自分にとっての宝物を探して
世界中を旅した人がいた
秘境を訪れ
見たこともない
景色や遺跡や
たくさんの人との出会いが
あったのだそう
だけど
どれも物足りなさは
ぬぐい切れなかった
地の果てまで行って
徒労に終わった旅から
自分が生まれ育った家に
帰ってきたときに
気づいたのだそう
自分が追い求めていたものは
地の果てなどにはなくて
生まれ育った家の目の前の
庭に湧き出る泉にあったと
自分探しの旅という
自分が一体何者かを
見つけに行くことに
若者は駆り立てられる
だけど
世界中どこ探したって
見つけたい自分なんていない
自分を見つけるのに
旅は必須ではない
自分を見つけるのではなく
自分に気づきを与えるものを
見つける
自分は何に感動し
自分は何に悲嘆し
自分は何に歓喜を覚えるか
こんなものに感動するのが自分
こんなことに悲嘆するのが自分
こんなことに歓喜するのが自分
そんなことがわかるなら
自分探しの旅などに出なくても
自分が見つかるのでは
なかろうか
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