１億円プレーヤーと言えば、プロ野球では一流の仲間入りだ。
もっともかつては誰しもの憧れだったが、今では１球団にゴロゴロいるから、かつてほどの後光はささない。
しかし、一サラリーパースンにすれば、凄い憧れだ。
◎トップはソフトバンクグループの外国人役員サイモン・シガース氏の１８．８億円
過日、日経新聞に東京商工リサーチの調べた日本の上場企業の役員の報酬ベスト３０が載っていた。ただ、そのうち上位８人までは外国人役員だった。
東京商工リサーチは、２０２１年３月期の上場企業の有価証券報告書を調べた。
東証上場企業は、有価証券報告書に自社の１億円以上の報酬を支払った役員名を公表している。それを集計したところ、１億円プレーヤー役員は、５４４人いた。
目を引くのは、ソフトバンクグループ（ＳＢＧ）の外国人役員の数の多さと報酬額の多さだ。トップ、３位、６位、７位と、４人もがＳＢＧ役員が占め、いずれも外国人だ。
トップのＳＢＧ子会社のイギリス、アーム社ＣＥＯのサイモン・シガース氏（写真）で、日本円で１８．８億円である。
ＳＢＧは投資会社だから、傘下にアーム社のような超優良企業体を抱えている。そして傘下のビジョンファンドは、世界中のスタートアップ企業や自ファンドの投資した会社をウォッチしている。それは、かなりの才能と経験を有するから、世界中の優良ファンドマネージャーなどを高額報酬で集めている。
◎武田薬品の常連１位のウェバー氏は２位
極端な話、能力など正確には測れないとしても、同じ程度と目される人材なら、日本人の１０倍は出さないと、来てもらえない。グローバルな経営者市場では、優秀な人材は奪い合いなのだ。
２位になった武田薬品のＣＥＯクリストフ･ウェバー氏（写真）は、武田が三顧の礼と高額報酬でイギリスのグラクソ・スミスクラインからスカウトした経営者だ。時期ＣＥＯ含みで入社したウェバー氏は、当時、武田のトップだった長谷川閑史社長より１０倍近い超高額報酬で招かれたことが話題になった。
ＳＢＧに戻せば、日本の会社なのに日本人は肩身が狭い。ＳＢＧ役員で携帯子会社ソフトバンク（ＳＢ）会長の宮内謙氏は、外国人役員の後塵を拝する１２位だ。それでも６．３億円だから、日本人ランキングの中では５位に位置する。
◎創業家出身のＣＥＯは意外に少ない
意外なのは、ＳＢＧ創業者でＣＥＯの孫正義氏（写真）は、１億円だった。
ただ１億円というのは、企業から支払われるサラリーだ。孫氏にはサラリーなどの物の数ではないほどの配当収入がある。昨年１０月現在の配当金収入は１９３億円以上あった。これも、高収益企業ＳＢＧの今年４月末で３２．１％もの株式を握っているからだ。孫氏の配当金収入の前には、役員報酬など小遣い銭のようなものだ。
ちなみに外国人優位は、製造業でも目立つ。トヨタ自動車トップの豊田章男氏はランキング２８位につけ、トヨタ自動車から受け取る報酬は４．４億円だが、副社長のディディエ・ルロワ氏（写真）は、豊田氏の４倍超の１４．５億円（ランキング４位）の報酬を受けた。創業家出身のＣＥＯより、はるかに報酬が多い。
凄腕外国人にはかなわない。もっとも彼らに言わせれば、たくさんの株を持つ創業家出身の経営者には配当込みならずっと少ない、と言うだろうけれど。
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昨年の今日の日記：「アメリカの対中制裁はさらに強化、南シナ海の不介入政策を止め、トランプ大統領は香港自治法案に署名、同法が成立」
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