mixiユーザー(id:22841595)

2015年05月27日21:06

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野蛮な国

 根本的な疑問があります。
 もう1年近くも前の話になってしまいましたが、政府は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしました。しかし、今の日本国憲法の下で、憲法のどの条文のどんな文言をどう解釈したら、我が国が集団的自衛権を行使することができるのかという具体的解釈については何も明らかになっていないように思います。
 具体的に解釈は示したのに、私が不勉強で知らないだけなのでしょうか。そうであれば、どなたかご存知の方は、その解釈を教えてください。
 もっとも、その場合には、現行憲法を改正せずとも、いわば解釈改憲で、集団的自衛権の行使を容認することができるわけですから、にもかかわらずなぜ、政府があんなに躍起になって憲法を改正しようとしているのかも説明してください。

 ただ、私の見るところでは、そのような具体的解釈はいまだ存在していません。だから、政府があんなに躍起になって憲法を改正しようとしているのだと、まぁ、そこのところは一応筋が通るのですが、しかし、これはこれで、口で言う以上に大問題です。
 具体的解釈が示されなかった(示せなかった)ということは、現行憲法上は、集団的自衛権の行使は容認できないという従来の解釈に従わざるを得ないことになります。しかも、閣議決定に参加した「国務大臣」は、憲法99条によって、明文で「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされています。解釈次第では集団的自衛権の行使を容認することができるというのであればまだしも、具体的解釈が示されないままに、始めに結論ありきで集団的自衛権の行使を容認することができるというのは本末転倒です。

 昨日からは、集団的自衛権の行使を容認する法案の審議が始まりましたが、これもメチャクチャな話です。なぜなら、法案を審議する「国会議員」もまた、上述の憲法99条によって、明文で「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされているからです。
 集団的自衛権の行使を容認していない(と解される)現行憲法を本当に尊重し擁護する気があるなら、集団的自衛権の行使を容認する法案を提出する動きがあっただけでも、真っ先に提出自体を禁じてもいいくらいの話です。もしどうしても審議したかったら、まず、憲法を改正してからにしろという話なのです。
 それなのに、この憲法99条の問題がほとんど話題にすらならないのは、私には異様に感じられます。9条の問題ばかりに焦点を当てているからなのか、平和ボケしているからなのか、それとも、私の方がおかしいということなのでしょうか?

 でも、とくに現政権に頻繁に見られるこうした憲法軽視の姿勢は、きっと国際的には軽蔑の対象になっているはずです。アメリカなどは、自国に有利なことなので、口では日本を誉めそやしてくれるかもしれませんが、内心では、ちょっと圧力をかけただけで、憲法上の制度でさえ、いとも簡単に正規の手続きによらずに変更してしまう、なんて無分別な奴らなんだ、と馬鹿にしていることでしょう。

 以前、こちらの日記(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1842317975&owner_id=22841595)で、大津事件について触れましたが、あの時は日本が司法権の独立という憲法上の制度を対外的に守ったから、列強は日本という国を見直したのです。ちゃんとルールを守ることができる法治国家であり、そのときどきの都合で(支配者の一存で)どうにでもなる野蛮な国ではないと見直したわけです。

 大津事件から100年以上も経っているのに、この国は、進歩するどころか野蛮な国家に戻りたいようです。
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