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2022年09月06日00:15

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逢ひ見ての…

 今日は、46年前、ソ連の戦闘機ミグ25(MiG-25)一機が函館空港に飛来した日です。同機のパイロット、ヴィクトル・ベレンコ中尉(ソビエト連邦軍現役将校)が、亡命を求めたのです(ベレンコ中尉亡命事件)。
 事件の詳細については、Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B3%E4%B8%AD%E5%B0%89%E4%BA%A1%E5%91%BD%E4%BA%8B%E4%BB%B6)に譲りますが、棒読みの機械音声が気にならなければ、こちらの動画がよくまとまっています。
https://www.youtube.com/watch?v=indlLj7iKDw

https://www.youtube.com/watch?v=bKuYtk2FMLo&t=48s

 個人的には、当時、すでに日本ではトランジスタやダイオードが一般化していたというのに、ミグ25にはいまだに真空管が利用されていたと聞いて、冷戦下、とてつもない兵器として怖れられていた最新鋭の戦闘機のわりには随分お粗末なことだとびっくりしたことを覚えています。真空管というと、トランジスタ以前のテレビ等に多用され、壊れやすい部品として子供の頃からインプットされていたものだったからです。
 このこともあって、個人的には、この事件は、もう一つ別の理由で印象に残っています。
 確か、週刊朝日だったと思いますが、“パロディ百人一首”という企画があり、そこにこの事件を皮肉って権中納言敦忠(ごんちゅうなごんあつただ)の和歌(逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり)をパロった次のような作品があったからです。

   逢ひ見ての 後の心に くらぶれば
             昔はミグを 怖れたりけり


 ところで、先週は、ソ連の最初にして最後の大統領だったミハイル・ゴルバチョフ氏の訃報が世界中を駆け巡りました。
 どうやら、この人に対する評価は西側とロシアとでは、ほぼ180度違うらしいということも、すでに多くのニュースで伝えられており、ご存知の方も多いと思います。
 冷戦を終結に導いたのは紛れもなくこの人の功績と考えられますし、そのこと自体は、現在この人に対して否定的評価を下している人たちも当時望んでいたことだったと思われます。でも、残念ながら最後には、以前こちらの日記(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982344506&owner_id=22841595)で触れたスラブ民族の美点・長所が災いしたように感じます。
 上掲日記でも触れたように、ゴルバチョフ氏はワルシャワ条約機構を解体したものの、西側にNATOを解体させることには失敗し、NATOの不拡大を確約する書面を作成させることにも失敗しました。多分、ゴルバチョフ氏は、西側がNATOを解体し、そうでなくても拡大はさせないだろうと西側を信じたものと思われます。
 ある意味、いい人過ぎて、ずる賢くなりきれなかったんですね。気の毒です。
 改めて繰り返しますが、冷戦の終結は、久しぶりに未来に対する明るい夢を、一瞬ではありますが、多くの人に見せてくれたのは事実であろうと思われます。それまで“鉄のカーテン”に覆われて見えてこなかった東側の事情がよく分かるようになり、このまま相互理解が進んで世界はより良い方向に進むものと多くの人が思っていたものでした。
 ところが、今次のウクライナでの軍事紛争…。
 今の事態を目にすると、上述のパロディの作者なら、次のように詠むかもしれません。

    逢ひ見ての 後のロシアに くらぶれば
               昔はものを 思はざりけり
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