最近つくづく思う。
人の世は儚く哀しいが、これほどありがたいものはない。
一時期は人の道を外してしまって、落ちるところまで落ちた自分だったが、人は決して見捨てず、それどころか暖かく包み込んでくれた。
いつだろう。
13階段を上る覚悟をしたのは。
いつだろう。
地を畳に、天を布団にと覚悟したのは。
そういう風に思っていた自分は間違っていた。
一人きりで考えていると、時々過去の自分がしてしまったことで、潰れそうになる。
あれだけ落ちぶれていた自分が、季節季節の花の色に感動できるようになったのは世間様のおかげである。
昔の記憶の夢で、車の中でハッとして飛び起きた。
しかし月が
「大丈夫だよ」
と微笑みかけてくれているようで
いつのまにか一粒の涙が流れていた。
ログインしてコメントを確認・投稿する