グラウンド中央でボールを受けたセンターバックの吉田麻也が、そのまま敵味方を引きずるようにして敵陣に向かってドリブルを開始した。
速い!
追いすがる敵を振り切って、吉田はゴールに向かう。
マヤ!、来い!来いっ!
麻也がヘディングで、ボールをゴール右隅に叩き込む。
マヤーーーーッ!
早朝にもかかわらず、私は絶叫した。
頭のすみで、しかし開幕のブラジル戦の前に、どうして日本戦をやってるんだろうなという考えがよぎる。
目覚まし時計が鳴った。
朝5時。
TVでは、開幕試合のキックオフ前にブラジル国歌を大声で歌うマルセロの顔が、どアップになって映っていた。
・・・夢だったのか。。。。
徐々に目が覚めてくる。
そもそも、麻也があんなスピード溢れるドリブルなどできるわけがないよな。
それに、さっきまでドリブルしてたボールを、どうやったらヘディングでシュートできるんだよ。
・・・やっぱり夢だったんだな。
しかし。
4年に一度の夢。
Dreams come true .
私は、日本中のサッカー小僧とともに、吉田麻也と、柿谷曜一郎と、香川真司らとともに、ブラジルの土俵で闘う夢を見る。
この24時間、世界中の人たちが、西村主審を話題にしている。
こんな日が来るなんて。
西村さん、
審判稼業の辛さは、あなたが誰よりもわかっているよね。
耐えてくれ。
そして次の試合が割り当てられたら、再び堂々とレフェリングしてほしい。
あなたはJリーグが産みだした努力の結晶であり、アジアの自慢であり、私たちの誇りなのだから。
とうとう開幕。
どうか、あれが正夢とならんことを。
ザッケローニと選手たちに、武運あらんことを。
ログインしてコメントを確認・投稿する