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2022年02月05日01:13

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寒稽古

先週末から府中郷土の森博物館の梅まつりで大道芸を始めた。
気温が10度の届かない寒さの中、
しかし日が照れば、私たちのやっているところは暖かい。
と言っても、やはり自然は容赦ない。
歳をとって指先に油っ気が無くなっているうえに
空気が乾燥し、しかも手がかじかんで
手板が滑る、
糸をしっかり持っていても滑ってしまう。

遣い初めに指先を湿らそうと口元に持って行こうとして
マスクをしていることに気付く。
仕方なく額の汗で代用するが、
つばきと汗ではちょっと具合が違っているよう。
そこで次の遣い初めに
マスクの下から指を突っ込んでなめてみると
しょっぱいこと!

梅の花はまだしょぼしょぼで
しかもこの感染拡大があって
人出は期待できないのだけれども
この寒稽古のような大道芸が好きだ。
寒さで体が縮こまっているからこそ
身体を大きく遣い ―とりわけ肩甲骨を―
身体を苛め抜く。
そうすると
1年間人形を遣い続けられる体ができるようだ。
そう、丁度プロ野球の春季キャンプ、
オープン戦のようなもの。

玉川奈々福の「語り芸パースペクティブ」を読むと
義太夫にしても浪曲にしても能にしても
エネルギーを出せ、声を目一杯張れと言われるそうだ。
目一杯やらないと限界が分からないし
限界を知らないと、限界を越えられないし
限界を越えないと、己の表現にならない。
しかも限界なんて、一つとは限らない。

それにしても
限界手前で甘えている芸人の、なんと多いことか。

サンシュユもボケもフクジュソウも、
まだつぼみは堅い。
でも行くたびに膨らんでいき
ある時パーッと開いているのに出会うと
心がほどけるのだ。

寒くても春は良い。
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