またしても東京都で緊急事態宣言の発出である。これで、何度目かも忘れるほどで、ワクチン接種も急速に進んでいるのに、もういい加減にしてくれ、という感じだ。
◎ワクチン接種が進んでいるのにこの過剰対応
菅政権は、都議選での「敗北」が東京での新規感染者の増加にあると見て、２３日からの東京オリンピックをできるだけ平穏に迎えようと、無責任なメディアなどの圧力に屈し、戦術的後退を強いられたと言えよう。
ワクチン接種が武漢肺炎収束に向けて大きな効果があることは、新規感染者のうち接種の進んだ高齢者の比率が劇的に低下し、また重症患者も減って、医療危機を招くにはほど遠いことからも明らかで、いわば武漢肺炎は夏の「季節性インフルエンザ」に変容しつつある。
◎腹をくくられよ、菅首相
それでもオリンピック後に控える衆院選を考えると……と、いうことなのだろう。
菅首相は、腹をくくったらいい。確かに過去の安倍政権のもとでのような大勝はできないだろうけれど、過半数を割ることはありえない（そもそも立憲民主党は過半数を占めるほどの候補者を揃えられていない！）。そのうえで、季節性インフルエンザのようにほぼ抑え込んだ段階で、もう１度、解散・総選挙を断行し、憲法改正可能な議席獲得を目指せばよいのだ。
◎イギリスの１０数分の１の感染者数なのに無観客とは
それに合わせて、東京オリンピックは首都圏開催競技は無観客とすることも決定された。プロ野球やＪリーグは最大１万人までＯＫなのに、まるで納得できない。
例えば去る６月末のロンドンのサッカー全欧選手権大会では６万人の大観衆を集め、スタジアムの回りではマスク無しの大群集のサポーターが交歓し、パブリックビューではやはりマスク無しのサポーターがビールを手に観戦していた（写真）。
そのイギリスは、インド型の流行もあり、８日の新規感染者は３万２０６１人だった。一方で日本は、同日で２２３９人と１桁も少ない。
なのに東京は、無観客になる。おかしい、としか言えない。
組織委は、無観客開催でチケット販売収入９００億円を失う。この損失は、一義的に主催者の東京都が負担するが、国へのつけ回しも予想され、いずれは国民負担である。
巨額の建設費となることから国際コンペで通った設計者を替え、それでも巨費を投じて建設した６万人収容の新国立競技場（写真）は無駄になる。無観客なら、開閉会式も郊外の野っ原に移し、そこでやればよい。
◎許せない厚労省の大罪
医療危機とは、そもそも人為的なものだ。
厚労省は、日本医師会会員医師の経営する民間病院に多額の補助金と医療報酬を出して整備させた急性期病床は、武漢肺炎感染者には全く使われず、パンデミックの際は公的病院に過重負担させて、医療危機を招いた。民間病院に、患者を受け入れるよう要請すらしなかった。
またワクチンの確保から接種まで終始後ろ向きで、結果として国内経済停滞を招いた。
この厚労省の怠慢・失政は、国益を害した点で大罪である。武漢肺炎が収束したら、省益優先の厚労省を解体・再生しなければならない（２１年５月５日付日記：「病床不足などウソ！ 全国に余る急性期病床が武漢肺炎患者を受け入れない」を参照）。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記：「札幌の旅（６）：明治・大正・昭和の野外博物館、『開拓の村』を再々訪」
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