妖精達が作ってくれた服をまとう。やはり着心地がいい。
サートリも嬉しそうにしている。このままここに入れば平和だろう。
でも僕らは旅に出ないといけない。探し物があるからだ。
「お前は『強欲』だな」
「妖精女王・・・そうだよ。僕は『強欲』だから」
「その『強欲』で奇跡の子を守れると?」
妖精女王は冷たく言う。それに対して僕は背中を向けて、
「『強欲』だからこそ彼女を守れるんだ」
そう言いながら冷笑を浮かべた。
僕の中には彼女を守るという欲も、『探し物を見つける』という欲もある。
その欲は執着。僕の心を縛り付ける。あああ、早く『完成』させたい。
荷物と装備を整えたサートリがやってくるのが見えた。僕は何時もの笑顔にし迎える。
「ドラッ、ヘ、おま、たせ」
「大丈夫だよ。さあ、とりあえず隣の都市ファイ・ブロ・ライトへ行こう」
「うん!」
笑顔でそううなずくサートリの手を引いて僕らは妖精の森を出た―――・・・
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