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2011年08月01日00:13

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7月31日 池袋演芸場7月余一会 落語芸術協会・立川流二派連合落語会

 小雨模様、昼の池袋で開場待ちの列に並んでいたら、若い男性ふたりが通りかかった。そのうちのひとりが演芸場の前でいきなり街路に身を投げ出し、土下座の体勢。ふたりで濡れた歩道を笑いながらごろごろ転げ回っていた。なんだったんだろうあれは。酔っぱらい風でもなかったが・・・ひょっとしたら何やらケミカル系の悪酔いだったかも。

 会のほうは立ち見は出さずにギリギリ満員。見る側にはちょうど良い案配だが(たぶん演る側も)、談春がトリの去年は超満員だったらしいから、それに較べると大人しい入りじゃないだろうか。

●前座 桂翔丸「牛ほめ」
 去年のこの回にも前座で出て、すべりまくったそうな。去年みたいな超満員だったらあがってしまったかもね。でも今回をみる限りでは、きちんと出来上がっている前座さんという印象。以前芸協の前座さんで二人ほど「防災のお守りを」と云うのを聞いて「芸協ではそういうのかな」とか思ったりしたが、この人は「秋葉様のお札を」だった。

●平林 「浮世寝問(名古屋弁バージョン)」
 演芸場の高座に上がるのは初めてだそうな。「池袋ってすごいところですね。さっき入り口の前で土下座している人がいました」前述の土下座男の目撃談。いつもの家元が名古屋弁落語を許したくだりがまくら。でも家元の前でドジョウすくいを踊り、ご褒美に五千円もらった(ショボい)という話しはちょっといいですね。落語の後は、その本場仕込みドジョウすくいを披露してくれた。

●志遊 「四人癖」
 平林のドジョウすくいは、後の志遊から「延ばせ」と云われていたからだそう(それがなくても踊ったんだろうけどね)。ともかく平林の池袋デビューはアピール度満点ではあった。

●遊雀 「浮世床」
 床屋の熱いタオルの小話を昨年亡くなった古今亭志ん五の型でやる。それ以外はいつもの遊雀。おしまいに何やら蛇足なお笑いをやっていたが、後の出演者から延ばせと指示でもでていたのか。

●スティファニー 奇術
 今回は魔女軍団最年少のここあ嬢。

●雲水「看板のピン」
 故文都の他にも上方立川流がいたのか・・・と思ったら、この方以前はスキンヘッドじゃなかったろうか? 以前見たときはつるつるだから雲水なのかと思ったのだが、今回見る限りでは普通のヘアスタイルだった。この噺を上方落語で聞いたときは、最初に看板のピンを出す博打打ちは関東者という設定だった。今回は人の先回りをして上前をはねるという、ちょっと悪な設定。金へのシビアさが関西っぽいか。

●圓馬「お化け長屋」
 この人と小文治は、昨年も出ていたようだ。芸協も渋い人選でくるなあ。言い立ても含めてトントンと進む、本寸法って感じの語り口。とても良かったと思うのだが、立川流ファンが多い客席はお疲れ気味だったのか、寝てる人が目立った。

●青年団 コント
 携帯で連絡取る必要が生じ中抜けで聞けず。

●勢朝 
 昔、創作落語のイベントの時、よく昇太と一緒に凸凹メガネコンビで司会をやっていた。その時から楽屋のうわさ話ばかりの人だったが、いまだにそればっかり。昔はそれでも笑えたが、今はもう笑えない。

●左談次「太鼓腹」
 二日酔いで・・・みたいなことを云っていた。「延ばせ」指令の原因はまたもやこの人か? シュッとして落語家らしい外見はカッコイイのだが、落語の方は大抵大急ぎの展開になる。


<仲入り>

●小文治「きゃいのう」
 今回のベストアクトかな? 弟弟子の平治が文治襲名と聞いて、小文治はどうするのかと気に掛かっていた。個人的には平治より小文治の方が好き。もちろん較べる質のものではない。でも平治とか市馬とか、巧いし嫌いではないんだけど、それほどに愛着がわかない語り口の人というのがいるんだよなあ(あくまで個人的意見)。最初は眠りかけていた客席も、髪結いの親方の語りからぐいぐいひきこまれていく。このまっすぐな芸は立川流ファンにも通じたと思いたい。 

●マグナム小林 バイオリン漫談
 昔は談志の弟子だったと聞いた記憶がある。どういう経緯で芸協の色物さんになったのか・・・。

●談幸「寿限無(改作)」
 穏やかな常識人イメージのこの人から「ニュースを見ていると、虐待でなくなるお子さんには変わった名前がついていることが多い・・・」などという毒のある話が出てくるとは思わなかった。そのマクラから寿限無に突入するのだが、息子に長い名前をつけた母親、それを覚えきれないボケた祖父母、「うちの息子が」で済まそうとして母親に「ちゃんと名前で呼びなさいよ!」とたしなめられる父親などなど、なかなかブラックな味わいで面白かった。それでも最後は子供同士、仲直りして遊んでらぁという平和なオチ。

●桃太郎「結婚相談所」
 代書屋を連想させるいつもの新作落語だが、芸協のときとは違う客席の反応を、探りながら進めていた。もっとも桃太郎は、いつも淡々と語りつつもかなり考えながらネタを投入してるよね。その意味では実験的落語だと思う。

●ボンボンブラザース 曲芸
 半紙の芸でここまで盛り上がるとは・・・。ある意味反応が浅草以上。池袋は舞台が狭いから大変だ。

●談笑「ジーンズ屋ゆうこりん」
 ゆうこりんの語りの部分が冗長になった印象。間をもたせすぎるというか、「浜野矩随」の時を思い出してしまった。ポンポンやれとは云わないが、ちょっと芝居臭が過剰。


 上手側後方の客が笑いのタイミングが周囲と激しくずれていて、しかも笑うところでもないくだりで大声で笑う。今どき浅草でもいないようなKYなお客さんだった。あれは演者もやりずらかったろう。今日思ったが、談幸はちょっと兼好ににているのではないだろうか。もちろん兼好の方が若くて今風だが、骨格が似ている。よって声と話し方が似ている気がする。
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