自分もよく身近で感じるのだが、同じ欠点であっても人によって180度見え方が違うなあと思っている。
日本でよく言われる
女・酒・ギャンブル
男にはどれかの欠点があるとよく言われる。
二つ以上あると身を滅ぼすとも言われる。
しかし、ごくまれに、これらの欠点がとても愛嬌よく映る男たちがいる。
ふつうに考えると、女癖が悪く、それで仲間内の女性にちょっかい出したりして、不興を買うような人間は、友人にしたくないし、
酒癖が悪く酔うと絡んでくるような人間は、ぶんなぐってやりたいとさえ思う。
高校生のころ、雇われていた土建会社の酒癖の悪い会社社長に口汚く罵られたときは思ったものだ。
「・・オレは将来まちがってもお前のような社長にはならない」
一方、同じような欠点を持つ男たちでも、これがまた一種独特の愛嬌になって映る男たちがいる。
自分はそんな男たちを思うと一人だけが強烈に思い浮かぶ
むかし戦国時代に福島正則という勇猛な武将がいて、秀吉に見出された彼は、ほぼ槍ひとつの戦場働きでその身を切り開いて来た。
彼の声が戦場に響くと秀吉は
「・・・おうおう、あすこに市松がおるぎゃ」
と馬上言ったといい
彼の行くところ無人の野をいくが如しであったという。
典型的な戦国武将である。
秀吉の天下取りには彼の功績も多く彼自身思っていたのではないか。
しかしそんな彼は酒乱でもあったらしく、酒を飲んだ後は荒れに荒れ、誰も近寄れぬ風であったという。
そんないつもように荒れた福島正則を止めに入った家老がいたようで、止めに入った家老、(名前は忘れた)に彼は怒声を放つ
「・・・おう!ぬしゃあ家臣の分際で主にたてをつくかぁ!そのような家臣はわが家にはいらぬだわ!さっさと腹を斬れい!!」
そういわれた家臣何某は朋輩の止めるのも聞かずに
「・・やれやれ、殿様は言い出したらきかぬお人だわ、しょうがないわい」
といって腹を斬ってしまう。
一方、一夜明けて酔いからさめた正則はその家老の首を見てあわてた
「・・どうした風でや!!○○!・・・なんでこういう風になっとるでや!!??」
と左右に聞くがさすがに左右は呆れたように顔を見合わせ
「・・・殿のいいつけなれば・・」
というしかなかった。
いうや正則はその首を抱き血だらけになりながらおんおん泣き喚く。
家臣はその正則に呆れもしたが、そんな正則を愛しもしたらしい。
言い換えれば正則のそんな人間性は不思議というしかなく、同じく戦場働きで疾駆し、人間的にきかんきの多かった可児吉長こと笹の才蔵もその配下に参じている。
ああ、欠点はあっても魅力の多い人間像を語ることが福島正則の話になってしまった。
話が長くなったが人の魅力は不思議というしかない。
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