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2021年09月03日23:52

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青シャツ男はゲームもリアルも救う 『フリー・ガイ』

ブルー・シャツがトレードマークのガイは大人気ゲーム「フリー・シティ」のモブキャラクター。銀行員の窓口係の彼は、あるとき“サングラス族”(プレイヤー)のモロトフ・ガールに一目ぼれ。偶然、ゲームをプレイできるサングラスを手に入れ“自我”を得る。そうしてゲームもリアルも救う。

本作の特徴は現在のビデオゲームに設定を振り切った部分だ。*1

日頃からゲームをする人々にとって「リスポン」「路上に設置してあるアイテム」「クエスト」と「あるある」で一杯。

物語は「フリー・シティ」の制作に、現実世界の主役、ミリーとキーズの技術を盗用したアントワンとの対決ですすむ。当然この過程でガイは自身が作り物と知る。苦悩するガイ。このガイに親友で警官だという“設定”のジョニーは語る。

「なにがリアルなのか?」

このアンサーは現実世界にも通じる解答。感動させてくれる。*2

またガイが人殺しダメ絶対のベビーフェイスなところも好感だ。ガイの行動はゲームへと満ちる暴力性へのアンチテーゼになっている。20世紀フォックスもいまやディズニーの傘下。みんなに良い子になってほしい。

終盤ブレない自我を確立したガイが、ゲームとリアルの変化させるために「第四の壁」*3を超える頃から作品は怒涛の展開に。アントワンが送り出す最終兵器にガイが取り出すアイテムはキャプテン・アメリカの盾にライトセーバーだ。*4 リアルはリアル。ゲームはゲームだという結末も良い。*5


※1 実際のビデオゲームの周辺機器が作中に登場し、海外の有名なビデオゲーム・ストリーマーも多数出演する。このあたりがわかれば、より“たのしい”。反対にこれらゲームの用語やゲームの仕様、有名人・著名人は一切観客に説明されない。このため現在のビデオゲームをプレイしないヒトにはぜんぜんおもしろくないだろう。

※2 だれかのためになにかしてあげることがリアルなのだ。

※3 https://ja.wikipedia.org/?curid=1007255

※4 20世紀フォックスもいまやディズニーの傘下だ。ちなみに本物の初代キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)がカメオ出演してくれる。

※5 ガイへと恋したモロトフ・ガールにガイは「現実に帰り大切な人に会え」とうながす。この「現実へ帰れ/戻れ」のメッセージもいいよな。
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