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2022年07月29日21:11

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国家その1

少し前にKiminonawaさんからおすすめのあった白井聡の「国体論」を入手したので読んでみた。
私は書店で手に取ってパラパラ見て買うのが好きなので、3軒ほど書店を回って探したがいずれも見つからず、ネットで購入した。
「国体論」とついでに「永続敗戦論」という本も購入した。
「国体論」は副題が「菊と星条旗」になっている。
「菊と星条旗」ですぐに思い出したのが昔読んだ「菊と刀」という本だ。しかしもう一度見てみようと本棚を探したが見つからなかった。
「菊と刀」は戦争中アメリカが日本を知るために日本文化や日本人の行動、考え方などを調査分析研究で書かれたものだ。
有名な本なので読んだ人も多いと思う。私がこの本を読んだとき感じたのは”日本のことを良く調べているな、これでは日本が負けたのも当然だ”と思ったことだった。
"敵を知り己を知れば百戦危うからず”という孫子の言葉があるがアメリカはそれを実践し日本はしなかった、ということだ。

「国体」とはなにか、国体=国家体制、国家状態、くにのありかた のことで国民体育大会のことではない。


国体については「国体論」を読んでいただくと賛否両論あるだろうがなんのことだかわかる。

私はまず”国家”とはなにかを考えてみたい。
国家”とはなにか。丸谷才一の「裏声で歌へ君が代」に次のような一文がある。これは以前書いたことがある。
 https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980298947&owner_id=39904538
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 ごく普通には国家は正義をおこなふためにあると考へられてゐる。フランスの自由、平等、博愛にしたってアメリカの人民といふ言葉を3回くりかへす政治論にしたって、ナチス・ドイツのアーリア民族の栄光にしたって、ソビエトのマルクス・レーニン主義にしたって、すべての国家目的である正義をめいめいの好みの言葉で言ひあらわしたものだと要約することができる。しかしこの見解がをかしいといふことは、それぞれの国家がおこなって来た不正と邪悪を思ひ出しただけではっきりしてしまふ。
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 こんな風に考えると、目的らしいものはいちいち打消されてしまふ。とすれば結局のところ国家はただ何となく在ると判断するのがいちばん正しいことになるだらう。
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”国家が実体化するととんでもないことになる”という話は以前にも書いたことがある。

西洋において国家を支えているものはキリスト教である。宣誓式や裁判などのときも聖書に手を置いて誓う。
ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」にも国家と神や教会との関係、個人と神の関係の話が延々と出てくる。
国家と宗教の関係はイスラム圏においても同じだろう。
国家が宗教を内包するのか、宗教が国家を含むのか。
これらの国々ではたとえ国王であっても一信者である。

続く

写真は購入した「国体論」と「永続敗戦論」

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