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2024年02月11日18:19

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Boy’s Surface

円城塔

円城作品の中でも最難関とされるもの、らしい。小編が四つとその解説からなるのだが、どれもお話らしいお話が存在しない。すごーく頭のいい人の妄想を読んでいる感じ。さっぱりわからない。引用されるモチーフはリーマン予想だったりチューリング・マシンだったり、ボードリヤールだったり。ディレイニーやギブスンの作品からの引用もあるし、2編は初出がSFマガジンだったりするからSFと言えなくもないが、この作品が含まれそうなジャンルを知らない。

同じように著者が天才肌の筒井康隆作品と比べると、狂気感は通ずるものがありそうだがナンセンスに泥臭さがなくて透明感がある。文章に生活感がない。まあ両者とも比較されても困るだろう。むかし勧められるままに三毛猫ホームズの一冊を読んだが巻末まで耐えられず、ラノベとはこういうものなのかと理解した。本書はラノベの対極にあると思う。知性の高い人の論理的な妄想、理解は難しいがそれでもこっちが好ましい。
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