阿久悠の没後10年となる2017年にリリースされた北原ミレイのアルバム。
曲目は
1. 火の国へ(石川さゆり)
2. 北の宿から(都はるみ)
3. 舟唄(八代亜紀)
4. 京都から博多まで(藤圭子)
5. ざんげの値打ちもない(北原ミレイ)
6. 思秋期(岩崎宏美)
7. 街の灯り(堺正章)
8. 愛する人はひとり(尾崎紀世彦)
9. たそがれマイ・ラブ(大橋順子)
10. 五番街のマリーへ(ペドロ&カプリシャス)
11. あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)
12. マニキュア草紙
()内はオリジナル歌手名で、12は未発表作に新たに曲をつけたもの。
予告には「恋唄」(内山田洋とクールファイブ)、「契り」(五木ひろし)、「津軽海峡・冬景色」(石川さゆり)があったが、「火の国へ」、「愛する人はひとり」、「たそがれマイ・ラブ」へと変更されており、曲順も予告とは違っている。
「恩師、阿久悠先生に感謝をこめて…昭和から平成の歌謡史の中で、数々の魅力的な作品を世に送り出した名作詞家・阿久悠氏の没後10年の今年、デビュー曲『ざんげの値打ちもない』でお世話になった感謝を込めてヒット曲の数々を歌わせていただきます」との事だが、以前観た北原ミレイのTV番組ではこのデビュー曲がヒットしたためにしばらく似たような暗い曲ばかり歌わされて嫌だったとも言っていた。
ちなみに「ざんげの値打ちもない」のあと、「棄てるものがあるうちはいい」「何も死ぬことはないだろうに」「流れる」と4枚目までが阿久悠だ。
30分番組だったかと思うが、滅多にあるものではない北原ミレイの番組にして結局その3曲どころか「ざんげの値打ちもない」すら歌う事はなく、とてもショックだった。
さてアルバムは、そのカラフルなラインナップを現在の北原ミレイのドスの効いた歌声と強靭な表現力よる独自の世界で展開しており、アレンジも良く(「ざんげの値打ちもない」と「あの鐘を鳴らすのはあなた」はオリジナル通り)、非常に聴き応えがある。
当然「ざんげの値打ちもない」は当初カットされた本来の第4番も歌った完全版だが、これは同じ徳間ジャパンが2012年にリリースした「全曲集〜ためらい〜」収録のものと同一である模様。
新曲「マニキュア草紙」もなかなかの良曲だ。
作曲は長谷正太という人だが、この人については調べても何も判らなかった。
ジャケットもグッドだし、名盤に認定したい魅力作である。
基本新録音盤ながらプライスが2000円と安めなのもポイントが高い。
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