芸は”見て盗む”モノだと教わった。
私は修業に就いたとき、
そのほとんどが”大先生”の班にいた。
運転手兼裏方で何年もいたせいか
独立して大道芸に出始めた時、
私の人形を遣う姿を見て、
”大先生”にそっくりだと言われたことがあった。
特に意識して真似しようと思ったことはなかったが、
長い期間その遣う姿を見続けていたことで、
自然と身についたものなのだろう。
今は多分に違う姿になっているのだろうと思うのだが、
芸は模倣から始まると言ってもいいのかもしれない。
ところが世の中、模倣犯と言う言葉がある。
先日大阪からの帰り、
3車線ある名神高速を走行しているとき
一番右の追い越し車線をとろとろ走っている車があった。
私はピンときた。
模倣犯
注意されたことで腹を立て、追い越し車線で停車させ
トラックの追突を招き、二人も殺してしまった事件。
その車は、私が近づくと急に加速して、
しばらくするとまた追い越し車線で
とろとろ運転しているものだから
私は一番左の走行車線を、違反しない程度の速度で走り
何とか関わらずにかわすことができたのだが、
ほどなく別の車で似たように走っているのがいて、
これは模倣以外の何物でもないと思った。
しかも事件の車もこの2台も、ワンボックスカーなのだ。
セダンより“上から目線”になれるからだろうか。
上から目線
嫌な世の中になったものだ。
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