あの頃あれが怖かった
小さい頃に観た恐怖番組、特撮番組が怖かった経験がないだろうか。
大人になってもトラウマとして残っている物とか、覚えのある人もいると思う。
時代のおかげで、昔流行ったそんな怪奇ものの数々は現代でも高解像度DVDで観ることができる。
だが、今観てみるとたいがいの人は思うと思う
「どうしてこんなものが怖かったのだろう?」
かくいう銀次郎もその1人だ。
そういう目で見れば海外の怪奇映画だとかもそうだ。
ただこれは現代のハイレゾTVや高解像度DVDでみる効果も大きい。
怪奇映画だけでなくて、ちょっと老け始めた一時期の美人アナウンサーとかも今のTVで観ると
「シワが増えたなあ」
なんてことはないだろうか。
そう、そのせいで、昔の怪奇ドラマの特殊メイクも粗が目立つのである。
ファンデを塗りたくった後、メリケン粉をまぶした後、口紅がおおげさだとか、粗が目立つ
でも思い起こして欲しい、自分たちがまだ幼かった頃、フルHDだとか4Kだとかあったろうか。
あるわけない。
あの頃はTVがあるだけで恵まれていた。
そのTVも下手をすればTVの上に据え付けるちゃちな室内アンテナで、ダイヤルをカチカチあわせてなんとかそれらしい映像がボヤ−っと映ると言った代物。
自分が幼い頃は、まだ白黒TVの家庭もあったほどだが、そういうTVでは、粗がめだとうが、ぼんやりとした化け物や幽霊が移ろうが充分怖かったのである。
いや、ぼんやりとした見えなかったおかげで怖かったのかも。
ちなみに自分が一番怖かったのは昼12時からの
「あなたの知らない世界」
これは怖かった。
視聴者からの投稿を映像化したものだ。
特にのっぺらぼうの回。
田舎に嫁入りした主婦が深夜のっぺらぼうに出会い、それが夢か現実かわからず、ただ怯えまくって逃げているというものだが、自分はその映像が怖くて夢にまで見てしまった。
あの時代は怪奇物にまだ懐が深かった。
それが信憑性を疑う物でさえ、さもありなんと思わせる番組構成だった。
だから、宜保愛子さんとか霊能者が目白押しだったし、宜保さんはともかく、宇宙人のコンダクターだとか、どんどん無茶苦茶になっていった。
こういった時代背景からか、超能力を信じる者も多くなっていって、オウム真理教の悲劇につながっていってしまったのかもしれない。オウムはそういう時代の徒花だったと自分自身は思っている。
たぶんそのせいで、最近のテレビ番組は超自然現象をとりあげなくなっていったのだろうけれど、ともかくもそういう緩い時代に、どんなもので映像化していい時代に出てきた幽霊化け物は、幼かった自分たちには充分怖かった。
話がついぞ時代背景にまで及んでしまったが、自分の頭の中にはまだ健やかにあの時代の化け物が跳梁していて、
「また観たいなあ」
と思ってしまうのである。
あの頃のTVを今のフルHD40型のTVではなくて、隅の丸いボヤっとしたあの頃のTVで観たいと思ってしまうのである。
※画像は怪奇大作戦
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