をリクエストされることが多かったそう。

●正雀「一文笛」
 とてもよく出来た噺なので、長らく米朝が復活させた上方の古典かと思っていたが、米朝作の噺だったのか。改めて聞くと一文笛ってどんなものなのか。今の駄菓子で云うなら、吹けば伸びたりくるくる巻いたりする紙笛かしらん。

●彩大「道具屋」(改作)
 「落語界のメッシ」の挨拶がいまいち今日の客にはハマらず、「勝新太郎の若いころ」で、「ああ〜」と客席。メッシを名乗るには、ちょっと貫禄が付きすぎちゃったようだ。今の世の中、落語といえどもコンプライアンス的に与太郎噺はまずいかも・・・とマクラをふって、与太郎を現代のとっぽい兄ちゃんに翻案。フリーマーケットで昔ギャルだった熟女にポケベル、鉄道オタクに改札鋏を売りつけようとするが・・・という噺。

<中入り>

●歌実「川路のキンゴロ」
 冒頭「話題の円歌一門で・・・」と挨拶するが、どうでもいいです。師匠と同じ路線で同郷の偉人・川路利良を取り上げた新作落語。入門が若くて、しかも上下関係厳しい警察官出身だからやっていけたのかななどと思ってしまう。鹿児島実業出身で歌実?

●小きん「夫婦やもり」
 師匠のつばめが・・・と仰るので、あれ権太楼や清麿と兄弟弟子?じゃないよね?と思ったら、六代目つば女のご子息だったのだな。

●奇術 夢葉

●小せん「コブシーランド」
 演歌のテーマパーク、コブシーランドに足を踏み入れたカップル。最初は乗り気でなかった彼も、彼女に促されて徐々にその魅力にハマっていく・・・。これは以前も聞いているから、今年の応募作品ではないのでしょうね。とはいえこれ、全編歌い続けなければならないから、小せん以外の人にはなかなか難しい落語ではなかろうか。市馬でいける選曲でもないしねぇ。歌好きな噺家はほかにもいるだろうが、小せんの教科書的な歌い方が、テーマパークキャストっぽくて妙にマッチする。
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