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2018年05月16日18:33

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5月13日 隅田川場石独演会 内幸町ホール

 昨年末に一年間見た落語を振り返ったら、ほとんど落協ばかりだった。というわけで芸協も見なければとGW明けの池袋上席は文治主任楽日。
 小グループの団体客がいたようで、GW明け平日でも6、7割の入り。70代前後がほとんどの通常営業の寄席。

●前座 茶光「つる」
 いつも下手側に座っていたせいか、前座もめくりがあることに気づかなかった。名前でわかるが鶴光一門。

●鷹治「強情灸」
 前座の頃に日本橋亭でみて以来。ずいぶん貫禄がついてきた。芸風も師匠によく似ている。柳若、昇々と交替

●太神楽 丸一小助 小時
 小助を見ると、春吾を思い出す。

●笹丸「一目上がり」
 竹丸門下の竹わがこの上席から二つ目に。師匠は弟子を散々ネタにしているが、竹丸門下って、結構みんなソツがない感じの仕上がりじゃないか。竹千代しかり、この笹丸しかり、あと前座の竹もんもなかなか。

●鯉朝「街角のあの娘」
 国立でこの噺を演じたら、アンケートに「何を話しているのかわからない」と書かれたそうで、そのリベンジ。休憩時間におまけ付きで新真打、夏丸・蘭のチケット販売と、相変わらずサービス精神旺盛。今席これほど上方勢が揃ったのも、この人が普段から大阪と東京の架け橋的役割を担っているからだろう。小文治と交替

●江戸売り声 宮田章司

●鯉昇「ちはやふる」
 小柳枝と交替。病気療養から復活の小柳枝見たかったのだが、もちろんこの人でも満足。モンゴル力士版「ちはやふる」。笑った。

●寿輔
 最前列下手寄りの男性が寝たり起きたりを繰り返すのをいじるが、相手もいじられてるのがわかっているようで、とにかく何を云われようが平気の平左。客の方が一枚上手か。

<中入り>

●漫才 新山ひでや やすこ
 久しぶりに見たが、前からヅラネタだっただろうか? 

●福笑「もうひとつのニッポン」
 文我、あやめ、三四郎、たまが交替出演の上方枠。6、7がたまで、最後の三日間はたまの師匠。海外企業との合弁事業を持ちかけられている日本企業。会社にやってきた外国人ビジネスマンの胡散臭さが可笑しすぎる。かなり前ににぎわい座の上方落語会で聞いた噺だが、あの当時も相応に面白かったが、いまやいい加減な説明を勢いだけで押し切ろうとする外国人ビジネスマンの姿が米国トップに重なる。演目が古くなる方が時代性がついてくるってどういうこっちゃい。

●笑遊「祇園祭」
 いるだけでも味がある噺家ってなかなかいない。昔はやたらと客を煽るのが苦手だったけれど、今は好きだなぁ。

●コント D51

●文治「火焔太鼓」
 千穐楽ということで、たいへん力が入った高座だった。最後に楽屋に残っていた本日のメンバーがもう一度舞台上に勢ぞろい。通常は協会と席亭が出演者を決めるが、今席は主任の文治が出演して欲しい演者を選んで組んだ芝居だそうだ。現在の芸協の編成への批判と取れないでもないが、確かにポイントでどんなに人気の二つ目や聞きたい真打が配されていたとしても、全体のラインで考慮すると「芸協の寄席・・・止めとこう」となるパターンが多いことに改めて気づかされた。そうした不満を笑いで誤魔化すでもなく淡々と訴える危機感は十分伝わった。


 13日は隅田川馬石独演会 於内幸町ホール。馬石の会はちょこちょこ足を運んでいるのだが、どの会に行ってもほんとうに師匠を応援したいという感じの温かい客席の雰囲気が共通している。こういう雰囲気の中なら演者は気持ちよく演じられるだろうなぁ。

●ひしもち「初天神」
 昨年今松の独演会に遅れて入ったときは、既に出囃子の音源を操作しているところで、あいにく聞けなかった。初見で云うのもなんだが、傾向は違えど辰じん(小辰)以来の逸材ではあるまいか。

●馬石「堀之内」
 この噺は馬石で聞くのが好きな噺。おかみさんの(ダメな亭主だけど)「立てよう」という気持ちが、抜けている自分に無自覚な熊の危ういプライドを支えている、そのバランスが良い感じなんだよね。この後出てくるゲストの白鳥が、翌日のツイッターで「(聞いていたら)自分も『堀之内』をやりたくなった」とつぶやいていた。それにしてもお祖師さまって言いにくい

●白鳥「トキそば」
 なんでこの人がゲスト・・・な白鳥。聞けばまだ雲助に弟子がいなかった頃、新潟で会を開くときは、前座・にいがた時代の白鳥が雲助のカバン持ちだった。二つ目になるとき「にいがた」を「新潟」に変えたいと師匠・圓丈に訴えた時も、雲助に相談したら「名前は大事だよ。オレも雲助という名前で損したことがある・・・」と口添えしたそうで、結構浅からぬ縁。一度稽古をつけて欲しいと頼んだら「イヤだ!どうせお前は教えた通りにやらないから」と云われたとか。白鳥の前座時代の話は、自分が寄席通いを始めた時期と重なる。雲助も権太楼もまだ弟子がいなくて、トリの志ん朝が出てくるまでクスリとも笑わない客たちを相手に悪戦苦闘していた。あたりまえだけど、師匠連にもそういう時代があったのだ。

<中入り>

●馬石「明烏」
 袖で白鳥に「今日は座布団こねなかったですね」と云ったら「オマエの独演会なんだからやらないよ」と云われたとか。「明烏」は実に馬石に似合った噺で、翌朝の若旦那に生来の無邪気さが残っていて、それが逆に子供らしい容赦のなさというか、あくまで初めておぼえた愉しみに忠実なところにつながっているのが良い。

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