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2017年09月03日23:34

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アイデアの取捨選択ができない冗長ばかりの大作 『トランスフォーマー/最後の騎士王』

何事でもそうだが、まずアイデアがあって、我々はアイデアを取捨選択する。
アイデアだと思った要素が煩雑だったり、目的の導線を混乱させるからだ。*1

本作はアイデアの取捨選択がまったくできていない映画だ。
放り込むだけ放り込む。
結果、映画は冗長となって映像もメリハリがなくなっている。*2

オプティマス・プライムが宇宙へ旅立ち数年。
地球は人類とトランスフォーマー(TF)の対立が激化。
主人公ケイド(マーク・ウォールバーグ)は、
あるとき墜落した宇宙船からTFを助け出し、タリスマンをたくされる。
タリスマンはやがてケイドを、人類の歴史に関るTFらの真実と、
地球滅亡を企むクインテッサの野望へ導く。

映像はすごい。
VFXの物量的パワーは今年1番だ。
プライムとビーもかっこいい。

だが、結局、映像とは物語で良くも悪くもなる。
その物語がまったく本作は整理できていない。

ウィトウイック騎士団のバートン(アンソニー・ホプキンス)が、
キューバのシーモアと交渉する場面は全部省略できるだろう。*3
バートンがTFの歴史を説明する部分も「説明しかなく」、
コグマンのコミカルな活躍はあれど退屈になってしまう。*4
舞台移動に時間を取るのも気にはなる。*5
ところが最終目的は杖を取り戻す単純さ。なら過程が煩雑すぎるだろう。

続編の鑑賞に本作の鑑賞が絶対必要だという最後をふくめ、*6
それらは映画に全部を取り込もうとし発生している。
自分は、その冗長さがほめられない。


※1 あえて“なくす”ことが「選択」と「集中」を高度にし強化する場面は多い。

※2 TFらの活躍はすばらしい。……が、長尺かつ物語にメリハリがないために集中できずに印象にのこらない結果になってしまっている。ディセプティコンのTFなんかは、メガトロンじきじきに出所交渉する場面を鳴り物入りで見せる。だが、各機の特徴すら描写できずに映画が終る。

※3 おそらくシーモア(ジョン・タトゥーロ)や、今回サイバトロンの破壊で最後の作戦に失敗する物理学者がクィンテッサに寝返る、と、今後重要な立場をになうのかもしれない。その場面が必要かどうかおくとしても。

※4 本作は、このコグマンのコミカルさだけは評価しておく。

※5 TFが円卓の12騎士と関係していた展開でイギリスに移動するのは納得できるが――最後のランドマークもイギリス国内だし――、直接バートンの屋敷に到着させれば時間短縮ができる。そもそもイギリスから物語を開始してよかったんでは?

※6 本作の最後は完全に続編に続く格好で終る。そもそも世界各地に出現した「6つの角」の問題とかまったく解決しないんですもん。
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