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2018年02月10日06:04
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読了2冊 「羊と鋼の森｣／宮下奈都 と…
前述したが､娘宅滞在中｢この世の春｣上をイッキに読了してしまい
なのに、手もとには下がなく…
活字に餓え､娘の積ん読本の山を崩し､禁断症状を回避した2冊。
装画：牧野千穂／装丁：大久保明子
「羊と鋼の森」／宮下奈都
この小説､2016年 第13回本屋大賞を受賞した話題作。
発行当初すでに100人以上待ち。
ちょっと沈静化してから､なんて思ううちに
予約本に入れ忘れてしまっていたもの。
ここで出逢えてラッキーだった！
ということで、
宮下奈都さん、初読。
ピアノの調律師の物語だと言う。
それがなぜこのタイトル？と訝しく思っていたのだけれど
♪ ピアノの音は、
♪ ｢羊｣の毛で作られたハンマーが､｢鋼｣の弦をたたいて
♪ 生まれてくる。
というフレーズで、なるほど！と納得。
16歳､高校2年生の2学期…
将来の夢など考えたこともなく､
それ以前に、何かに惹かれたことすらなかった少年｢外村直樹｣は､
高校のピアノを調律に来た｢板鳥｣と出逢い、
彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じ、
調律の世界に魅せられ、果てしなく深く遠い｢羊と鋼の森｣の世界に、
足を踏み入れていく。
ピアノに出逢うまで｢美しいもの｣｢正しいもの｣に気づかずにいた外村は、
それに気づいてから、
他にもある｢美しいもの｣｢正しいもの｣にも気付くようになったのだ。
調律師の先輩たち、
客たち… 高校生姉妹､引きこもりの青年､意地悪なバーのオーナー。
そんな、ピアノに関わる多くの人に支えられ､磨かれて、
ときに迷い､悩みながらも外村は、
調律師として、人として、逞しく成長していく。
先輩調律師たちが行う奏者レベルに合わせた調律…
何か得心のいかない外村。
そのピアノの最高の音が出るように調律すべきではないのか？
という悩みに、先輩たちは各々の見識で応える｡
｢50ｃｃのバイクしか乗れない者がハーレーに乗ったら怪我するだろう？｣
｢打てば響くように調律したいさ。 でもわざと弾き手のアラが目立たないよう
鈍く調律しているんだ。｣
｢どんな音にしたいか？は弾き手が決める事｣
｢調律は誰のためにするんだ？｣
なるほど！
馬術でも、
ハイクラスな調教が入った馬ほど初心者には乗りづらい｡
全くピアノ演奏と縁のなさそうな引きこもり青年に､
長年放置されたピアノの調律を依頼された外村。
四苦八苦して何とか形を整えたピアノで､青年は｢子犬のワルツ｣を弾き始めた｡
始め､その曲から子犬は見得なかった。
が、だんだん見得てきた子犬は…
一般的に思い浮かべられるかわいい小さなﾏﾙﾁｰｽﾞのような子犬ではなく
秋田犬かﾗﾌﾞﾗﾄﾞﾙ･ﾚﾄﾘｰﾊﾞｰの､大きくて少し不器用な子犬…
テンポは遅いし音の粒も揃ってはいないけれども、
青年自身が少年のようにうれしそうに弾いているのがよく伝わってくる｡
ときどき何か口ずさんでいるようにも見えた｡
こういう子犬もいる。 こういうピアノもある。
ここに至って外村は持ち続けた悩みに１つの答えを得たのだろう。
少々付き合いづらい先輩｢上条｣は当初ピアニストを目指していたという。
｢なぜ弾き手ではなく調律師に？｣という問いに
吐き捨てるように彼は答えた｡
｢耳が良すぎたんだよ！｣
その耳に耐え得るような音を出せる演奏技術に到達できなかったのだ…
なるほど！ 凄い！ が､ある意味､気の毒でもある。
私も､多少ピアノを弾き齧ったことがあるので、
書かれる言葉は、かなり心に直に届く。
ん〜 そう、
音に関する表現を読んでいると、
そこは、脳を通さず直に心が理解していくような気になる。
｢鋼｣とか｢森｣という言葉からなのか、
なぜかもっと重厚な作品を想像してしまって読み始めたので、
軽やかな無色透明な作品であることにちょっと意表を突かれつつ読了。
確かに佳作である。
が、華々しく｢○○な長編！｣と花火を打ち上げるような作品ではない。
外村と､美しい姉妹､和音と由仁(原作では双子)との関わりが特に印象深く、
彼女らの求めた音と、
外村が提供できた音の変遷を､実際､耳で聴いてみたいと思ったら、
なんと！本作、2018年6月映画化されるそうだ！！
これは嬉しい！
メガホンをとるのは、映画『orange-オレンジ-』で大ヒットを記録した
橋本光二郎監督。
そして、音楽・世武裕子、脚本・金子ありさ と､一線で活躍するスタッフを迎え、
ピアノの音、森の景色や匂い、心を打つ言葉…
これを、映画ならではの、五感を刺激する美しい映像で届けて下さるとか。
豪華キャストとスタッフは、
調律師の世界に魅せられていく新米調律師の主人公、外村直樹を
常に話題作に出演し、絶大な人気を誇る俳優・山��賢人が、
外村に感銘を与え､彼の人生を導く憧れの調律師、板鳥宗一郎を
名優・三浦友和が、
演じるとのこと。
他、外村を優しく､時に厳しく指導する先輩調律師 柳：鈴木亮平。
ﾋﾟｱﾆｽﾄの高校生姉妹 和音(姉)由仁(妹)：実の姉妹である上白石萌音､萌歌。
北川みずき ： 堀内敬子
濱野絵里 ： 仲里依紗
上条真人 ： 城田優 (彼が上条… 合ってるなぁ〜 楽しみ！)
で、最後に、
面白い企画が！
プロの調律師に本作を読んでもらって感想を聞いたそうだ。
https:/
いずれも、彼らだからこそ！の感想､興味深い！
「素敵な日本人」／東野圭吾
9編の短編集
正月の決意／十年前のバレンタインデー／今夜は一人で雛祭り
君の瞳に乾杯／レンタルベビー／壊れた時計
サファイアの奇跡／クリスマスミステリ／水晶の数珠
いずれも､日本ならではの季節行事や社会事情を絡めた小品。
ちょっとひねった物もあり、怖いミステリーもあり、SFもあり…
愉しく読了。
｢水晶の数珠｣が１番好きかな。
ちょっとした空き時間も何か読みたかった､
活字に餓えた活字中毒の禁断症状回避には
最適な本だった。
なのに、手もとには下がなく…
活字に餓え､娘の積ん読本の山を崩し､禁断症状を回避した2冊。
装画：牧野千穂／装丁：大久保明子
「羊と鋼の森」／宮下奈都
この小説､2016年 第13回本屋大賞を受賞した話題作。
発行当初すでに100人以上待ち。
ちょっと沈静化してから､なんて思ううちに
予約本に入れ忘れてしまっていたもの。
ここで出逢えてラッキーだった！
ということで、
宮下奈都さん、初読。
ピアノの調律師の物語だと言う。
それがなぜこのタイトル？と訝しく思っていたのだけれど
♪ ピアノの音は、
♪ ｢羊｣の毛で作られたハンマーが､｢鋼｣の弦をたたいて
♪ 生まれてくる。
というフレーズで、なるほど！と納得。
16歳､高校2年生の2学期…
将来の夢など考えたこともなく､
それ以前に、何かに惹かれたことすらなかった少年｢外村直樹｣は､
高校のピアノを調律に来た｢板鳥｣と出逢い、
彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じ、
調律の世界に魅せられ、果てしなく深く遠い｢羊と鋼の森｣の世界に、
足を踏み入れていく。
ピアノに出逢うまで｢美しいもの｣｢正しいもの｣に気づかずにいた外村は、
それに気づいてから、
他にもある｢美しいもの｣｢正しいもの｣にも気付くようになったのだ。
調律師の先輩たち、
客たち… 高校生姉妹､引きこもりの青年､意地悪なバーのオーナー。
そんな、ピアノに関わる多くの人に支えられ､磨かれて、
ときに迷い､悩みながらも外村は、
調律師として、人として、逞しく成長していく。
先輩調律師たちが行う奏者レベルに合わせた調律…
何か得心のいかない外村。
そのピアノの最高の音が出るように調律すべきではないのか？
という悩みに、先輩たちは各々の見識で応える｡
｢50ｃｃのバイクしか乗れない者がハーレーに乗ったら怪我するだろう？｣
｢打てば響くように調律したいさ。 でもわざと弾き手のアラが目立たないよう
鈍く調律しているんだ。｣
｢どんな音にしたいか？は弾き手が決める事｣
｢調律は誰のためにするんだ？｣
なるほど！
馬術でも、
ハイクラスな調教が入った馬ほど初心者には乗りづらい｡
全くピアノ演奏と縁のなさそうな引きこもり青年に､
長年放置されたピアノの調律を依頼された外村。
四苦八苦して何とか形を整えたピアノで､青年は｢子犬のワルツ｣を弾き始めた｡
始め､その曲から子犬は見得なかった。
が、だんだん見得てきた子犬は…
一般的に思い浮かべられるかわいい小さなﾏﾙﾁｰｽﾞのような子犬ではなく
秋田犬かﾗﾌﾞﾗﾄﾞﾙ･ﾚﾄﾘｰﾊﾞｰの､大きくて少し不器用な子犬…
テンポは遅いし音の粒も揃ってはいないけれども、
青年自身が少年のようにうれしそうに弾いているのがよく伝わってくる｡
ときどき何か口ずさんでいるようにも見えた｡
こういう子犬もいる。 こういうピアノもある。
ここに至って外村は持ち続けた悩みに１つの答えを得たのだろう。
少々付き合いづらい先輩｢上条｣は当初ピアニストを目指していたという。
｢なぜ弾き手ではなく調律師に？｣という問いに
吐き捨てるように彼は答えた｡
｢耳が良すぎたんだよ！｣
その耳に耐え得るような音を出せる演奏技術に到達できなかったのだ…
なるほど！ 凄い！ が､ある意味､気の毒でもある。
私も､多少ピアノを弾き齧ったことがあるので、
書かれる言葉は、かなり心に直に届く。
ん〜 そう、
音に関する表現を読んでいると、
そこは、脳を通さず直に心が理解していくような気になる。
｢鋼｣とか｢森｣という言葉からなのか、
なぜかもっと重厚な作品を想像してしまって読み始めたので、
軽やかな無色透明な作品であることにちょっと意表を突かれつつ読了。
確かに佳作である。
が、華々しく｢○○な長編！｣と花火を打ち上げるような作品ではない。
外村と､美しい姉妹､和音と由仁(原作では双子)との関わりが特に印象深く、
彼女らの求めた音と、
外村が提供できた音の変遷を､実際､耳で聴いてみたいと思ったら、
なんと！本作、2018年6月映画化されるそうだ！！
これは嬉しい！
メガホンをとるのは、映画『orange-オレンジ-』で大ヒットを記録した
橋本光二郎監督。
そして、音楽・世武裕子、脚本・金子ありさ と､一線で活躍するスタッフを迎え、
ピアノの音、森の景色や匂い、心を打つ言葉…
これを、映画ならではの、五感を刺激する美しい映像で届けて下さるとか。
豪華キャストとスタッフは、
調律師の世界に魅せられていく新米調律師の主人公、外村直樹を
常に話題作に出演し、絶大な人気を誇る俳優・山��賢人が、
外村に感銘を与え､彼の人生を導く憧れの調律師、板鳥宗一郎を
名優・三浦友和が、
演じるとのこと。
他、外村を優しく､時に厳しく指導する先輩調律師 柳：鈴木亮平。
ﾋﾟｱﾆｽﾄの高校生姉妹 和音(姉)由仁(妹)：実の姉妹である上白石萌音､萌歌。
北川みずき ： 堀内敬子
濱野絵里 ： 仲里依紗
上条真人 ： 城田優 (彼が上条… 合ってるなぁ〜 楽しみ！)
で、最後に、
面白い企画が！
プロの調律師に本作を読んでもらって感想を聞いたそうだ。
https:/
いずれも、彼らだからこそ！の感想､興味深い！
「素敵な日本人」／東野圭吾
9編の短編集
正月の決意／十年前のバレンタインデー／今夜は一人で雛祭り
君の瞳に乾杯／レンタルベビー／壊れた時計
サファイアの奇跡／クリスマスミステリ／水晶の数珠
いずれも､日本ならではの季節行事や社会事情を絡めた小品。
ちょっとひねった物もあり、怖いミステリーもあり、SFもあり…
愉しく読了。
｢水晶の数珠｣が１番好きかな。
ちょっとした空き時間も何か読みたかった､
活字に餓えた活字中毒の禁断症状回避には
最適な本だった。
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