吾妻ひでお
薬物は怖い。世間はそれを許さない。だが依存先がアルコールとなるとそれほどでもないと、太宰治が斜陽の中で書いていた。昭和の頃はそうだったかもしれないが、現代ではなんであれ依存症は大変よろしくない。退職してストレスは減ったが、ここのところコロナ禍と関係なく酒量が増えている。先日はペットボトルで安い酒を買った。老化の影響以上に脳が壊れつつあるのを自覚できる。気になってきたので本書を読み直した。まだ依存症ではないはずだ、吾妻ひでおが最初に失踪する前段階には至っていないから。
本書では依存症になってしまった状態は描かれるが、それ以前、依存症に到る状態はあまり描かれていない。それはそうだ、テーマは失踪なのだから。だがわたしにだっては吾妻ひでおが二度目の失踪から戻ったあとに陥った連続飲酒に至る可能性はある。せいぜい気をつけよう。
庭のあんず、実が取れたら今年はあんずジャムでなくあんず酒にしてみようかと思ったが、これはダメなやつだ。ジャムにしておこう。
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