そして私は、出会ってしまった。
藤戸の作品を堪能した後、店内をいろいろ見て回っていると
ふと目に留まった作品があった。
オオカミだ。
何年か前に旭山動物園に行った時、
オオカミがまだ集団をなしていて、
ボスは集団を引き連れ岩場を行ったり来たり、
ボスの威厳、野生の目の鋭さに惹かれてしまい
ずっと見入ってしまった。
子どものときに読んだ小説に、
子どもへのクリスマスプレゼントに、
オオカミを盗むというのがあった。
それ以来オオカミが気になっている。
そのオオカミの彫り物が目の前にある。
いい顔をしている。
欲しい。
しかし待てよ、どこに飾るんだ?
今は断捨離を始めているではないか。
値段を見る。
まぁちょっとした値段だ。
でも製作日数から考えると、安い物だろう。
などと躊躇していると、
後ろから背中を押す人がいる。
かみさんだ。
「欲しいんだったら買っちゃいな」
あぁ、その一言で私はクレジットカードを出していた。
家に帰り玄関を守るように吊ると
これがいいんだ。
見る度私はニンマリしている。
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